先日は院長と一緒に都内で開催された犬の甲状腺機能低下症の講習会に参加してまいりました。
【犬の甲状腺機能低下症】
甲状腺機能低下症は成犬において最も多い内分泌疾患です。犬の甲状腺機能低下症の多くは、絶対的な甲状腺ホルモンの不足または欠乏によりおこり、自己免疫性甲状腺炎および特発的(原因不明)な甲状腺機能低下症に分類されています。
<発生率>
欧米における発生率は0.2~0.8%と報告されており、日本では0.1%前後と低値ではありますが、近年は増加傾向にあります。その理由として、犬の甲状腺機能低下症に対する認識が深まったこと、および甲状腺ホルモンを測定することが可能な検査機関が増加し、診断が比較的容易になったことがあります。また、犬の寿命が長くなってきていることも理由の1つであると考えられます。
<症状>
下記のように、症状は多岐にわたります。
①代謝性(無気力・不活発・体重増加・肥満・寒さに弱いなど)
②皮膚被毛(内分泌性脱毛・被毛粗剛・色素沈着・落屑亢進・慢性再発性外耳道炎・皮膚易感染症・粘液水腫など)
③循環器系(徐脈など)
④生殖機能(不妊症・無発情など)
⑤その他(神経症状・粘液水腫性昏睡・巨大食道症・喉頭麻痺など)
「悲劇的顔貌」といって、悲しい顔をしているようにみえることがあります。
<好発犬種>
ビーグル・ゴールデンレトリーバー・シェルティー・柴犬など
<血液検査>
軽度の正球性正色素性貧血・高コレステロール血症などが認められることがある。
<診断>
甲状腺ホルモンの測定
<治療>
甲状腺製剤の投与
ここ10年で犬の甲状腺機能低下症の発生率は5倍に増加しているそうです。確かに、現在、院長も私も各々甲状腺機能低下症の症例を治療しており、そんなに少ない病気ではないように思えます。
甲状腺機能低下症はシェルティーに多い病気であるといわれているので、今後ハリー君も気を付けなければならないなと思います。上記のような症状がありましたら、まずはご相談頂ければと思います。
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