先月の出来事になりますが、日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの皮膚病の講義に参加してまいりました。今回は「肉芽腫性脂腺炎」という珍しい皮膚病についてご説明致します。
【肉芽腫性脂腺炎】
脂腺の消失と炎症性細胞の浸潤により発生する疾患で、その原因には免疫介在性の脂腺破壊、角化異常に伴う脂腺導管の閉塞による脂腺炎、脂腺代謝異常に伴う角化および皮脂の産生異常など様々な可能性が推測されています。
<症状>
大量の大型で光沢のある落屑とびまん性の鱗屑、脱毛
<好発犬種>
秋田犬・スタンダードプードル(どの犬種にも起きる可能性)
<初発年齢>
中齢(若齢でも老齢でもない)
<予後>
治癒は期待できず徐々に悪化することが多い。
<治療>
ビタミンA
シクロスポリン
シャンプー(角質溶解性シャンプー)
保湿剤
この皮膚病は私も院長も大学病院では診たことがあるのですが、当院ではまだ診たことがありません。珍しい病気で、かつ好発犬種である秋田犬を飼っていらっしゃる方が少ないからでしょうか。
コメント:0