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白内障

白内障

投稿者 hagiwara | 勉強会, 眼科, 立川市マミー動物病院診療日記

こんにちは。獣医師の萩原です。本日は夜から東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「視覚消失性疾患(失明)」についての講義に参加してまいりました。今回は「視覚消失性疾患(失明)」の1つである「白内障」についてご説明させて頂こうと思います。

【白内障について】

まず、正常な眼の模式図を下に示します。白内障とは「水晶体」の病気になります。

正常眼

白内障は、蛋白の変性、線維の膨化等により水晶体が混濁(白濁)した状態で、進行すると視力に影響を与え、失明の原因にもなります。わんちゃんにも比較的高頻度にみられる疾患です。
これには先天性と後天性のものがあり、後天性の白内障として、発症した年齢により4歳以下で発症する若年性白内障、56歳になると発症する老年性白内障に分類されます。
また、白内障の進行の順に①初発白内障 ②未熟白内障 ③成熟白内障 ④過熟白内障に分けられます。
①初発白内障:水晶体の一部にわずかな混濁がみられるもの。ほとんど視覚には影響しない。(10~15%以下の混濁)
②未熟白内障:水晶体は膨張し、混濁はあるがまだ視覚があるもの。(10~99%の混濁)
③成熟白内障:水晶体が完全に白濁して視覚を失ったもの。(100%の混濁)
④過熟白内障:水晶体の硬度が増し、水分が減少して小さくなったものなど。

【治療】
①内科療法
点眼などによって白内障の進行を阻止、遅延させるもので、治癒させるものではありません。

【当院で使用しているライトクリーン(ピレノキシン)(犬老年性初発白内障進行防止剤)】

ライトクリーン

1日4~5回点眼します。

②外科療法
治癒させ、視力を回復させることが目的です。
超音波により水晶体を乳化・吸引し、眼内レンズを移植します。白内障の手術には特殊な機械・技術が必要になるため、ご希望があれば大学病院もしくは眼科専門の病院をご紹介させて頂きます。
今回は白内障の機械や手術の方法についての講義もありました。今は機械の性能が向上していて、成功率も高くなっているようです。

高齢のわんちゃんで、「最近、眼が白く濁ってきた」ことを主訴に来院なさる方が増えてきています。実際診察してみると、白内障と見え方が似ている「核硬化症」という加齢に伴う生理的変化であることもあります。「核硬化症」によって生活に支障をきたすほどの視力障害をおこすことはないため、治療の対象にはなりません。

このような症状がみられましたら、お早めにご相談くださいね。

お問い合わせ:TEL 042-531-3912

■東京都立川市のマミー動物病院/対応エリア

<東京都> 立川市、武蔵村山市、昭島市、福生市、瑞穂町

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