7歳齢のシーズーの男の子が歩行を嫌がるとの主訴で来院されました。
X線検査にて明らかな骨・関節の異常は認められませんでしたが、肉球には石灰沈着がみられ、一部出血が認められました。
その他、多飲多尿も認められたため特にクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)を疑い、全身精査を行うことになりました。
超音波検査にて左副腎は8.7mm、右副腎は7.8mmであり、左右副腎ともに腫大が認められました。(正常のわんちゃんの副腎は6mm以下になります)
ACTH刺激試験にてコルチゾールはpreが4.5、postが65.8でした。(postが25以上だった場合、クッシング症候群を疑います。)
以上の所見よりクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)を疑い、各種治療オプションを提示したところ、飼い主様は飲み薬による治療を選択されました。
【クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)】
副腎皮質から分泌されるホルモンの過剰分泌によっておこる病気です。
<原因>
下垂体腫瘍(80%)または副腎腫瘍(20%)
<症状>
多飲多尿、多食、皮膚の菲薄化、左右対称性の脱毛、肥満、腹部膨満、発作など
<治療>
内科療法・放射線療法・外科療法があります。各々の治療法においてメリット・デメリットがございますので飼い主様と相談の上、治療方針を決めていきます。
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