hagiwara の記事一覧
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スケーリング(歯石除去)
昨夜は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「予防歯科」についての講義に参加してまいりました。
前回の歯周病の講義の続きでした。今回は予防歯科の1つである「スケーリング(歯石除去)」についてお話させて頂きます。
<スケーリング(歯石除去)>
超音波スケーラーを用い、歯肉縁上・歯肉縁下の歯面からプラークと歯石を除去することです。
【当院で使用している超音波スケーラー】
スイッチをおすとチップの先端が震動し歯石を除去します。また先端からは水が霧のようにでて汚れを洗浄し、歯とチップの冷却を行っています。
<ポリッシング>
スケーリングを行った後の歯面は細かく不正な凹凸があるので、研磨剤をつけて歯の表面をツルツルに磨かなければなりません。これをポリッシングといいます。当院ではスケーリングの後には必ず行っております。行わないと歯面が粗いままになってしまいプラークや歯石が再付着しやすくなります。
【当院で使用している研磨剤】
無麻酔下で鉗子などで歯石をバキッと取るだけではその歯の表面にはまだプラークと歯石が粗く残って、歯石が再付着しやすく、歯周ポケット内の歯石までは完全に除去することはできません。歯周ポケット内の歯石をそのままにすると歯周病が悪化します。よって、全身麻酔下にて丁寧にスケーリングする必要があります。
全身麻酔を心配される方が多いですが、術前に各種検査を行い、基礎疾患がないか確認し、安全性が高い麻酔を用い、麻酔中は麻酔モニターで心拍数・呼吸数・血圧・酸素飽和度(spO2)・CO2・体温などを各種モニターしながら行っておりますので、昔に比べたら安全性は高くなってきています。
【当院の麻酔モニター】
「最近口臭がする」「歯石がついてきた」「歯肉が赤い」「食べる時痛そう」などの症状がみられた場合はすでに歯周病かもしれませんので、一度ご相談ください。(歯周病についての詳しい説明はこちらになります)
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骨肉腫
こんにちは。獣医師の萩原です。7月10日(土)11日(日)はお休みを頂き、日本獣医がん学会に参加してまいりました。がん学会は1年に2回、夏は神奈川、冬は大阪で開催され、できる限り参加するようにしています。今回のメインテーマは「骨腫瘍」でした。今回は骨腫瘍の中でも最も多い腫瘍である「骨肉腫」についてご説明させて頂きます。
【骨肉腫】
わんちゃんの骨肉腫は大型犬の前肢に多発し(後肢の約2倍)、橈骨遠位端と上腕骨近位端が2大好発部位とされています。
遠隔転移率が高く、断脚術のみでの術後生存期間中央値は4ヶ月、1年生存率は10%と極めて低いといわれています。
【わんちゃんの骨肉腫】
<発生率>
全腫瘍中2~7%(骨格腫瘍の85%)
<発生年齢>
2歳と7歳(二相性の発生ピーク)(18~24ヶ月齢→15%)
<好発犬種>
大型犬(体重10kg以下は5%未満)
<性差>
なし
<発生因子>
外傷性・遺伝性など
<好発部位>
体軸(25%)(下顎>上顎>脊椎>頭蓋骨>肋骨>他)
四肢(75%)骨幹端>骨幹
2/3が前肢→橈骨遠位・上腕骨近位に多い
1/3が後肢→大腿骨遠位・脛骨近位に多い
<発生状況>
局所侵襲性が強い
リンパ節浸潤はまれ
遠隔転移性が強い
90%以上が初診時に微細転移巣があるといわれている。
関節を超えることまれ
<予後>
断脚術のみ→中央生存期間110日(4ヶ月)・1年生存率10%
断脚術+抗がん剤→中央生存期間6ヶ月~1年・1年生存率50%
【猫ちゃんの骨肉腫】
<発生率>
非常にまれ
<好発年齢>
10.2歳
<発生部位>
前肢<後肢(前肢の2倍)
体軸骨<長骨(体軸の2倍)
<発生状況>
80~90%が悪性腫瘍
犬より低侵襲性・低転移性
<予後>
断脚のみで中央生存期間2年
<性差>
なし
四肢の骨肉腫に対する断脚手術は根治目的以外に残された期間の生命の質を改善する対症治療としての意義も高く、骨肉腫の患肢を放置した場合には、腫瘍による自潰・腫脹・疼痛など飼い主様が見ていられない状態に陥ることが少なくありません。
足を取ってしまうのは残酷なようにみえるかもしれませんが、腫瘍の足を残すことによって自潰、疼痛がひどくなり、苦しむことになるので、わんちゃんにとっては足がない方が快適に過ごせます。私自身、骨肉腫で断脚した子を何例もみていますが、3本足でも上手に歩けるようになることがほとんどです。
骨肉腫の臨床症状は患肢跛行・患部の熱感・急速な患部腫脹・硬固な腫瘤・激しい疼痛などになります。このような症状がみられた場合はお早めにご相談ください。
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マラセチア性皮膚炎(脂漏性皮膚炎)
6月30日(水)の休診日は「マラセチア性皮膚炎(脂漏性皮膚炎)」についての勉強会に参加してまいりました。マラセチア性皮膚炎(脂漏性皮膚炎)は梅雨時に多い皮膚病の1つです。
【マラセチア性皮膚炎(脂漏性皮膚炎)】
*マラセチアとは*
マラセチアは真菌(カビ)の一種で、全てのわんちゃんの皮膚に住んでいる「常在菌」です。健康な皮膚では問題になることはありませんが、何らかの理由で皮脂の分泌が増えすぎたり(脂漏)、アトピーや他の皮膚炎などで皮膚の抵抗力が落ちると異常増殖し、皮膚炎を悪化させます。マラセチアは皮脂分を好み、皮脂のたまりやすいわきの下、内股、指の間、耳、お腹、下あご、肛門の周りなどで増殖して炎症・痒みを発症します。(よってマラセチア性皮膚炎は脂漏性皮膚炎ともよばれています)スタフィロコッカス(ブドウ球菌)という細菌がマラセチア性皮膚炎を悪化させる要因の1つとも考えられています。
*症状*
強い赤み、痒みが特徴で、ベタベタしたり、独特の臭いがする脂っぽいフケを伴います。慢性化すると皮膚が黒ずんだり(色素沈着)、表面にコケが生えたようになったり(苔癬化)、毛が抜けたりする場合があります。
*好発犬種*
シーズー・ダックスフンド・プードル・マルチーズ・チワワ・コーギー・ポメラニアン・パグ・フレンチブルドック・ビーグル・ゴールデンレトリーバー・キャバリア・柴犬など
*治療*
異常増殖したマラセチアは放っておくと、皮脂分を栄養にしてさらに増え続け皮膚炎が悪化します。治療は①抗真菌剤の投与(内服薬)と②外用療法(主にシャンプー)で、増えすぎたマラセチア菌を減らし、過剰に分泌された皮脂分を取り除きます。
【実際の症例】
ミニチュア・ダックスフンド・9歳・避妊メス
この子は典型的なマラセチア性皮膚炎のわんちゃんです。「皮膚の痒み・脱毛・発赤・べたつき・フケ」を主訴に来院されました。皮膚検査にて全身性にマラセチアが増殖しているのが判明したため「マラセチア性皮膚炎」と診断しました。抗真菌剤の投与とシャンプー療法を行ったところ、皮膚炎は落ち着きました。
【マラセチア性皮膚炎シャンプー:マラセブシャンプー】
マラセブシャンプーはマラセチア性皮膚炎に非常に効果のあるシャンプーなのですが、つい最近まで日本で販売しておらず、海外でしか購入できませんでした。よって獣医師は海外から輸入したり、ヒト用のマラセチア用のシャンプーを使用していました。
マラセブシャンプーにはマラセチアを殺す作用がある「ミコナゾール硝酸塩」とスタフィロコッカス(ブドウ球菌)を殺す作用がある「クロルヘキシジングルコン酸塩」を含有しており、皮膚の上で増えすぎた菌を減らします。また洗浄成分を配合しているので余分な皮脂分や汚れを洗い流します。
マラセブシャンプーはお薬を含有していますので、10分間皮膚につけた状態で保つことが重要です。10分間何もしないで待つのは大変ですが、症状の重いところから洗いはじめればあっという間に10分たつと思います。
*使用量*:以下のようになります。
体重
1回当たりの投与量
1.5~3kg未満
5~10ml
3~5kg未満
10~15ml
5~10kg未満
15~25ml
10~15kg未満
25~30ml
15~20kg未満
30~40ml
20~30kg未満
40~50ml
30~40kg未満
50~60ml
40~50kg未満
60~70ml
手のひらに500円玉1枚分のシャンプーをたらすと約1mlになるそうです。いちいち量るのは大変なので、これをもとに計算すると楽ですね。
マラセブシャンプーの説明はこちらになります。
マラセブシャンプーの宣伝みたいになってしまいましたが、このシャンプーが日本で発売されるのを待ち望んでいましたので大変ありがたいと思っています。今後、マラセチア性皮膚炎で困っている子にお勧めしたいと思っています。
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湿潤療法(うるおい療法)
昨日は診察終了後、「湿潤療法(うるおい療法)」に関するセミナーに参加してまいりました。講師は人間のお医者様で、その分野に関しては有名な先生です。(先生のホームページはこちらになります)聴講者の大半が医師でしたが、当院でもケガをしたわんちゃん・ねこちゃんが多く来院されますので何か参考になることがあればと思い、院長と一緒に参加してきました。
以前にも「湿潤療法」についてお話ししたことがありますが、湿潤環境下では肉芽の増生が非常に早いため、最近では創傷治療には湿潤環境が適していることがわかってきました。
少し前までは創面にはガーゼをあて乾燥させるのが一般的な治療法でしたが、現在ではガーゼを張って剥がすと傷が深くなり余計悪化させてしまうため、傷口にはガーゼをあててはいけないといわれています。昔は「傷は乾かして治す」のが一般的でしたが、今では「傷は乾かすと治りにくい」のが一般的になっているのです。
今回はガーゼに変わって新しく開発された創傷被覆材(創面にあてるもの)についての説明もありました。
創傷被覆材は、「①創面に固着しないこと ②創面を乾かさないこと ③ある程度、吸水力があること」が重要であるといわれています。様々な会社から様々な創傷被覆材が販売されています。しかし、創傷被覆材は毎日交換することが多いため、あまり高価なものは使用しにくいのが現実です。簡単にできる創傷被覆材として、紙おむつや母乳パッドに穴あきポリ袋をつける方法があります。これは安価で創面にも固着せず使いやすいです。
私も幼い時にストーブの上に座ってしまい、太ももに大やけどをしてしまったことがあります。その頃は「やけどは消毒してガーゼをあてる」のが一般的な治療法だったので、毎日のようにお医者さんに通い、ガーゼ交換をしてもらっていました。ガーゼを創面にあてると乾燥するので、剥がす時に痂皮などがとれて血がでてしまい、随分痛くて辛い思いをしました。また、治癒までかなり時間がかかりました。その頃、もう少し医療が進歩していたら痛い思いをせず、もっと早く治っていたのにと思います。
ケガで来院されたわんちゃん・ねこちゃんに対してはできるだけ痛みを与えることなく、できるだけ早く治してあげることができるように、日々、創傷治療についての勉強を続けていこうと思っています。
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歯周病
6月23日は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「歯周病」についての講義に参加してまいりました。
今回はわんちゃん・ねこちゃんに非常に多い病気の1つである「歯周病」についてお話させて頂きます。
まず、歯周病の原因であるプラーク(歯垢)や歯石がどのようにしてできるかをご説明させて頂きます。
【プラーク・歯石の形成】
①ペリクル(薄い被膜)
はじめに唾液中の粘りの成分である糖と蛋白が歯の表面にペリクルをつくります。ペリクルはブラッシング後、約20分ですでに形成されています。
②プラーク(歯垢)
ペリクルに口腔内細菌が付着・繁殖して6~24時間でプラーク(歯垢)を形成します。プラークは細菌と細菌副産物からなり、これらが主に歯周病の原因物質といえます。プラークは軟らかく、ブラッシング等で簡単に除去できます。
③歯石
唾液中のカルシウム・リンなどのミネラルがプラーク内に沈着し、石灰化し歯石を形成します。犬ではヒトより5倍早く、約3~5日で歯石は形成されます。
【歯周病について】
主にプラーク中の嫌気性菌が炎症性物質や破壊酵素を放出し、歯根膜や歯槽骨を破壊することによって歯周病がおこります。
歯周病による歯周組織の破壊や歯の動揺に伴い、歯肉や歯槽骨の疼痛がみられ、採食時、痛そうにしたり、口を気にしたりします。歯槽骨の吸収が進めば、顔面の変形・歯根膿瘍・顎の病的骨折を起こしやすくなります。また隣接する鼻腔や眼窩へ影響が及び、口鼻ろう孔(口と鼻の穴がつながってしまう)などがみられるようになります。
また、局所の問題だけではなく、歯周病菌が骨髄炎を起こし、さらには全身に敗血症をもたらす可能性もあります。
【予防】
歯周疾患の予防にはブラッシングが基本です。ブラッシング以外(デンタルジェル・おもちゃなど)は補助的なものになります。ブラッシングをする時には歯の表面を集中的に磨くのではなく、歯と歯肉の間(歯肉溝)のプラークを除去するようにして下さい。歯ブラシは柔らかくヘッドの小さいものがよいです。わんちゃんやねこちゃん専用のものも市販されています。歯石が形成されるまでは約3日かかりますので、実際には3日に一度でも維持可能ですが、毎食後ブラッシングするのがよいといわれています。
【わんちゃん専用の歯ブラシ】
歯磨きの仕方:こちら(ビルバック社のホームページ)やこちら(以前、大澤さんが書いたブログ)をご覧下さい。
「最近口臭がする」「歯石がついてきた」「歯肉が赤い」「食べる時痛そう」などの症状がみられた場合はすでに歯周病かもしれませんので、一度ご相談ください。
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収納棚ができました
こんにちは。獣医師の萩原です。当院のシャッターや看板でお世話になっている私の先輩が、先日、第1診察室に収納棚をつけてくれました。
【つける前】
【扉】
ホームセンターで板を買ってきてくださり、蝶番と取っ手をつけてくれました。あっという間に扉になりました。
【扉をつけている先輩】
家からもってきてくださったスクリュードライバーでねじをしめてくれました。
扉がつき、中が収納になりました。
完成です。
先輩にアドバイスを頂くまで、この場所は丸見えで利用方法が思いつきませんでした。
先輩は日曜大工が趣味で、当院のことを思い、いろいろな物を作ってくださり本当にありがたいです。今度は病院の看板の模様替えと建物の横に新しい看板を作ってくださることになり、すごく楽しみです。
開院当初から周囲に自分たちのことを思って助けてくださる方々がたくさんいて、幸せだなと感じています。
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抗がん剤(化学療法)
この子は以前、ブログでご紹介した小腸腺癌を摘出した猫ちゃんです。現在、術後4ヶ月になります。
【術前】
【術後4ヶ月】
お腹の中の腫瘍なので、良くなったかどうかは外見ではわかりにくいのですが、表情も変わり、明らかに元気になったそうです。術前の体重は2.6kgだったのですが、術後4ヶ月がたった現在では4.0kgになりました。術前までの半年間は毎日吐いていたのですが、現在では嘔吐もなくなり順調に経過しています。
この子は腫瘍がリンパ節に浸潤していたため、術後、抗がん剤をはじめました。現在、1ヶ月に1回、「カーボプラチン」という抗がん剤を投与しており、今回、4回目の投与が終わりました。
【カーボプラチン】
白金化合物に分類される抗がん剤です。「抗がん剤」というと髪が抜けたり、嘔吐したりと副作用が怖いイメージがあるかもしれませんが、この抗がん剤は副作用はまれであり、わんちゃん・ねこちゃんともに非常に使いやすい抗がん剤の1つになります。
成分が白金(プラチナ)のため、昔は非常に高価で使いにくかったそうです。今は昔に比べると安価になって、わんちゃん・ねこちゃんでも一般的に使うようになってきました。
まれに嘔吐(軽度)・骨髄毒性などの副作用がみられることがありますが、投与前に血液検査で内臓の状態を把握しておけば、ほとんどの子で強い副作用がみられることはありません。万が一副作用がでた場合もすぐに対応できればさほど心配することはありません。
この子も抗がん剤による副作用は一切でず、逆に毎回抗がん剤投与直後に特に元気になるそうです。
今後も元気に暮らせるお手伝いができればと思っています。
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子猫の産まれる時期になりました
こんにちは。獣医師の萩原です。5月30日(日)は診察が終わってから当院のシャッターや看板の件でお世話になった先輩の家に遊びに行ってきました。
【先輩の育てている盆栽】

先輩は趣味で盆栽をしています。多趣味でうらやましいです。今はこんなに小さな盆栽もあるのですね。前から住んでいる猫ちゃんは人見知りで、たんすに隠れてしまいました。
以前、遊びにいった時は、顔すらだしてくれませんでしたが、今回はじっと外の気配をうかがっています。
少ししたら、外に出てきてくれました。
道に捨てられていた子猫ちゃんを飼うことになったそうです。拾った直後はミルクをのまず、カテーテルでミルクを強制的にあげていたそうです。今は元気よく哺乳瓶に吸いついてきます。
今は子猫ちゃんの産まれる時期で、病院にも子猫ちゃんが何頭かいらっしゃっています。
子猫ちゃんは育てるのが難しく、特にミルクしかのめないくらい小さいと、ちょっとした事で体調を崩しやすく、命にも関わってくることがあります。先輩はご夫婦とも獣医で、体調管理も万全なので、元気に育ってくれると思います。
拾ったばかりの子猫ちゃんが生後どのくらいたっているのかという相談をよくうけます。下に大体の目安を記載しますので、参考にして頂ければと思います。
【子猫の成長の目安】
生後
開眼
10~14日→約1週間後に目がみえるようになる。
起立
10日過ぎ
開耳
13~15日
歩行・排便・排尿
3週
乳歯
3週~
離乳
4週頃~
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難治性下痢
こんにちは。獣医師の萩原です。5月23日(日)は診察が終わってから「難治性下痢」についての勉強会に参加してまいりました。
下痢はわんちゃん・ねこちゃんともに来院理由として最も多い病気の1つです。
一般的に下痢をしている子全員に多くの検査が必要になるわけではありません。対症療法(止瀉剤・整腸剤・抗菌薬など)で短期間のうちに症状が消失すれば必ずしも精査は必要ではありません。実際、下痢で来院されるほとんどの子は対症療法で治ることが多いです。
しかし、対症療法を行っても下痢が完全に良化せず慢性化してしまった場合(3週間以上)には、慢性疾患が存在する可能性があるため精査を考慮します。また下痢以外の症状(体重減少・食欲低下・嘔吐など)が重度に認められる場合には時間的な余裕があまりないと考え、精査を急ぎます。
今回は慢性下痢の原因として多い疾患(細菌性腸炎・消化器型リンパ腫・リンパ管拡張症・大腸炎症性ポリープ・炎症性腸疾患・過敏性腸症候群など)の診断・治療法についての講義を聴き、新たな発見があり勉強になりました。
【実家の愛犬ゴンちゃん(12歳・柴犬】】

ゴンちゃんも今まで何度か下痢をしたことがありますが、全て対症療法で良くなりました。私も獣医師になりたての頃、原因不明の下痢が約1ヶ月間続き、8kgくらい痩せたことがあります。精査をしましたが、特に異常はみられず、過敏性腸症候群(ストレス)ではないかと言われました。(その後すぐにリバウンドで太ってしまい、以前より体重は重くなってしまいました・・・)
わんちゃん・ねこちゃんもストレスで下痢をすることがあります。下痢をした時にはまずは何かストレスになること(環境・気温・食事の変化など)がなかったか思い返して頂ければと思います。 -
猫のウィルス感染症(猫ウィルス性鼻気管炎・猫カリシウィルス感染症・猫汎白血球減少症・猫白血病ウィルス感染症)
昨夜は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「猫の感染症」についての講義に参加してまいりました。
今回は主に混合ワクチンに入っている以下の4つのウィルス感染症についてご説明させて頂きます。
①【猫ウィルス性鼻気管炎(FVR)】
ヘルペスウィルスによる感染症で、ひどいくしゃみ、咳、鼻炎などの呼吸器症状の他、結膜炎などをひき起こします。高熱によって食欲はなくなり鼻水と涙で顔中クシャクシャになり典型的なカゼ症状がみられます。
*感染源:感染猫の涙・唾液・鼻汁
*感染経路:接触感染・人間の手
*潜伏期:3~4日
*症状:急性のくしゃみ・眼鼻分泌液など(発症から3~4日(感染後6~8日)で症状が最高になる)細菌感染の合併がなければ急性経過で終了。終結後、神経節に潜伏しストレスなどにより発症することがある。
*診断:臨床症状
*治療:インターフェロン・抗生物質②【猫カリシウィルス感染症】
かかりはじめの症状はくしゃみ、鼻水、発熱などで、猫ウィルス性鼻気管炎に似ています。症状が進むと口の周辺に潰瘍ができることもあり、急性の肺炎を起こして死亡することもあります。
*感染源:感染猫の涙・唾液・鼻汁
*感染経路:接触感染・人間の手
*潜伏期:約3日
*症状
①上部気道型 ②潰瘍形成型 ③肺炎型 ④腸管感染型 ⑤子猫跛行症候群 ⑥流産 終結後口峡部に持続感染をおこす。
*診断:臨床症状
*治療:インターフェロン・抗生物質③【猫汎白血球減少症】
パルボウィルスによる感染症で、白血球が極端に少なくなる病気です。高熱、嘔吐、食欲不振・下痢などを引き起こします。体力のない子猫などはたった1日で死亡することもある恐ろしい病気です。
*感染源:感染猫の便
*感染経路:接触感染・人間の手・経鼻・経結膜・経口
*潜伏期:2~10日
*臨床徴候:最初の徴候は発熱(40℃以上)・白血球数は4日までに4000/μl以下に下降・嘔吐・下痢・妊娠の最後の1週または生後9週までに感染した子猫は小脳の形成不全に起因する運動失調をおこす。
*診断:臨床症状・白血球減少・抗原検査キット・PCR
*治療:インターフェロン・抗生物質④【猫白血病ウィルス感染症】
白血病やリンパ腫など血液の腫瘍、貧血、腎炎・流産などをおこします。病気に対する免疫が弱まるため、様々な病気を併発しやすくなります。感染してから発病までの期間が長く、その間は見かけ上健康にみえます。
*感染源:感染猫の血液・唾液・尿・便など。
*感染経路:猫同士の長期にわたる濃厚な接触があると感染しやすい。母子感染。
*併発しやすい病気
骨髄の腫瘍性疾患・骨髄低形成疾患・骨髄異形性症候群・リンパ系腫瘍・貧血・汎白血球減少症様症候群・雌猫の繁殖障害・神経ならびに運動器疾患・二次感染症あるいは日和見感染症・免疫介在性血球減少症・糸球体腎炎など
*診断:ELISA(院内で検査可能)
*予後:感染猫の致死率は6ヶ月間で30%、2年間で60%、4年間で90%との報告がある。3種ワクチンでは①②③を、4種ワクチンでは①②③④を予防します。
①と②は猫のカゼの代表で、ワクチンを接種しても完全に防御できる訳ではありませんが、接種していれば感染しても軽い症状ですむ事が多いです。生活環境などを考慮して、どちらのワクチンを接種するかご相談させて頂いております。
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ハリー君とドッグラン
こんにちは。獣医師の萩原です。ゴールデンウィークは暖かい日が続きましたね。
今日は休診日で天気もよかったので、ハリー君とあきる野市にあるドッグランに行ってきました。今回は2回目のドッグランになります。初めてのドッグランの様子はこちら。一生懸命階段をのぼるハリー君。先頭をきってどんどんのぼっていきます。

嬉しくて走り回るハリー君。いつものおっとりしたハリー君からは想像できないくらい速く走っています。

途中、わんちゃんが入ってきました。「はじめまして」と近づくハリー君。

ハリー君は人見知りで、知らない人をみると怖くなって吠えてしまうのですが、今日は1度も吠えませんでした。少しずつ知らない人や外の環境に慣れるよう、これからも一緒にいろいろなところに行きたいと思っています。
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iVEAT腹部超音波研修の試験に合格しました
ご報告が遅れましたが、iVEAT(獣医教育・先端技術研究所)が主催する腹部エコー研修の試験に合格し、修了書をもらいました。
10月~3月にかけ、研修に参加し、最後に筆記試験、実技試験をうけました。
みなさんのわんちゃん・ねこちゃんにその技術を還元できればと思っています。 -
急性嘔吐
4月11日(日)は消化器疾患についての講義に参加してまいりました。
下痢・嘔吐などの消化器疾患は、わんちゃん・ねこちゃんともに多い病気の1つになります。今回は急性嘔吐についてお話しさせて頂きます。急性嘔吐は不適切な食事や異物摂取など原因が特定できることもありますが、一般的な検査で原因が特定できないことも非常に多いです。原因が特定できない急性嘔吐の場合には、まずは対症療法を行うことになります。急性嘔吐の対症療法としては12~24時間の絶食、水分および電解質の補充、制吐薬や消化管運動機能改善薬の投与などを考慮します。
急性胃炎のきっかけとしては個人的には季節の変わり目やいつもと違うフードの給餌、ストレスがかかるような出来事がある時に多いと感じています。嘔吐とともに下痢をおこす子もいます。突然の嘔吐で動揺してしまう飼い主さんも多いですが、その際はお早めにご連絡ください。また、診断の助けとなりますので来院時には吐いた物と便(下痢の時)を御持参いただければと思います。
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猫のエーラス・ダンロス症候群
11ヶ月齢のチンチラの女の子が、肩部の皮膚の毛を噛んでひっぱってしまい皮膚がめくれてしまったとの主訴で来院されました。2ヶ月前と3ヶ月前にも同じようなことがあったとのことです。
こちらが患部になります。広範囲に傷がみられ、皮膚がめくれてしまっています。

お家に仲の悪い同居猫がいたり、お外で飼育されている猫ちゃんではケンカなどによって膿が貯留した後破裂しこのような病変がみられることがありますが、この子は室内で単頭飼育です。また膿が貯留していた様子もなかったとのことです。ここ以外の場所には皮膚病変は見当たりません。なお寄生虫・真菌検査は陰性です。
前回までは消毒で治ったそうですが、今回は病変部が広範囲で内科治療では治癒が難しいと思われます。飼い主様とご相談し、全身麻酔をかけて手術を行うことにしました。
バリカンで周囲の毛をかったところ皮膚が容易に傷つき、非常にもろく、異様に皮膚が伸びることがわかりました。皮膚はめくれて、傷口は直径8cm大にも及んでおり、皮下脂肪と筋肉は感染をおこしています。
ここで「エーラス・ダンロス症候群」という病気を疑い、めくれた皮膚を切除し病理組織検査に提出しました。
感染はより広範囲に及んでいることがわかりました。

この子の皮膚は前述したように驚くほどよく伸びます。飼い主様もこの事には以前からお気づきになられていたそうです。
皮膚の病理組織検査によって「エーラス・ダンロス症候群」と診断されました。【エーラス・ダンロス症候群とは】

コラーゲンの合成または線維形成の異常によって皮膚の異常な伸展性と脆弱性を示すのが特徴的な遺伝性の病気です。簡単にいうと、皮膚がよく伸び、もろくて容易にさけてしまう病気です。犬・猫では非常にまれであるといわれています。
臨床徴候・皮膚伸展指数の測定・病理組織検査結果に基づき診断します。
特異的な治療はありません。屋内飼育し、他の動物から隔離することにより、外傷を避けるようにします。動物の扱いや保定は皮膚を傷つけないように細心の注意を払います。
この子は皮膚がさけたのは今回で3回目だったのですが、今までなぜ簡単に皮膚がさけてしまったのかわからなかったそうです。今回の診察によってこの子はエーラス・ダンロス症候群で皮膚がうすくてもろいため、自分で少し毛をひっぱっただけで容易に皮膚がさけてしまったことが判明しました。エーラス・ダンロス症候群は決して治る病気ではありませんが、今回診断がついたことによって、より皮膚を扱う際には注意が必要であることがわかりました。
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4月から副院長は火曜日不在になります
4月から副院長の萩原は麻布大学附属動物病院の内科研修医として研修を行うことになったため、火曜日不在になります。
少しでも高度医療のご要望にもお応えし、飼い主様のご希望に沿った最善の治療ができるよう、今まで以上に大学病院での研修、学会・セミナーへの参加に力を入れていきます。日々研鑽を怠らず、皆様に信頼していただけるような病院作りを目指していきます。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
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犬フィラリア・血液健康診断キャンペーンについて
3月20日から7月31日まで特別価格にて犬フィラリア・血液健康診断を実施しております。
【健康診断のおすすめ】
フィラリア検査と同時に血液検査による健康診断をお勧めします。もしも病気が早くみつかれば早期治療ができます。これまでに健康診断で病気をみつけ良い結果に結びつくことがありました。今年は以下の4つの検査をご提示させて頂きます。
①フィラリア抗原検査
②フィラリア抗原検査+血液検査(18項目)
③フィラリア抗原検査+血液検査(27項目)
④わんにゃんドック
(*事前にお電話にてご予約下さい・検査当日の朝は絶食が必要です)
(③+レントゲン検査(胸腹部)+超音波検査(腹部)+糞便検査+尿検査)【フィラリアの予防方法】
フィラリアの一番安全で確実な予防方法は5月~12月までの8ヶ月間、月に1回、お薬をのませてあげる方法です。お薬はお肉タイプと錠剤の2種類があります。カレンダーに印をつけたりして、のませ忘れのないようにしてあげて下さい。*今年から投薬忘れを防止するため、8ヶ月分のお薬を一括で処方させていただける患者様には1か月分のお薬を無料とし、7か月分の費用で処方いたします。また、お薬の変更に伴い値段の改定をしました。去年よりお安くご購入頂けます。
【フィラリア予防を始める前に血液検査を行う理由】
万が一、フィラリア症に感染しているにも関わらず予防薬を投与してしまうと重大な副作用がでることがあります。そのためフィラリアの予防薬を投与する前にはフィラリアに感染していないかを調べるために、毎年検査(少量の血液をいただきます)をする必要があります。フィラリアに感染していないか調べる方法にはミクロフィラリア検査(犬の血液を採って顕微鏡でのぞく方法)と抗原検査(フィラリア成虫から排泄される微量な物質を抗原抗体反応でみる方法)があります。検出感度はミクロフィラリア検査で50%以下ですが、抗原検査は約90%以上と大変検出感度に優れているため、当院では抗原検査をお勧めしています。
【当院で使用している犬糸状虫成虫抗原検査キット「ソロステップ」】
「前の年に早めに投薬時期を切り上げてしまった」「薬を与えるのを忘れた月がある」「薬を吐き出していたのに気づいていない」などの理由から、予防薬をあげているからといって絶対に感染していないといいきることはできません。
安全なフィラリア予防をして頂くために、血液検査をお願いいたします。 -
てんかん
3月17日(水)は夜から東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「反復性発作の診断と治療」についての講義に参加してまいりました。「反復性発作」の中でわんちゃん・ねこちゃんに多い代表的な病気は「てんかん」です。今回は「てんかん」についてお話させて頂きます。
【てんかんの分類】
「てんかん」は病因によって「特発性てんかん」と「症候性てんかん」に分類されます。「特発性てんかん」とは脳に器質的病変が存在せず、発作を起こす原因が遺伝的素因以外に認められないてんかんを指します。一般に発作がみられない時には脳波検査以外の臨床検査で異常所見が認められません。初発発作の発症年齢は1~3歳で最も多いです。わんちゃんに多く猫ちゃんでは比較的まれです。
「症候性てんかん」とは脳に発作の原因となる器質的病変が認められるてんかんのことで、脳腫瘍や脳炎、脳奇形(水頭症など)、脳血管障害などにより発作が反復する場合を指します。発作以外に神経学的検査で異常所見が得られることが多いです。発症年齢は原因疾患により様々です。(例えば脳腫瘍であれば7歳以上、水頭症であれば1歳未満に多いです)猫ちゃんでは症候性てんかんであることが多いです。
一般にわんちゃんでは約6~7割が「特発性」、猫ちゃんでは約6~7割が「症候性」であるといわれています。
【発生率】
わんちゃんはおおよそ1~2%、猫ちゃんでは0.5%程度と報告されています。【診断】
問診、一般身体検査、臨床検査(血液検査、レントゲン検査、超音波検査など)、神経学的検査を行うことによって特発性てんかんまたは症候性てんかんの鑑別を行います。
ここで特発性てんかんをより確定的にするため、あるいは症候性てんかんの原因を見出すために追加検査へ進む場合があります。追加検査として脳波、MRI検査、脳脊髄液検査などがあります。【治療】
一般的な治療法は抗てんかん薬を用いた内科的療法になります。
抗てんかん薬は一般的に「3ヶ月に2回以上の発作がみられる場合」「発作が群発(短時間に連続する発作(24時間以内に2回以上))あるいは重積(てんかん発作が30分以上持続している状態)する場合」「症候性てんかんが明らかな場合」に開始いたします。
最初は1種類の抗てんかん薬から開始し、1種類では良好なコントロールが得られない場合には2種類以上のお薬を併用していきます。副作用がみられる場合もあるため、1年に2回は血液検査をすることをお勧めします。特発性てんかんでは一生涯治療が必要になることが多く、発作をいかにコントロールし、生活の質を維持していくかが治療の目標になります。一般に治療開始前の発作頻度にくらべ治療開始後の発作頻度が50%以下となることを目指します。抗てんかん薬による治療を行っていても、発作を100%抑制することができるケースはきわめてまれで、たいていの動物は治療を行っていてもいくらかの発作を示します。「てんかんは基本的に完治する病気ではない」こと、「治療を行っていても発作は出る」ことをあらかじめ認識しておく必要があります。また、抗てんかん薬を飲ませ忘れたり休薬した場合、一種の禁断症状がみられ発作がおきやすくなってしまうことがあるため、絶対に行ってはいけません。
てんかん患者のうち20~30%の症例は抗てんかん薬を用いても良好な発作コントロールができず、難治性てんかんと呼ばれます。逆に言うと70~80%の患者は適切な抗てんかん薬により発作をコントロールできます。
もうすぐで開業して1年がたちますが、当院でもてんかんをお薬でコントロールしているわんちゃんが何頭かいらっしゃいます。発作を完全には抑えることは難しいですが、少しでも生活の質をあげるお手伝いができればと思っております。
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腹部超音波研修6回目~眼・甲状腺・腱の超音波検査~
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病院前のお花が成長しました
10月に植えたお花が随分と成長しました。
毎日みていると成長しているのがわかりにくいのですが、写真で見比べてみたら相当大きくなっているのに気づき驚きました。特にパンジーは成長が早いです。
毎日寒い日が続いているのに、よくがんばって大きくなってくれたなと思います。
早く暖かい春がくると良いなと思う今日この頃です。 -
柴犬の上顎下顎に発生した口腔メラノーマ(悪性黒色腫)
11歳齢の柴犬の男の子が、1ヶ月前に気づいた左上顎のしこりが急速に大きくなっているとのことで来院されました。
しこりは左上顎歯肉に存在し、表面は自潰、出血しています。
わんちゃんの口腔内腫瘍は一般的に良性は約40%、悪性は約60%であるといわれています。
この子の場合もしこりが良性か悪性か、悪性であったらどんな腫瘍なのかを診断するために、まずはしこりの一部を採材し、病理組織検査を行ったところ「非上皮性悪性腫瘍(メラノーマ疑い)」と診断されました。非常に悪性度が強い腫瘍であるため、下の骨まで一緒に切除しないとすぐに再発してしまいます。そのため腫瘍とともに上顎骨を切除しました(上顎骨部分切除術)。
術後の病理組織検査では「メラノーマ(悪性黒色腫)」と診断されました。メラノーマはわんちゃんの口腔内悪性腫瘍の中でも最も悪性度が高く、周囲組織や骨への浸潤性が非常に強く、転移性の高い悪性腫瘍です。
術後、再発・転移を抑えるため、抗癌剤を開始しました。こちらも病理組織検査を行ったところ、上顎のしこりと同様、メラノーマでした。メラノーマは通常1箇所に発生する腫瘍であり、別の場所にできてしまうことはまれです。こちらも腫瘍とともに下顎骨を切除しました。(下顎骨部分切除術)
「上顎も下顎も摘出してしまって、ご飯を食べることはできるのだろうか?」と疑問に持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、ほとんどのわんちゃん、ねこちゃんでは顎がなくても上手にごはんを食べ、水を飲むことができるようになります。
その後、再発・転移ともになく、順調だったのですが、上顎骨部分切除術から3ヵ月半後に再発してしまいました。私の出身校で腫瘍の研修先でもあった麻布大学附属動物病院にご紹介し、CT撮影をしてもらいました。
CT撮影後、放射線療法を行いました。わんちゃんの場合、CT撮影、放射線療法ともに全身麻酔下で行います。
メラノーマは放射線療法への反応が良い腫瘍の1つです。現在、放射線療法後1ヶ月たちますが、腫瘍は縮小しています。
口腔メラノーマは無治療での中央生存期間が約2ヶ月といわれており、予後が非常に悪い悪性腫瘍ですが、この子は治療を開始してから半年が経過しています。オーナー様が非常に献身的で、この子も治療によく耐えてがんばっているので、このような良い結果に結びついているのだと思います。
口腔内にできた腫瘍は早期発見・早期治療ができれば根治できる腫瘍もありますが、発見が遅れがちです。気づいた時には手術もできないくらい大きくなってしまっているケースも少なくありません。定期的に口の中を観察し、しこりがないか確認してあげることが大切です。少しでも異常がみられた場合はお早めにご相談ください。
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皮膚形成外科
本日は夜から東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「皮膚形成外科」についての講義に参加してまいりました。
「動物の皮膚形成外科」とは主に外傷、熱傷、交通事故、術創離解、腫瘍摘出後などによる大幅な皮膚欠損を手術で治すことを指します。広範囲の皮膚がなくなると、そのままでは皮膚同士を縫合できなくなってしまいます。そのため、皮膚を別の場所から引っ張ってきたり(フラップ(皮弁)形成)、皮膚を別の場所から切除して移植(Skin graft・皮膚移植)します。今回はその方法についての講義でした。
一般診療においても特に猫ちゃんのケンカによる外傷や大きな腫瘍を摘出した後に皮膚が欠損してしまうことがあるので、実践的で勉強になりました。
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猫のフィラリア症
本日は猫のフィラリア症についての院内セミナーを開きました。
フィラリアはわんちゃんの病気としてよく知られていますが、猫ちゃんにも感染します。呼吸困難、咳や嘔吐が主な症状で、放置すると突然死を引き起こすこともあります。わんちゃんのように診断や治療が確立されていないので、予防が重要です。蚊が媒介するので、室内飼いの猫ちゃんも油断できません。
今回のセミナーで一番驚いたことは、1997年の報告では日本の猫ちゃんの12%がフィラリアに感染しているそうです。
一番の予防方法は蚊に刺されないことですが、ふつうの生活で全く蚊に刺されないことは困難です。当院では猫ちゃんのフィラリア予防薬を揃えておりますので、猫ちゃんを飼われている方は、ぜひご相談ください。
予防期間は毎年5月~12月になります。
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ステロイド
本日は診察終了後、「ステロイド」についてのセミナーに参加してまいりました。
医療現場で使用する「ステロイド」とは一般的に「副腎皮質ホルモン(グルココルチコイド)」を指します。抗炎症作用や免疫抑制作用などを期待して使用します。
ステロイドは皮膚疾患をはじめ、眼疾患、血液・骨髄疾患、消化器疾患、循環器疾患、呼吸器疾患、泌尿器疾患、整形疾患、神経疾患、歯科疾患、腫瘍などあらゆる分野で使用されています。
副作用は短期に使用した場合は多飲多尿、多食など、長期に使用した場合は医原性クッシング症候群、糖尿病、膵炎、消化管潰瘍、感染症にかかりやすくなるなどの副作用がみられることがあります。当院で使用しているステロイドが入ったお薬を集めてみました。探せばもっとあるかもしれません。注射液、錠剤、点眼剤、軟膏、クリーム、噴霧剤など様々な種類があります。
また、効果の持続時間や強さによって、お薬を使い分けています。「ステロイド」というと、皆さん、怖いイメージを抱かれる方が多いと思いますが、量を守って短期間の使用であればそこまで強い副作用はなく、効果が期待できるお薬になります。









































































