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術前検査(歯石除去・抜歯・子宮水腫)

術前検査(歯石除去・抜歯・子宮水腫)

投稿者 hagiwara | 外科, 歯科, 治療例, 生殖器疾患

12歳のマルチーズの女の子が口を痛がるとの主訴で来院されました。

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こちらが口の中になります。歯石が重度に沈着し,歯槽骨は溶け,歯根がみえかかっています。

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次に,顎のレントゲン検査を行いました。正常の骨は白くうつりますが,下顎骨の一部が黒くなって溶けていました。骨を溶かすほど歯周病が重度であることがわかります。(歯周病の詳しい説明はこちらになります。)

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よって,内科治療で治癒は困難であると判断し,飼い主様とご相談の結果,全身麻酔下で歯石除去と抜歯を行うことになりました。下顎骨が一部溶解している場合,少しでも力がかかると,最悪の場合骨折してしまうことがあるため,慎重に行わなければなりません。


また,この子は12歳という高齢のため,全身麻酔をかける前に,血液検査・レントゲン検査,超音波検査,尿検査など,一通り検査をさせて頂きました。

検査をする理由は主に全身状態を把握するためです。(麻酔に耐えられる状態か・他の病気(基礎疾患)がないか,などを調べます)

検査の結果,いくつか問題点がみつかりました。

まず,お腹の中の超音波検査を行ったところ,膀胱の頭側にしこりを発見しました。画面の右側は尾側,左側が頭側になります。超音波検査では液体は黒くうつります。画面右にある「Bladder」は尿が貯留している膀胱になります。画面左に「mass」と書いてあるのは液体を含んだmass(=マス,しこり)になります。正常なわんちゃんは膀胱の頭側にこのようなしこりは存在しません。

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膀胱頭側の液体を含んだしこりは避妊手術をしていない女の子では子宮疾患(子宮蓄膿症・子宮水腫など)などが疑われます。飼い主様とご相談し,同時に試験開腹を行うことにしました。

開腹すると,液体を含んだ子宮が存在しました。

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子宮内にはこのような液体がたまっており,子宮水腫と診断しました。

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閉腹後,歯石を除去し,ぐらついている歯を抜歯しました。合計7本になります。

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その後,無事退院されました。

もし,術前検査を行っていなければ,子宮水腫には気づかず,歯石除去と抜歯のみ行っていたと思います。一通りの術前検査を行い,早期発見・治療ができてよかったと思える例です。

特にお腹の病気は外からみえないため早期発見がしづらく,気づいた時には手遅れだったというケースも存在します。また,病気に気づかず全身麻酔をかけた場合,思わぬ結果になる可能性も考えられます。他の病気がみつかった場合は優先順位をつけて治療を行います。


このように,特に高齢のわんちゃん・ねこちゃんは術前検査で他の病気がみつかることが非常に多いです。よって,手術の前には,できる限り全身状態を把握するために,詳細な術前検査をお勧めしております。

お問い合わせ:TEL 042-531-3912

■東京都立川市のマミー動物病院/対応エリア

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