診療日記 記事一覧
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腸鉗子
先週は東京都内で開催されているハイパージョイントセミナーの「腸の手術」についての講義に参加してまいりました。
セミナーの途中で「腸鉗子」という器具が紹介されました。腸鉗子とは腸を切除する際に消化管内容物が外にもれないようにおさえる器具になります。
【腸鉗子】
腸を切除する際は2本の腸鉗子で腸をはさんでから行います。当院にも腸鉗子はありましたが、さらに良さそうだったので購入しました。
1時間指をはさみ続けても痛くない腸鉗子がよいそうで、腸をやさしくとめることができます。指をはさんでもあまり痛くありません。
手術器具は高価なものが多いですが、良い買い物ができました。
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先天性心疾患
9月29日(木)は以前、告知しましたように、診察を午後5時半までに短縮して日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「先天性心疾患」についての講義に参加してまいりました。
【わんちゃんの代表的な先天性心疾患】
①動脈管開存症(PDA)
わんちゃんで最も多発する心疾患です。出生後に動脈管の閉鎖が起こらず、下行大動脈と主肺動脈の間に血液の短絡を生じます。病態は初期・中期・末期にわけられ、初期には症状がみられませんが、最終的に両心不全に移行します。
②大動脈弁狭窄症(AS)
一般的に大型犬にみられる先天性心疾患です。三大徴候は低血圧・失神・突然死であるといわれています。
③肺動脈弁狭窄症(PS)
動脈管開存症に次いで犬に多発する先天性心疾患で、頻呼吸など肺炎に類似した症状が認められるともいわれています。
上記の先天性心疾患は初期のうちは症状がほとんど認められないため、ワクチンなどで病院に来院された時にたまたまみつかることが多いです。特に動脈管開存症においては早期に発見出来れば手術適応になりますが、末期では手術不適応となります。心臓病を早期に発見できるように、診察時は聴診するよう心がけております。
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鎮痛剤
先週は都内で開催された「疼痛管理」についての講義に参加してまいりました。
本日は鎮痛剤の1つである非ステロイド性消炎鎮痛剤についてお話しいたします。
【非ステロイド性消炎鎮痛剤】
非ステロイド性消炎鎮痛剤はNSAIDs(エヌセイド)と呼ばれ、ステロイドではない抗炎症剤で、鎮痛・消炎・解熱作用があります。
<特徴>
術後の痛みや外傷のような急性の痛みと、関節炎のような慢性の痛みのいずれにも使用でき、ある程度作用時間が長いため1日1回の投与で鎮痛効果が得られます。また単独でコントロールできない痛みに対しても、他の鎮痛剤と併用することにより相乗的に作用し、痛みを抑えることができます。NSAIDsは様々な痛みに対して有効かつ手軽に使うことができる鎮痛剤になります。
剤型は注射薬と経口薬の2種類があり、特に経口薬の種類は豊富でチュアブルや液剤タイプがあります。
<副作用・禁忌>
まれに消化器症状(食欲不振・嘔吐・下痢・胃潰瘍など)がみられるため、空腹時の投与を避け食事とともにまたは食後に与えるようにします。
【当院で使用している非ステロイド性消炎鎮痛剤】
他にもたくさんの種類の薬があります。
私は12歳の時からしばしば偏頭痛があり、非ステロイド性消炎鎮痛剤には大変お世話になっています。頭が痛いと何もする気がなくなり夜も眠れなくなりますが、鎮痛剤を内服することによって痛みがとれ楽になります。
ここ数年間で動物用の非ステロイド性消炎鎮痛剤が新たに販売されており、動物医療においても鎮痛剤は重要視されてきているのだなと感じています。
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骨のX線検査
先日は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズ の「骨・関節のX線検査」についての講義に参加してまいりました。
X線写真は以下の5種類の物質の濃淡の差によって読影します。
①が一番白くみえ、⑤にいくにつれ黒くうつります。
①金属
②骨または鉱質
③液体
④脂肪
⑤ガス(空気)
【わんちゃんの胸部X線】
①金属(マイクロチップと首輪の金属)が一番白くうつっています。
②骨→③液体(心臓)→⑤空気(肺)の順に黒くうつります。
【太ったねこちゃんの腹部X線検査】
太ったねこちゃんでは肝臓の下に④脂肪がよくみえます。
今回の講義でも知らないことが多々あり、とても勉強になりました。
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リンパ形質細胞性鼻炎
先週はオンラインセミナーでミニチュア・ダックスフンドに多い病気である「リンパ形質細胞性鼻炎」についての講義をうけました。
【リンパ形質細胞性鼻炎】
<病因>
吸引性の刺激物質・アレルゲン・免疫介在性などが疑われていますが、明確な原因は不明。
<好発>
若齢から中年齢の小型動物。猫よりも犬が多い。ウィペットやダックスフンドに多い。
<臨床症状>
くしゃみ・逆くしゃみ・鼻をならす
透明な漿液性または粘液性の鼻汁(主に両側性)
二次感染が起こると膿瘍粘液性
ひどい鼻出血はみられないが、鼻汁が血様になることはある
過度の後鼻漏があると誤嚥して咳や肺炎をおこすことがある
<診断>
CT・MRI検査にて他疾患の除外
確定診断は内視鏡検査にて鼻腔粘膜の生検
<治療>
内科療法(ステロイド・免疫抑制剤・抗生物質・ネブライザーなど)
今回講義をされた先生が経験している症例のうち99%がロングヘアーのミニチュア・ダックスフンドだそうです。特に7歳以上のロングヘアーのミニチュアダックスフンドの子でなかなか鼻汁がとまらない場合はこの病気である可能性も考えられます。まずは他疾患の除外が必要になりますのでお早めにご来院ください。
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皮膚糸状菌症(カビ)
先日は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズ の「皮膚糸状菌症」についての講義に参加してまいりました。
【皮膚糸状菌症】
<原因>
犬・猫で皮膚糸状菌症の原因となる病原体は、主に以下の3つの菌種になります。
①Microsporum canis
犬で70%・猫で90%の原因菌。ヒトにも感染することが多いです。
②Microsporum gypseum
犬で20%の原因菌。土壌生息菌のため、口・肢端などに好発します。
③Trichophyton mentagrophytes
<症状>
多様な病変を示します。
好発部位は顔面・耳介・前肢・頚部・背側・尾・後肢など幅広いです。
紅斑・丘疹・膿疱・脱毛はみられますが、痒みは少ないか全くありません。
<診断・検査>
①ウッドライト試験:M.canisの50%が陽性になります。
②被毛・角質の直接鏡検
③培養
④DTM培地
毛を抜いて培地に置きます。糸状菌に感染していた場合、黄色い培地が赤色に変わり、白綿毛状のコロニーがでてきます。
<治療>
①患者への治療
(1) 抗真菌剤(ケトコナゾール・イトラコナゾールなど)の投与
(2) 毛刈り(特に長毛種)
(3) 外用療法(マラセブシャンプーなど)
②同居動物・人間の治療
ヒトにもうつることがあるため、注意が必要です。
③環境の改善
動物の寝具の廃棄・消毒
【実際の症例】
子猫ちゃんです。
両耳が脱毛しているとの主訴で来院されました。
診察台の上では皮膚が痒いのか、ずっと掻いたりなめたりしていました。
毛を培養したところ、培地が赤くなり白綿毛状のコロニーがはえてきました。
顕微鏡で検査したところ大分生子がみられたため、皮膚糸状菌症と診断し治療を開始いたしました。
<治療後>
だいぶ毛が生えてきました。
皮膚糸状菌症は典型的な皮膚症状がないため、見逃されがちです。皮膚炎がみられた場合、一度は除外しておくべきだと思われます。
生後半年がたちました。
大きくなりました。小顔で、顔がシャープできりっとしてます。男らしいです。
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学会発表 in 相模原 (2011年がん学会)
7月9日(土)・10日(日)はお休みを頂き、母校の麻布大学で開催された「第5回日本獣医がん学会」に参加してまいりました。がん学会は年に2回、東京と大阪で開催されますが、東京の学会には卒業してから毎年かかさず参加しています。
今回のシンポジウムのテーマは「肺腫瘍」でした。同級生2人がシンポジウムで発表し、アドバイザーをしていました。何百人もの聴講者の前で自分の意見をはっきり言っていて、2人ともすごいな~と思いました。
1日目に私も発表してきました。「上顎下顎に発生した悪性黒色腫に対し外科療法・放射線療法・化学療法を行った犬の1例」と、今回も長い題名をつけてしまいました。聴講者が少ないせいか、あまり緊張しなくてよかったです。
今回は春から少しずつ発表の準備をしていました。発表することによって、再度カルテを見直したり、論文を読んだりしてこの病気に対する知識が増えました。
機会があったら、また学会発表したいです。
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ヘルニア
6月23日は診察が終わってから東京農工大学のセミナーに参加してまいりました。
今回は「ヘルニア」についての講義でした。
【ヘルニアとは?】
臓器やその一部分が体腔壁の欠損を介して突出することをいいます。
できる場所によって、鼠径ヘルニア、臍ヘルニア、腹壁ヘルニア、陰嚢ヘルニア、横隔膜ヘルニア、会陰ヘルニアなど様々な名前で呼ばれています。
わんちゃんは、特に鼠径ヘルニアと臍ヘルニアが多いです。
【臍ヘルニア(=でべそ)】
臍から腹腔内の臓器の一部(脂肪や内臓)が外へ飛び出してしまっている状態を「臍ヘルニア」といいます。臍ヘルニアは生後6ヵ月までに自然となくなってしまうこともありますが、なくならない場合は避妊手術などの時に一緒に手術することをお勧めしております。
【実家のゴンちゃん】
もうすぐ14歳になりますが、すごく元気です。
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聴診
5月26日(木)は以前、告知しましたように、診察を午後6時までに短縮して院長と二人で日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「聴診」についての講義に参加してまいりました。
【聴診】
私たちは診察時必ずといっていいほど聴診器で聴診しますが、主に心音と呼吸音を聴いています。
心音は特に①心拍数②リズム(不整脈の有無)③雑音の有無に注意して聴診します。
呼吸音は特に呼吸数とラッセル音(肺炎や肺水腫など呼吸器疾患の時にでる音)に注意して聴診します。
当院にある聴診器をいろいろ集めてみましたのでご紹介致します。
【リットマンクラシックⅡ S.E.(一般診療用聴診器)】
最も一般的な聴診器で、私が学生の時に購入しました。
学生や新人獣医師はまずこの聴診器を購入する人が多いです。
「リットマン」とは獣医の中で最も人気がある海外メーカーの名前になります。
チューブには様々な色があります。
【リットマンカーディオロジーS.T.C.】
こちらは心臓病診療に特化した聴診器です。
【ステレオ・フォネット】
国産のステレオ聴診器になります。私が勤務医3年目の時に購入しました。当初、聴診に自信がなく悩んでいたところ、この聴診器を勧められました。驚くほど心雑音や呼吸音が大きく立体的に聴こえる素晴らしい聴診器です。
チェストピース(動物の体にあてる部分)が2つにわかれていることによって、音をステレオで聴取でき、左右の耳に別々に聞こえるのです。
今回、講演した先生の大学病院に、心雑音を主訴に紹介された症例の8割は心雑音がないそうです。すなわち、心雑音がないにも関わらず、心雑音があると誤診してしまう獣医が非常に多いそうです。このような誤診をしないように、日々聴診を鍛えなければならないなと思いました。
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感染性下痢におけるPCR検査(遺伝子検査)
本日は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズ の「消化器病」についての講義に参加してまいりました。
本日は感染性下痢におけるPCR検査(遺伝子検査)についてご説明致します。
【感染性下痢におけるPCR検査(遺伝子検査)】
下痢の原因は、感染性(細菌・原虫・寄生虫・ウィルスなど)・食事性・炎症性腸疾患・腫瘍性・膵外分泌不全・ストレスなど多岐にわたります。
なかでも感染性下痢はよくみられますが、今まで迅速かつ正確性が高くお手頃な料金で利用できる検査はありませんでした。
IDEXX RealPCRの下痢パネルはリアルタイムPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)(遺伝子検査)を利用しており、ひとつの検体から犬で7種類、猫では8種類のもっともよく見られる病原体を検出することができます。ウイルス・細菌・原虫など異なる種類の病原体を一度に検査できることも大きなメリットです。
<以下の症状がでている子にお勧めします>
①頻回の水様便が認められる
②下痢・嘔吐
③便に血液や粘液,未消化のフードが混ざっている
犬下痢パネルを実施した検体では、7種類のうち1つ以上の病原体が陽性だったものは62%,猫下痢パネルを実施した検体では、8種類のうち1つ以上の病原体が陽性だったものは63%でした。
以下の表は、IDEXX RealPCRにおける発生頻度を示したものです。 (IDEXX Laboratories Inc.で8週間の間に受けつけた検体で、それぞれの病原体について発生頻度を算出)
<犬下痢パネル>
1. C. perfringens Enterotoxin A(クロストリジウム・エンテロトキシン) 44.7%
2. 犬腸管コロナウイルス 14.4%
3. Giardia sp.(ジアルジア) 9.1%
4. Cryptosporidium sp.(クリプトスポリジウム) 8.7%
5. 犬パルボウイルス 26.3%
6. 犬ジステンパーウイルス 2.9%
7. Salmonella sp.(サルモネラ) 0.5%
<猫下痢パネル>
1. 猫コロナウイルス 46.2%
2. C. perfringens Enterotoxin A(クロストリジウム・エンテロトキシン) 31.6%
3. Tritrichomonas foetus(トリコモナス) 12.0%
4. 猫汎白血球減少症ウイルス 6.0%
5. Cryptosporidium sp.(クリプトスポリジウム) 5.1%
6. Giardia sp.(ジアルジア) 4.3%
7. Toxoplasma gondii (トキソプラズマ) 1.7%
8. Salmonella sp.(サルモネラ) 0.5%
この検査がでる前までは、各々の感染症を別々に検査しなければならなかったため、全部調べるとなると相当手間と時間がかかりました。
感染性下痢の原因をまとめて・正確に・比較的安価に調べることができ、便利になったなと思います。
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胸部レントゲン検査
5月11日(水)は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「胸部レントゲン検査」についての講義に参加してまいりました。
【胸部レントゲン検査】
以前にもお話ししましたが、
★レントゲン検査では、液体・骨は白く、空気は黒くうつります
よって心臓は血液が溜まっているため白くうつります。
肺は空気が入っているため黒くうつります。
【正常猫のレントゲン】
肺はわんちゃん・ねこちゃんともに下図のように
①左前葉前部
②左前葉後部
③左後葉
④右前葉
⑤右中葉
⑥右後葉
⑦副葉
の合計7葉にわかれています。
(ちなみに牛は8葉、豚は7葉、馬は5葉になります)
レントゲンでみると、このようになります。
*ラテラル像(横向き)
*VD像(仰向け)
このように、各肺葉の位置を考えながらレントゲンを読影します。
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わんにゃんドック
本日の「わんにゃんドック」は16歳の猫のピーちゃんでした。
ピーちゃんは当院開業後、間もなく来院された猫ちゃんで人間が大好きです。
2年前にもわんにゃんドックを受けており、本日は2回目のわんにゃんドックでした。
16歳とは思えないがっちりとした風貌で、ヒゲが長くて立派です。
お尻をなでられるのが大好きだそうで、私もいつもなでさせてもらっています。
2年前に比べなんと体重は400gも増えていました。
わんにゃんドックとは、「一般身体検査・尿検査・糞便検査・血液検査・胸部レントゲン・腹部レントゲン・腹部超音波検査」で全身を一通り検査する、人間ドックのような検査になります。
ピーちゃんもみためはがっちりしていて健康そうに見えますが、検査をしていくと何点か異常がみつかりましたので、今後定期的に経過をおっていく事になりました。
お家の方にアップルパイをいただきました。スタッフみんなでおいしく頂きました。
ハリー君のこともいつも気にかけて下さり、おやつをいただきました。ありがとうございました。
ピーちゃんは来院時に大きな声でニャーニャーなくので、最近では泣き声だけで来院されたのがわかるようになりました。今後もずっと健康を維持できるように、できる限りのお手伝いをさせて頂ければと思っております。
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リンパ腫のレスキュープロトコール
「リンパ腫」はわんちゃんに比較的多い悪性腫瘍です。リンパ腫には発生部位によって様々な型があり、なかでも一番多い「多中心型リンパ腫」では無治療での生存期間は4~6週といわれています。
リンパ腫の治療法には化学療法(抗がん剤)、外科療法、放射線療法がありますが、通常の第一選択は化学療法(抗がん剤)になります。
第一選択の抗がん剤は、
ドキソルビシン
ビンクリスチン
サイクロフォスファマイド
プレドニゾロン(ステロイド)
になります。
上記抗がん剤がすでに効かなくなったリンパ腫に対して実施される抗がん治療をレスキュープロトコールといいます。
今回、第一選択の抗がん剤に対し反応がみられなくなってしまったリンパ腫のわんちゃんに対し、レスキュープロトコールを行うことによって腫瘍の縮小がみられたためご紹介させて頂きます。
【症例】
パグ メス 3歳
「リンパ腫治療で様々な抗がん剤(ドキソルビシン・ビンクリスチン・サイクロフォスファマイド・メトトレキセート・L-アスパラギナーゼ・プレドニゾロン)を使用したが反応しなくなり腫瘍が大きくなってしまった。昨日から頚部が腫れて呼吸が苦しそう。」との主訴で来院されました。
全身のリンパ節がかなり大きくなっており、頚部は腫脹し浮腫がみられました。
まだ3歳なので若々しく、名前を呼ぶといつも顔を傾けてくれるかわいいわんちゃんです。
すでに第一選択の抗がん剤に対し反応がなくなっているため、各種レスキュープロトコールを提示いたしました。
【各種レスキュープロトコール】
現在、様々なレスキュープロトコールが報告されています。下記プロトコールの詳細(用量・副作用など)は日本語で詳しく記載された論文はないため、海外文献を読まなければなりません。このような時、英語が母国語だったらよいのになと思います。
薬剤
症例数
(例)
反応率
(%)
完全寛解率
(%)
反応中央値
(日)
44
41
30
―
15
47
47
―
43
27
7
86
117
65
31
61
54
62
44
61
31
87
52
63
57
35
23
83(CR)
25(PR)
49
41
41
129
それぞれの利点・欠点、副作用、投与回数などについてご説明させて頂いたところ、L-アスパラギナーゼ+ロムスチンプロトコールを選択されました。
このプロトコールでは
L-アスパラギナーゼ
ロムスチン
を併用します。
投与したところ、翌週には全身のリンパ節はかなり小さくなり、呼吸はだいぶ楽になりました。
投与前までは呼吸困難で夜深く眠れませんでしたが、ぐっすり睡眠をとることができるようになりました。
この子は、みんなに「かわいい」といわれるのが大好きで、カメラ撮影も大好きだそうです。
少しでも良い状態を保つことができ、飼い主様やお家のわんちゃんと楽しい生活を送ることができればと思います。
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犬のキシリトール中毒
昨日は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズ の「肝疾患の治療とモニター」についての講義に参加してまいりました。
今回は肝不全の原因となるキシリトールについてお話させて頂きます。
【犬のキシリトール中毒】
キシリトールは砂糖不使用のガムや歯磨きなどに含有されている甘味料です。ヒトはキシリトールを摂取しても無害ですが、犬では命にかかわるような中毒をひき起こすことがあるといわれています。
体重10kgのワンちゃんが、1g摂取すると低血糖になり、5g摂取すると急性肝不全になるリスクがあるため、1~5g摂取した場合には入院下でモニタリングが必要になり、5g以上摂取した場合には入院治療が必要になるといわれています。
大きいボトルに入ったガムが販売されるようになってから、ワンちゃんのキシリトール中毒が増えたそうです。150g入りの大きいボトルに入ったガムの中には64.3gのキシリトールが含まれているといわれています。よって、ワンちゃんがいたずらしてボトル1本分のガムを食べてしまった場合かなり危険です。万が一、摂取してしまった場合は、どのくらい摂取したかを確認してから病院にご来院ください。
だいぶ減ってはきましたが、今でもキシリトール入りのガムがワンちゃん用に販売されています。ヒトではキシリトールの摂取によって虫歯ができにくくなるといわれておりますが、犬はヒトとは違い虫歯は極めて少なく、キシリトールを積極的に摂取した方がよいとは思えません。
ワンちゃんはヒトとは違い虫歯は極めてまれですが、歯周病は多いので歯磨きを心がけましょう。
歯磨きの方法はビルバック社のホームページ・大澤さんが書いたブログをご覧下さい。
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疥癬(カイセン)
先週は久しぶりに東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズ の「皮膚病(皮膚の解剖と機能・疥癬(カイセン)・毛包虫)」についての講義に参加してまいりました。
本日は疥癬(カイセン)についてお話させて頂きます。
【疥癬(カイセン)】
<原因>
犬:イヌセンコウヒゼンダニ
猫:ネコショウセンコウヒゼンダニ
いずれのダニも宿主特異性が強いですが、ネコショウセンコウヒゼンダニは犬に感染することがあり、ヒトに対して一時的な病変をつくることがあります。
<症状>
感染してから発症まで1~3週間であるといわれており、感染した動物は重度の掻痒性皮膚炎を呈し、紅斑性丘疹、脱毛、フケが認められます。
病変の好発部位は耳介辺縁・肘部・膝・腹側胸部・腹部になります。
<診断>
類似する疾患には膿皮症、ノミアレルギー、マラセチア性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどがあります。
確定診断は皮膚掻爬検査(スクレーピング検査)によりヒゼンダニを検出することになります。
広範囲にわたる皮膚掻爬検査(スクレーピング検査)を行ってもヒゼンダニが検出されないことが多いことから、病変や問診により本疾患が疑われる場合にはヒゼンダニの駆虫を試験的に開始します。
40%がステロイドに反応するため、アトピー性皮膚炎と誤診しやすいので注意が必要です。
<治療>
最も一般的な治療はイベルメクチンの投与になります。その他、様々な薬がでており、各々メリット・デメリットがございますのでご相談しながら治療をしていきます。
【爪を切ってもらっているハリー君】
ハリー君はおとなしく爪を切らせてくれます。ハリー君はどこを触っても嫌がらず、されるがままです。
ハリー君も子犬の時、疥癬にかかり痒みが強くでたそうです。治療したらすぐによくなりました。
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犬フィラリア・血液健康診断キャンペーンについて
3月25日から7月31日まで特別価格にて犬フィラリア・血液健康診断を実施しております。
【健康診断のおすすめ】
フィラリア検査と同時に血液検査による健康診断をお勧めします。
もしも病気が早くみつかれば早期治療ができます。
今年は以下の3つの検査をご提示させて頂きます。
①フィラリア抗原検査
②フィラリア抗原検査+血液検査(18項目)
③フィラリア抗原検査+血液検査(27項目)
【フィラリアの予防方法】
フィラリアの一番安全で確実な予防方法は5月~12月までの8ヵ月間、月に1回、お薬をのませてあげる方法です。
お薬はお肉タイプと錠剤の2種類があります。カレンダーに印をつけたりして、のませ忘れのないようにしてあげて下さい。
投薬忘れを防止するため、8ヵ月分のお薬を一括で処方させていただける患者様には1ヵ月分のお薬を無料とし、7ヵ月分の費用で処方いたします。
【フィラリア予防を始める前に血液検査を行う理由】
万が一、フィラリア症に感染しているにも関わらず予防薬を投与してしまうと重大な副作用がでることがあります。
そのためフィラリアの予防薬を投与する前にはフィラリアに感染していないかを調べるために、毎年検査(少量の血液をいただきます)をする必要があります。
フィラリアに感染していないか調べる方法にはミクロフィラリア検査(犬の血液を採って顕微鏡でのぞく方法)と抗原検査(フィラリア成虫から排泄される微量な物質を抗原抗体反応でみる方法)があります。
検出感度はミクロフィラリア検査で50%以下ですが、抗原検査は約90%以上と大変検出感度に優れているため、当院では抗原検査をお勧めしています。
「前の年に早めに投薬時期を切り上げてしまった」「薬を与えるのを忘れた月がある」「薬を吐き出していたのに気づいていない」などの理由から、予防薬をあげているからといって絶対に感染していないといいきることはできません。
安全なフィラリア予防をして頂くために、血液検査をお願いいたします。
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狂犬病予防接種の時期になりました
今年も狂犬病予防接種の季節がやってまいりました。
当院では随時、狂犬病予防接種を行っております。
御予約は必要ありませんので診察時間内に御来院下さい。
その際、市からの狂犬病のハガキをお持ちいただけますと手続きが簡単になります。
立川市・昭島市・武蔵村山市在住の方で継続の方については済票発行手続きの代行を受け付けております。
病院で代行をさせて頂く場合は、済票代として市に支払う550円を別途お預かりいたします。
フィラリアの検査や予防薬の処方も同時に行う事が出来ますのでご相談下さい。
狂犬病予防接種の料金は3000円(税込)になります。
(体温測定・簡単な健康診断(視診・触診・聴診など)が含まれた値段になります)
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麻酔
こんにちは。マミー動物病院の獣医師の萩原です。
当院では手術は基本的に12時から4時までのお昼休みに行っております。
現在、計画停電が実施されているため、お昼休みが停電になっている日には手術をお受けすることができません。その場合は別の日に手術をお受けしております。
手術を行う際にも電気が必要になります。手術中は麻酔モニターでバイタル(心拍数・呼吸数など)を確認しながら行い、照明も必要になるからです。
今回は麻酔についてご説明させて頂きます。
【麻酔器】
当院で使用している麻酔器になります。こちらでイソフルラン(ガス麻酔)と酸素を調整します。
【麻酔モニター】
当院で使用している麻酔モニターになります。
心拍数、血圧(最高・最低・平均血圧)、SpO2(血中酸素飽和度)・体温・呼吸数・CO2(呼気中の二酸化炭素濃度)をモニターすることができます。
【ドップラー血圧計】
血圧は麻酔モニターで測定すると同時に、ドップラー法でも測定しております。
こちらでは麻酔モニターより正確に血圧を測定することができるといわれています。
【各々のバイタルの正常値】
<心拍数>
犬:70~140回/分 猫:100~200回/分
<SpO2(血中酸素飽和度)>
95~100%
<安静時呼吸数>
猫・子犬:20~40回/分 成犬:20~30回/分
<ETCO2(呼気中二酸化炭素)>
35~45mmHg (PaCO2) (25以下・60以上は特に危険)
<体温>
37~38度
<血圧>
最高血圧(SYS) 100~160(100以上にする・80以下は特に危険)
最低血圧(DIA) 60~100
平均血圧(MEAN) 80~120(80以上にする・60以下は特に危険)
上記の値の範囲外になった時には異常値とみなし、原因を探り対処します。
手術中は5分ごとに麻酔記録をとっており、万が一、異常値がでた場合にはアラームがなるようにもなっているため、異常がでた際には早期に発見することができます。
このように万全な状態でモニターすることによって安心して麻酔を維持することができるのです。
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心臓超音波研修6回目~先天性心疾患~
3月6日(日)は診察を10時までにさせて頂いて、院長と心臓の超音波研修に行ってまいりました。この研修は10月~3月にかけ毎月1回、合計6回開催され、今回は6回目つまり最後の研修でした。今回は先天性心疾患についての研修でした。
若いわんちゃん・ねこちゃんで特に強い心雑音を聴取した時には先天性心疾患を疑います。(弱い心雑音は正常なわんちゃん・ねこちゃんにもみられることもあります)
<犬でみられる先天性心疾患>
①動脈管開存症
②心室中隔欠損症
③肺動脈狭窄症
④大動脈狭窄症
⑤心房中隔欠損症
⑥ファロー四徴症
<猫でみられる先天性心疾患>
①左室形成異常
②大動脈狭窄症
③心室中隔欠損症
④心房中隔欠損症
⑤ファロー四徴症
上記の先天性心疾患における超音波検査(エコー)での診断方法を勉強してきました。
先天性心疾患はわんちゃん・ねこちゃんともにそんなに多い病気ではないですが、もし来院された時には診断できなければいけないなと思いました。
10月~3月にかけ、毎月1回、日曜日に診察時間を短縮させて頂き、皆様には大変ご迷惑をおかけいたしました。今回の研修は実際にわんちゃん・ねこちゃんに自分でエコーをあてて行う実習形式だったので、より実践的で勉強になりました。
今回の実習で得た知識を生かして、これからも心エコー検査をより積極的に行っていこうと思っております。
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心臓超音波研修5回目~猫の心筋症~
2月27日(日)は診察を10時までにさせて頂いて、院長と心臓の超音波研修を受講してきました。(研修日の診察時間の変更はこちらになります。)
今回は、猫の心筋症についての研修をうけてまいりました。
心筋症は心臓の筋肉の厚さや働きの状態によって以下の5つに分類されます
①肥大型心筋症 (HCM)
②拘束型心筋症 (RCM)
③拡張型心筋症 (DCM)
④不整脈源性右室心筋症 (ARVC)
⑤分類不能型心筋症 (UCM)
猫では①肥大型心筋症が最も多く発生するといわれています。
【肥大型心筋症について】
左心室が狭くなることによってその上にある左心房に血液がたまって大きくなり、レントゲンでは「バレンタインハート」とよばれる特徴的な心臓の形をみることができます。このような状態では心臓の働きは急激に低下し、同時に肺水腫を起こしていることが多いです。
超音波検査では左室壁の求心性肥大(6mm以上)、左室内腔の狭小化などが認められます。
さらに突然の痛みと同時におこる後肢の麻痺もこの病気の1つの特徴とされています。(大動脈血栓塞栓症)
これらの症状は進行が早く、ある日突然おこり1~3日以内に急激に悪化することがあります。
このような症状がでてから治療を開始しても、死亡率が高いといわれています。
よって、健康な時から健康診断によって定期的に超音波検査を行い、早期に心筋症を発見することが大切です。
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肝疾患
3月2日は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「肝臓の検査」についての講義に院長と参加してまいりました。
【肝疾患の徴候】
特異的徴候
非特異的徴候
肝腫大
沈鬱
肝萎縮
体重減少
黄疸
食欲低下
食後肝性脳症
嘔吐
腹水
上記のように肝疾患の症状には特徴的な症状と特徴的ではない症状があります。体重減少や食欲低下などは肝臓以外の病気でもみられます。
肝臓が悪いかどうかは血液検査などの各種検査を行うことによってわかります。
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胸水・胸腔内腫瘍の画像診断(レントゲン・超音波診断)
2月16日は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「リンパ節、胸腔、腹腔の超音波診断、超音波ガイド下生検」についての講義に院長と参加してまいりました。今回は胸水・胸腔内腫瘍の画像診断(レントゲン・超音波診断)についてお話させて頂きます。
【胸水・胸腔内腫瘍の画像診断(レントゲン・超音波診断)】
★レントゲン検査→液体は白く空気は黒くうつります。
★超音波検査(エコー検査)→液体は黒くうつりますが、空気はよくうつりません。肺は酸素を交換するところで空気がたくさんある臓器なので、基本的にはよくうつらない臓器になります。しかし、胸腔内に液体が溜まっていると液体が黒くうつるため、肺や胸腔内の腫瘍などがよくみえるようになります。
【実際の症例】
★正常猫★
<胸部レントゲン検査>
心臓は血液が溜まっているため白くうつります。肺は空気が入っているため黒くうつります。
★胸水が貯留している猫★
<胸部レントゲン検査>
レントゲンで黒いはずの肺が白くうつっています。このような時は胸腔内に水が溜まっている(胸水)か、腫瘍の存在を疑います。
<超音波(エコー)検査>
胸水が貯留している時は、より詳しい精査のために胸腔の超音波検査を行います。エコーでは液体は黒くうつるので胸水は黒くうつります。超音波検査では、胸水貯留の程度や場所、腫瘍の有無などを確認します。
腫瘍がみつかりました。
超音波下で針生検したところ、「縦隔型リンパ腫」という悪性腫瘍でした。
★胸腔内に腫瘍がある猫★
<胸部レントゲン検査>
心臓の頭側に腫瘍が存在しています。
<超音波(エコー)検査>
超音波検査では内部に嚢胞を含んでいることがわかります。
超音波下で針生検したところ、胸腺腫疑いでした。
胸腔内のしこりや胸水の生検は超音波下で行うとより安全に行うことができます。画像診断(レントゲン・エコー)のみではしこりの診断名はつかないため、まずは針生検をお勧めしています。
ここ1年、胸水が貯留していたり、胸腔内に腫瘍がある子が立て続けに来院なさいました。呼吸困難に陥っている子が多いため、興奮させないように慎重に検査を行わなければなりません。
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猫の痒い皮膚病
2月17日は東京農工大学のセミナーに参加してまいりました。勉強会は都内で行われることが多いため、いつもは電車で1~2時間くらいかけていくことが多いのですが、農工大学へは車で40分くらいで行くことができるので行き帰りの運転が楽でした。
今回は「猫の掻痒(=痒い)性皮膚疾患」についての講義に参加してまいりました。
【猫の痒い皮膚病に対するアプローチ】
まずは、
①感染症(外部寄生虫(猫疥癬・耳疥癬・ツメダニ・ノミ)・皮膚糸状菌、マラセチアなど)を除外します。
その次に、
②アレルギー性皮膚炎(食物アレルギー・アトピー性皮膚炎)
または
③その他の皮膚疾患(自己免疫性皮膚疾患、ウィルス性皮膚疾患、深在性真菌症など)を除外します。
わんちゃんも、猫ちゃんも「痒い=アレルギー」だと思われがちですが、実はアレルギーではなくて感染症であるケースが非常に多いです。よって、感染症はまず最初に除外しなければなりません。
感染症を除外するには以下の検査が必要になります。
①皮膚掻爬検査(スクレーピング検査)
皮膚をけずりとって顕微鏡でみる検査になります。
②スタンプ検査
セロハンテープなどで皮膚の表面の細胞をペタペタとって、染色して顕微鏡で観察します。
③真菌培養
毛を抜いて培地に置きます。糸状菌に感染していた場合、黄色い培地が赤色に変わります。
④細菌培養・同定・抗生物質感受性試験
中に入っている滅菌綿棒で患部をぬぐい、どんな菌が増えているか、菌が増えていた場合どんな抗生物質に対して反応があるかどうかを調べる検査です。
これらの検査は時間がかからず、動物にも負担もかからず簡単に行うことができるので、皮膚が痒いときにはまずこれらの検査をして感染症を除外することをお勧めします。
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犬の乳腺腫瘍
10歳のヨーキーの女の子が、乳腺のしこりを主訴に来院されました。今までの経過はこちらになります。
あまりにもしこりが大きくなってしまったので、歩くのも大変になってしまったそうです。
大きいしこりは2か所ですが、よく触診するとしこりは合計6個存在しました。
飼い主様とご相談した結果、状態が安定してから手術をすることにしました。
<摘出した乳腺>
摘出したしこりは、病理検査会社に提出します。
病理検査をする目的は、
①腫瘍の診断名
②悪性腫瘍だった場合、悪性度はどのくらいか
③腫瘍が完全に切除できているか
→悪性腫瘍はカニの足のように根をはりますので、表面だけ摘出しても摘出しきれていないことがあります。
④脈管内に腫瘍細胞の浸潤がないか→脈管内浸潤があると今後全身転移しやすいです。
⑤リンパ節転移がないかどうか→転移していると今後全身転移しやすいです。
などを調べるためです。
病理検査結果では2つは悪性腫瘍、4つは良性腫瘍と診断され、腫瘍は完全切除できていました。
ばんざいすると乳腺をよく観察できます。
すっかりきれいになって、よく歩けるようになりました。
わんちゃんの乳腺腫瘍は女の子の腫瘍としては最も多く(52%)、良性が50%、悪性が50%であり、約50%は多発性であるといわれています。
よって乳腺にしこりができた時は、早めに切除生検することをお勧めしています。
特に悪性腫瘍だった場合、下記の表のように腫瘍が大きくなればなるほど予後が悪くなるからです。
<腫瘍のサイズと再発率・転移率>
12ヵ月
24ヵ月
3cm未満
30%
40%
3cm以上
70%
80%
特に女の子のわんちゃんは定期的に乳腺を触診し、しこりがないかどうか確認することが大切です。基本的にわんちゃんの乳頭は左右に5個ずつで合計10個ついています。しこりができた場合は早期発見・早期治療が大切ですので、お早めにご来院ください。
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糖尿病(Ⅲ型糖尿病・二次性糖尿病)
10歳齢のヨーキーの女の子が、乳腺のしこりを主訴に来院されました。食欲が落ち、多飲多尿(お水をたくさんのみ、おしっこをたくさんすること)もあるようです。
各種検査を行い、「糖尿病性ケトーシスまたはケトアシドーシス」・「乳腺腫瘍」と診断しました。
ここで糖尿病について、簡単にお話しいたします。
<わんちゃんの糖尿病について>———————————————————————-
膵臓から分泌されるインスリンの作用不足に基づく代謝性疾患です。インスリンは生体で血糖値を下げる唯一のホルモンで、膵臓のランゲルハンス島B細胞で産生・分泌されます。インスリンの作用が不足すると糖・蛋白質・脂質代謝が障害され、筋肉や脂肪組織の糖利用率が低下し、血液中の糖が増え(高血糖)、尿中に糖が検出されます。
糖尿病はⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型糖尿病に分類されます。
*Ⅰ型糖尿病(インスリン依存性(IDDM))
β細胞からインスリンがでない。インスリン治療を生涯必要とする。
*Ⅱ型糖尿病(インスリン非依存性(NIDDM)):肥満猫に多い。
β細胞からインスリンがでているが、インスリンが効きにくくなっている。
*Ⅲ型糖尿病(ホルモン性・二次性糖尿病)
他の病気(副腎皮質機能亢進症・発情後(血中プロゲステロン濃度が上昇するため)など)が引き金になっておこる糖尿病。早期に糖尿病の原因になる病気を治療すれば根治することがあるが、進行するとⅠ型糖尿病になってしまうことがある。インスリンを投与しても血糖値が下がりにくい。
<発生>
わんちゃんの糖尿病は中高齢の女の子に多いです。(男の子より約2倍多いといわれています)なんとなく太っていると糖尿病になりやすそうですが、わんちゃんの場合、必ずしも肥満によって糖尿病になるわけではなく(猫ちゃんは肥満だと糖尿病になりやすいです)、免疫介在性疾患や膵炎が原因になっていることが多いです。
<症状>
肥満、削痩、多食、多飲、多尿→進行すると尿中にケトン(脂肪の分解産物)がでて(糖尿病性ケトーシスまたはケトアシドーシス)、昏睡状態になり死亡するケースもあります。
合併症には白内障、腎臓病などがあります。
<診断>
血液検査・尿検査など。
同時に全身精査を行い、糖尿病の原因になる病気や糖尿病を悪化させている病気がないか探します。
<治療>
①インスリン療法
②食事療法
③体重コントロール(特に肥満猫で)
④併発疾患(発情・炎症性疾患(慢性膵炎など)・内分泌疾患(甲状腺機能低下症・亢進症・副腎皮質機能亢進症)・感染症(口腔内・尿路系など)・腫瘍など)の治療
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このわんちゃんは、高血糖、尿糖を呈する以外に、尿中にケトン(脂肪の代謝産物)がでていました。(尿中のケトンの有無は尿試験紙で簡単にわかります。)
<尿試験紙>
ケトンがでていると尿スティック検査で「ケトン体」というところが紫色になります。
尿中にケトンがでている場合、緊急事態(糖尿病性ケトアシドーシス)もしくは緊急事態の一歩手前(糖尿病性ケトーシス)になります。
他に何か病気がないか精査したところ、現在ちょうど発情後で血中のプロゲステロン(黄体ホルモン)濃度が高いことが判明しました。
発情後には黄体から分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)によって、インスリンが効きにくくなり、「Ⅲ型糖尿病」に陥るケースがあります。血中プロゲステロン濃度が下がれば、自然と糖尿病が治るケースもありますが、このまま1型糖尿病に移行し、生涯インスリン治療が必要になるケースもあります。また今後糖尿病の治療中に発情すると、血糖コントロールが著しく困難になるため、可能な限り避妊手術(卵巣子宮摘出術)をした方がよいといわれています。また避妊手術によって糖尿病が根治する可能性もあります。
今回はもともと乳腺のしこりを主訴に来院されたのですが、腫瘍患者は中高齢の子が多いので、術前検査によって他の病気がみつかることがよくあります。今回も術前検査により糖尿病がみつかり、乳腺腫瘍より糖尿病の方が先に命に関わってくる可能性が高いため、糖尿病を第一優先に治療しました。
本来ならすぐに手術をした方がよいですが、状態が悪く麻酔リスクが高かったため、インスリンの投与によってある程度血糖値を下げ、尿中のケトンが消失してから避妊手術を行うことにしました。
インスリン治療を行う際、数時間毎に簡易血糖測定器を用い、血糖値を測定します。
<インスリン>
私は状態によって2種類のインスリンを使い分けています。
<簡易血糖測定器>
耳の辺縁を針で一瞬さし、血液を1滴だして血糖値を測定します。数秒で結果がでます。採血量が少ないため簡単に血糖値が測定できます。ある程度状態が落ち着いたら、飼い主様にこちらをお渡しして、自宅で血糖値を測定してもらっています。
次に、インスリンをうった時間と血糖値を表にします。(血糖曲線)
プロゲステロン(黄体ホルモン)濃度が高いため、インスリンの量を多くしてもなかなか血糖値がさがりませんでした。避妊手術をしたところ、術後1週にはインスリンの投与は必要なくなり、糖尿病は根治しました。
インスリンを投与してもなかなか血糖値がコントロールできない場合、大きく分けて3つの原因があります。下記の原因を1つ1つつぶしていくことが大切です。
<インスリンを投与しても血糖値をコントロールできない原因>
①注射技術の問題
②インスリンの問題(タイプ・投薬量・動物種・投与間隔)
③併発疾患(発情・炎症性疾患(慢性膵炎など)・内分泌疾患(甲状腺機能低下症・亢進症・副腎皮質機能亢進症)・感染症(口腔内・尿路系など)・腫瘍など)によるインスリン抵抗性
今回のように複数の病気がみつかった場合は、どの病気が一番先に命にかかわってくるか、生活の質を落としているかをよく考え治療をすることが重要です。
今年のお正月はこの子と過ごすことになりましたが、元気になって退院してくれてよかったです。糖尿病が落ち着いてから乳腺腫瘍の治療をすることになりました。糖尿病は病態が複雑なので、今回はつい文章が長くなってしまいました。乳腺腫瘍の治療については別の機会に記載しようと思っています。




















































































































