昨日は日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの神経病の講義に参加してまいりました。
今回は神経学的検査についてお話し致します。
【神経学的検査】
神経疾患と他の疾患を鑑別するためには、神経学的検査が極めて有効です。鉗子、ライト、打診槌などがあれば簡単に行うことができます。
<打診槌>
黒いところはゴムになっており、ここでたたいて刺激を与えます。
神経学的検査表に沿って検査を行います。
①視診
精神状態、意識の状態、行動、姿勢、不随意運動の有無などを中心に評価します。
②歩様検査
特徴的な姿勢や歩様を示すことが多いので、それらを注意深く観察します。
③姿勢反応
固有位置感覚、踏み直り反応、跳び直り反応、立ち直り反応、手押し車反応、姿勢性伸筋突伸反応を行います。
④脊髄反射
膝蓋腱反射、前脛骨筋反射、腓腹筋反射、橈側手根伸筋反射、ニ頭筋反射、三頭筋反射、屈曲反射、交叉伸展反射、会陰反射、皮筋反射を行います。
⑤脳神経検査
顔面の対称性、眼瞼反射、角膜反射、威嚇まばたき反応、瞳孔の対称性、斜視、眼振、生理的眼振、対光反射、知覚、開口時の筋緊張、舌の動き・位置・対称性、飲み込み、僧帽筋・胸骨上腕頭筋の対称性、綿球落下テスト、嗅覚を観察します。
⑥知覚検査
表在痛覚、深部痛覚、知覚過敏を観察します。
⑦排尿機能
自然排尿の有無、膀胱の状態を確認します。
以上の検査を行った後、病変がどこにあるのかを予測します。
神経学的検査は特殊な器具や器材を必要としないため神経疾患を疑う子においては実施するようにしています。全ての項目を検査すると時間がかかるため、お預かりしてから検査するようにしています。
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