先週は久しぶりに東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズ の「皮膚病(皮膚の解剖と機能・疥癬(カイセン)・毛包虫)」についての講義に参加してまいりました。
本日は疥癬(カイセン)についてお話させて頂きます。
【疥癬(カイセン)】
<原因>
犬:イヌセンコウヒゼンダニ
猫:ネコショウセンコウヒゼンダニ
いずれのダニも宿主特異性が強いですが、ネコショウセンコウヒゼンダニは犬に感染することがあり、ヒトに対して一時的な病変をつくることがあります。
<症状>
感染してから発症まで1~3週間であるといわれており、感染した動物は重度の掻痒性皮膚炎を呈し、紅斑性丘疹、脱毛、フケが認められます。
病変の好発部位は耳介辺縁・肘部・膝・腹側胸部・腹部になります。
<診断>
類似する疾患には膿皮症、ノミアレルギー、マラセチア性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどがあります。
確定診断は皮膚掻爬検査(スクレーピング検査)によりヒゼンダニを検出することになります。
広範囲にわたる皮膚掻爬検査(スクレーピング検査)を行ってもヒゼンダニが検出されないことが多いことから、病変や問診により本疾患が疑われる場合にはヒゼンダニの駆虫を試験的に開始します。
40%がステロイドに反応するため、アトピー性皮膚炎と誤診しやすいので注意が必要です。
<治療>
最も一般的な治療はイベルメクチンの投与になります。その他、様々な薬がでており、各々メリット・デメリットがございますのでご相談しながら治療をしていきます。
【爪を切ってもらっているハリー君】
ハリー君はおとなしく爪を切らせてくれます。ハリー君はどこを触っても嫌がらず、されるがままです。
ハリー君も子犬の時、疥癬にかかり痒みが強くでたそうです。治療したらすぐによくなりました。
コメント:0