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抗がん剤(化学療法)

治療例 記事一覧

  1. 抗がん剤(化学療法)

    この子は以前、ブログでご紹介した小腸腺癌を摘出した猫ちゃんです。現在、術後4ヶ月になります。

    【術前】

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    【術後4ヶ月】

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    お腹の中の腫瘍なので、良くなったかどうかは外見ではわかりにくいのですが、表情も変わり、明らかに元気になったそうです。術前の体重は2.6kgだったのですが、術後4ヶ月がたった現在では4.0kgになりました。術前までの半年間は毎日吐いていたのですが、現在では嘔吐もなくなり順調に経過しています。

    この子は腫瘍がリンパ節に浸潤していたため、術後、抗がん剤をはじめました。現在、1ヶ月に1回、「カーボプラチン」という抗がん剤を投与しており、今回、4回目の投与が終わりました。

    【カーボプラチン】

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    白金化合物に分類される抗がん剤です。「抗がん剤」というと髪が抜けたり、嘔吐したりと副作用が怖いイメージがあるかもしれませんが、この抗がん剤は副作用はまれであり、わんちゃん・ねこちゃんともに非常に使いやすい抗がん剤の1つになります。

    成分が白金(プラチナ)のため、昔は非常に高価で使いにくかったそうです。今は昔に比べると安価になって、わんちゃん・ねこちゃんでも一般的に使うようになってきました。

    まれに嘔吐(軽度)・骨髄毒性などの副作用がみられることがありますが、投与前に血液検査で内臓の状態を把握しておけば、ほとんどの子で強い副作用がみられることはありません。万が一副作用がでた場合もすぐに対応できればさほど心配することはありません。

    この子も抗がん剤による副作用は一切でず、逆に毎回抗がん剤投与直後に特に元気になるそうです。

    今後も元気に暮らせるお手伝いができればと思っています。

    2010年06月04日(金) 投稿者 hagiwara | 治療例, 腫瘍科

  2. 猫のエーラス・ダンロス症候群

    11ヶ月齢のチンチラの女の子が、肩部の皮膚の毛を噛んでひっぱってしまい皮膚がめくれてしまったとの主訴で来院されました。2ヶ月前と3ヶ月前にも同じようなことがあったとのことです。
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    こちらが患部になります。広範囲に傷がみられ、皮膚がめくれてしまっています。
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    お家に仲の悪い同居猫がいたり、お外で飼育されている猫ちゃんではケンカなどによって膿が貯留した後破裂しこのような病変がみられることがありますが、この子は室内で単頭飼育です。また膿が貯留していた様子もなかったとのことです。ここ以外の場所には皮膚病変は見当たりません。なお寄生虫・真菌検査は陰性です。

    前回までは消毒で治ったそうですが、今回は病変部が広範囲で内科治療では治癒が難しいと思われます。飼い主様とご相談し、全身麻酔をかけて手術を行うことにしました。

    バリカンで周囲の毛をかったところ皮膚が容易に傷つき、非常にもろく、異様に皮膚が伸びることがわかりました。皮膚はめくれて、傷口は直径8cm大にも及んでおり、皮下脂肪と筋肉は感染をおこしています。

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    ここで「エーラス・ダンロス症候群」という病気を疑い、めくれた皮膚を切除し病理組織検査に提出しました。
    感染はより広範囲に及んでいることがわかりました。
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    感染した皮下脂肪・体幹皮筋を切除しました。
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    創面が滑らかになりました。
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    洗浄後、皮膚を縫合しました。
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    2週間後、傷はほぼ癒合しています。
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    この子の皮膚は前述したように驚くほどよく伸びます。飼い主様もこの事には以前からお気づきになられていたそうです。
    皮膚の病理組織検査によって「エーラス・ダンロス症候群」と診断されました。

    【エーラス・ダンロス症候群とは】
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    コラーゲンの合成または線維形成の異常によって皮膚の異常な伸展性と脆弱性を示すのが特徴的な遺伝性の病気です。簡単にいうと、皮膚がよく伸び、もろくて容易にさけてしまう病気です。犬・猫では非常にまれであるといわれています。
    臨床徴候・皮膚伸展指数の測定・病理組織検査結果に基づき診断します。
    特異的な治療はありません。屋内飼育し、他の動物から隔離することにより、外傷を避けるようにします。動物の扱いや保定は皮膚を傷つけないように細心の注意を払います。
    この子は皮膚がさけたのは今回で3回目だったのですが、今までなぜ簡単に皮膚がさけてしまったのかわからなかったそうです。今回の診察によってこの子はエーラス・ダンロス症候群で皮膚がうすくてもろいため、自分で少し毛をひっぱっただけで容易に皮膚がさけてしまったことが判明しました。

    エーラス・ダンロス症候群は決して治る病気ではありませんが、今回診断がついたことによって、より皮膚を扱う際には注意が必要であることがわかりました。

    2010年03月30日(火) 投稿者 hagiwara | 外科, 形成外科, 治療例, 皮膚科

  3. 柴犬の上顎下顎に発生した口腔メラノーマ(悪性黒色腫)

    11歳齢の柴犬の男の子が、1ヶ月前に気づいた左上顎のしこりが急速に大きくなっているとのことで来院されました。

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    しこりは左上顎歯肉に存在し、表面は自潰、出血しています。

    わんちゃんの口腔内腫瘍は一般的に良性は約40%、悪性は約60%であるといわれています。
    この子の場合もしこりが良性か悪性か、悪性であったらどんな腫瘍なのかを診断するために、まずはしこりの一部を採材し、病理組織検査を行ったところ「非上皮性悪性腫瘍(メラノーマ疑い)」と診断されました。

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    非常に悪性度が強い腫瘍であるため、下の骨まで一緒に切除しないとすぐに再発してしまいます。そのため腫瘍とともに上顎骨を切除しました(上顎骨部分切除術)。

    【術後の写真】
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    術後の病理組織検査では「メラノーマ(悪性黒色腫)」と診断されました。メラノーマはわんちゃんの口腔内悪性腫瘍の中でも最も悪性度が高く、周囲組織や骨への浸潤性が非常に強く、転移性の高い悪性腫瘍です。
    術後、再発・転移を抑えるため、抗癌剤を開始しました。

    しかし、術後1ヵ月半で、今度は下顎にしこりがみられました。
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    こちらも病理組織検査を行ったところ、上顎のしこりと同様、メラノーマでした。メラノーマは通常1箇所に発生する腫瘍であり、別の場所にできてしまうことはまれです。こちらも腫瘍とともに下顎骨を切除しました。(下顎骨部分切除術)

    【摘出した下顎骨】
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    「上顎も下顎も摘出してしまって、ご飯を食べることはできるのだろうか?」と疑問に持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、ほとんどのわんちゃん、ねこちゃんでは顎がなくても上手にごはんを食べ、水を飲むことができるようになります。

    その後、再発・転移ともになく、順調だったのですが、上顎骨部分切除術から3ヵ月半後に再発してしまいました。私の出身校で腫瘍の研修先でもあった麻布大学附属動物病院にご紹介し、CT撮影をしてもらいました。

    【CT画像】
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    CT撮影後、放射線療法を行いました。わんちゃんの場合、CT撮影、放射線療法ともに全身麻酔下で行います。

    【放射線療法】
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    メラノーマは放射線療法への反応が良い腫瘍の1つです。現在、放射線療法後1ヶ月たちますが、腫瘍は縮小しています。

    口腔メラノーマは無治療での中央生存期間が約2ヶ月といわれており、予後が非常に悪い悪性腫瘍ですが、この子は治療を開始してから半年が経過しています。オーナー様が非常に献身的で、この子も治療によく耐えてがんばっているので、このような良い結果に結びついているのだと思います。

    口腔内にできた腫瘍は早期発見・早期治療ができれば根治できる腫瘍もありますが、発見が遅れがちです。気づいた時には手術もできないくらい大きくなってしまっているケースも少なくありません。定期的に口の中を観察し、しこりがないか確認してあげることが大切です。少しでも異常がみられた場合はお早めにご相談ください。

    2010年03月06日(土) 投稿者 hagiwara | 外科, 治療例, 腫瘍科

  4. 短頭種症候群(軟口蓋過長症+外鼻孔狭窄)

    こんにちは。獣医師の萩原です。今回は短頭種症候群についてご説明させて頂きます。

    パグ、フレンチブルドック、キャバリア、シーズー、チワワなどの鼻が短くつぶれたような顔をした犬種を「短頭種」と呼びます。短頭種は先天的に、軟口蓋過長(軟口蓋が長すぎる)、外鼻孔狭窄(鼻の穴が狭い)、喉頭小嚢の反転脱出、声門裂狭窄、喉頭虚脱、喉頭・咽頭の炎症、気管虚脱などがおこりやすいといわれています。これらの症状をまとめて「短頭種症候群」と呼びます。

    主な症状は、呼吸音、努力性呼吸、呼吸促迫、チアノーゼ、運動不耐性、咳、いびき、虚脱などになります。重症になると嚥下困難や吸引性(誤嚥性)肺炎を引き起こすこともあります。

    ちなみにマミー動物病院のアニマルスタッフ・ハリー君(シェルティー・去勢オス・3歳齢)は鼻が長く「長頭種」です。

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    次に、短頭種症候群の中の一つ、軟口蓋過長症についてご説明いたします。
    正常な子は軟口蓋の先端が喉頭蓋の先端部を超えませんが、短頭種では下図のように軟口蓋が喉頭蓋を超えて肥厚し気道を塞いでいることが多いです。これを軟口蓋過長症といいます。

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    【実際の症例】
    パグ メス 5歳齢
    主訴:睡眠時いびきをかき熟睡できない。鼻で息を吸うのが苦しそうで開口呼吸している。最近では日中も息が苦しそう。避妊手術希望。

    上記のハリー君の鼻と比べてみるとわかりやすいのですが、鼻の穴がとても狭いです。

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    この子は鼻の穴が狭い事の他に、レントゲン検査にて軟口蓋過長を確認(ただしレントゲン検査でわかりにくい事もあり、麻酔下で直接目視することが確定診断になります)したため、飼い主様と相談した結果、避妊手術と同時に鼻の穴を広げる手術と軟口蓋切除術を行うことにしました。

    麻酔下にて喉をのぞくと、軟口蓋(鉗子でつまんでいる所)が長くなっているのがわかります。

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    軟口蓋を切除し、縫合しました。

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    切除した軟口蓋。これが気道を塞いでいました。

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    術後の写真です。鼻孔周囲の鼻鏡の一部を切除、縫合し、鼻の穴を広くしました。

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    切除した鼻鏡。これが鼻での呼吸を妨げていた原因の1つになります。

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    術後、呼吸は楽になり、いびきもほとんどなくなり夜眠れるようになりました。

    パグ、フレンチブルドック、キャバリア、チワワ、シーズーなどの短頭種で、ハーハー・ゼーゼーして呼吸が苦しそうだったり(特に興奮時、暑い時などに症状がひどくなる事が多いです)、いびきをかくような事があったら、短頭種症候群かもしれません。早期に治療すれば軟口蓋切除術や鼻孔矯正術により治癒することが多いですが、進行してしまってからではこのような手術だけで治らなくなってしまう事もあります。このような症状がみられた場合にはお早めにご相談下さい。

    2010年02月15日(月) 投稿者 hagiwara | 呼吸器疾患, 外科, 治療例

  5. 回盲結腸部に発生した猫の小腸腺癌

    猫 メス 11歳齢 
    主訴:半年前から2日に1回~1日2回位吐いている。体重減少。

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    腹部触診にて右上腹部にマス(しこり)を触知しました。精査のため一通りの検査を行ったところ、超音波検査にて右上腹部の腸粘膜が肥厚していることがわかりました。
     その後、マス(しこり)の場所をより詳細に調べるために、バリウム造影検査を行いました。食べ物は口→食道→胃→小腸(十二指腸→空腸→回腸)→大腸(盲腸→結腸→直腸)→肛門を通過し、便になります。この子の場合は小腸(回腸)末端までバリウムはスムーズに通過していくのですが、小腸(回腸)末端~大腸にかけての通過性が悪いため、マス(しこり)はその近辺にある可能性が示唆されました。
    飼い主さんと相談し、後日試験開腹を行うことになりました。

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    マス(しこり)は回腸末端に存在しました。回盲結腸部を切除し、腸を縫い合わせ、閉腹しました。

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    摘出した腸(回腸末端~盲腸~結腸)です

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    腸をあけると、回腸末端にはビニル袋などの異物がたくさん詰まっていました。

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    それらを取り除くと回腸粘膜にマス(しこり)があるのがわかりました。病理組織検査で「小腸腺癌」と診断されました。

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    回腸末端に癌ができたことによって通過しにくくなり、癌ができた前方の回腸に異物が詰まりやすくなり、不完全閉塞をおこし、連日のように吐いていたのだろうと思われます。
     術後2週間経過し全抜糸しました。術後嘔吐は一度もみられず、体重も増えてきています。非常に順調です。
    わんちゃん・ねこちゃん共に「高齢になってからよく吐くようになった」と相談をうけることがあります。そのような場合、まずは腎不全・肝不全・甲状腺機能亢進症など血液検査でわかる病気を除外して、レントゲン検査・超音波検査などによって腹腔内を精査します。「毛玉を吐いているのだから大丈夫だろう」と思い、来院が遅れて気づいた時には手遅れになってしまうケースがあります。お腹の中のしこりは外からみえないため発見が遅れがちです。吐いたり体重が減るには何か原因があるはずです。このような症状がみられましたらお早めにご相談ください。

    【小腸腺癌とは】 
    小腸にできた悪性腫瘍です。シャム猫に多く、ほとんどは回腸に発生するといわれています。食欲不振・嘔吐・体重減少・下痢・メレナ・しぶりなどの症状がみられます。転移(腸間膜リンパ節・肝臓・肺転移など)が高率にみられますが、手術で通過障害がある部分を切除することによって長期生存が得られることがあるといわれています。

    2010年02月02日(火) 投稿者 hagiwara | 外科, 治療例, 腫瘍科

  6. 鼠径ヘルニア

    症例・・・M・ダックスフンド メス 3歳齢 
    主訴・・・2ヶ月前に発情出血があり、その頃から足の付け根が腫れている。
    現症・・・左右共に鼠径部が腫大し、左は6.5cm大、右は2.5cm大。両側とも環納性。両側環納性鼠径ヘルニアと診断。

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    飼い主さんと相談し、整復手術をすることにしました。
    左右共に鼠径部の皮下には腹腔内の脂肪がでてきており、左鼠径部からは子宮もでていました。

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    卵巣・子宮摘出術を行い、鼠径部にでている脂肪を腹腔内に戻し、ヘルニア孔を閉鎖しました。
    2週間後、無事抜糸しました。

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    【鼠径ヘルニアとは】 
    鼠径ヘルニアとは鼠径管から腹腔内臓器(大網、脂肪、子宮、小腸、大腸、膀胱、脾臓など)が突出し、鼠径部に膨隆部を形成している状態です。両側性に発生することもあります。雄より雌での発生が多く、特に不妊手術をしていない中年の雌犬に多いといわれています。雌犬では妊娠中の腹圧上昇や発情中に突然発症することがあります。ダックスフンド、ゴールデン・レトリーバー、ペキニーズ、ウェスティー、コッカースパニエルなどに多いといわれています。
     鼠径ヘルニアは大きく分けて2種類にわけられます。外からヘルニア内容物をおすと腹腔内に戻すことができるヘルニアを環納性ヘルニア、戻すことができないヘルニアを非環納性ヘルニアと呼びます。環納性ヘルニアであれば緊急手術の即時適応ではありませんが、非環納性ヘルニアではヘルニア内容の循環障害によって嵌頓が生じる危険性があり、早急に手術を実施する必要があります。例えば、ヘルニア内容物が腸管で嵌頓している場合は腸閉塞になってしまうことがありますし、前立腺や膀胱であった場合には排尿困難を引き起こすことがあります。ヘルニアの内容の種類と嵌頓の有無が手術の緊急性や予後を左右する重要な要因となります。
     治療は手術によってヘルニア内容を腹腔内に戻し、再発しないように鼠径輪を閉鎖します。

    2010年01月08日(金) 投稿者 hagiwara | 外科, 治療例