2月17日は東京農工大学のセミナーに参加してまいりました。勉強会は都内で行われることが多いため、いつもは電車で1~2時間くらいかけていくことが多いのですが、農工大学へは車で40分くらいで行くことができるので行き帰りの運転が楽でした。
今回は「猫の掻痒(=痒い)性皮膚疾患」についての講義に参加してまいりました。
【猫の痒い皮膚病に対するアプローチ】
まずは、
①感染症(外部寄生虫(猫疥癬・耳疥癬・ツメダニ・ノミ)・皮膚糸状菌、マラセチアなど)を除外します。
その次に、
②アレルギー性皮膚炎(食物アレルギー・アトピー性皮膚炎)
または
③その他の皮膚疾患(自己免疫性皮膚疾患、ウィルス性皮膚疾患、深在性真菌症など)を除外します。
わんちゃんも、猫ちゃんも「痒い=アレルギー」だと思われがちですが、実はアレルギーではなくて感染症であるケースが非常に多いです。よって、感染症はまず最初に除外しなければなりません。
感染症を除外するには以下の検査が必要になります。
【皮膚スクリーニング検査】
①皮膚掻爬検査(スクレーピング検査)
皮膚をけずりとって顕微鏡でみる検査になります。
②スタンプ検査
セロハンテープなどで皮膚の表面の細胞をペタペタとって、染色して顕微鏡で観察します。
③真菌培養
毛を抜いて培地に置きます。糸状菌に感染していた場合、黄色い培地が赤色に変わります。
④細菌培養・同定・抗生物質感受性試験
中に入っている滅菌綿棒で患部をぬぐい、どんな菌が増えているか、菌が増えていた場合どんな抗生物質に対して反応があるかどうかを調べる検査です。
これらの検査は時間がかからず、動物にも負担もかからず簡単に行うことができるので、皮膚が痒いときにはまずこれらの検査をして感染症を除外することをお勧めします。
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