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歯周病

歯周病

投稿者 hagiwara | 勉強会, 日常のケア, 歯科

6月23日は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「歯周病」についての講義に参加してまいりました。

今回はわんちゃん・ねこちゃんに非常に多い病気の1つである「歯周病」についてお話させて頂きます。


まず、歯周病の原因であるプラーク(歯垢)や歯石がどのようにしてできるかをご説明させて頂きます。


【プラーク・歯石の形成】

①ペリクル(薄い被膜)

はじめに唾液中の粘りの成分である糖と蛋白が歯の表面にペリクルをつくります。ペリクルはブラッシング後、約20分ですでに形成されています。

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②プラーク(歯垢)

ペリクルに口腔内細菌が付着・繁殖して624時間でプラーク(歯垢)を形成します。プラークは細菌と細菌副産物からなり、これらが主に歯周病の原因物質といえます。プラークは軟らかく、ブラッシング等で簡単に除去できます。

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③歯石

唾液中のカルシウム・リンなどのミネラルがプラーク内に沈着し、石灰化し歯石を形成します。犬ではヒトより5倍早く、約35日で歯石は形成されます。

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【歯周病について】

主にプラーク中の嫌気性菌が炎症性物質や破壊酵素を放出し、歯根膜や歯槽骨を破壊することによって歯周病がおこります。

歯周病による歯周組織の破壊や歯の動揺に伴い、歯肉や歯槽骨の疼痛がみられ、採食時、痛そうにしたり、口を気にしたりします。歯槽骨の吸収が進めば、顔面の変形・歯根膿瘍・顎の病的骨折を起こしやすくなります。また隣接する鼻腔や眼窩へ影響が及び、口鼻ろう孔(口と鼻の穴がつながってしまう)などがみられるようになります。

また、局所の問題だけではなく、歯周病菌が骨髄炎を起こし、さらには全身に敗血症をもたらす可能性もあります。

【予防】

歯周疾患の予防にはブラッシングが基本です。ブラッシング以外(デンタルジェル・おもちゃなど)は補助的なものになります。ブラッシングをする時には歯の表面を集中的に磨くのではなく、歯と歯肉の間(歯肉溝)のプラークを除去するようにして下さい。歯ブラシは柔らかくヘッドの小さいものがよいです。わんちゃんやねこちゃん専用のものも市販されています。歯石が形成されるまでは約3日かかりますので、実際には3日に一度でも維持可能ですが、毎食後ブラッシングするのがよいといわれています。

【わんちゃん専用の歯ブラシ】

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歯磨きの仕方:こちら(ビルバック社のホームページ)こちら(以前、大澤さんが書いたブログ)をご覧下さい。


「最近口臭がする」「歯石がついてきた」「歯肉が赤い」「食べる時痛そう」などの症状がみられた場合はすでに歯周病かもしれませんので、一度ご相談ください。

お問い合わせ:TEL 042-531-3912

■東京都立川市のマミー動物病院/対応エリア

<東京都> 立川市、武蔵村山市、昭島市、福生市、瑞穂町

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