11月1日(日)、午前診療終了後、東京都内で開催された眼科の勉強会に行ってまいりました。講義内容は炎症を伴う眼科疾患の診断と治療についてでした。
今回は乾性角結膜炎(別名:KCS・ドライアイ)についてご説明させていただこうと思います。
乾性角結膜炎は涙液(なみだ)の減少によって引き起こされる眼表面の炎症性疾患です。
原因は免疫介在性・先天性(パグ・ヨークシャーテリア・チャウチャウに多いと言われています)・神経原性・外傷・感染症などがあげられますが、最も一般的な原因は免疫介在性であるといわれています。
臨床症状として、眼への粘液・膿性分泌物の付着・眼瞼への乾燥した分泌物の付着・角膜潰瘍・角膜血管侵入・色素沈着・角膜光沢の低下・乾燥などがあげられます。
診断は主にシルマーティア試験を行い涙の量を調べます。
こちらがシルマーティア試験紙です。
下眼瞼(下まぶた)に試験紙を挿入し、1分間で濡れた長さを測定します。濡れた場所は青く染色されます。
15mm以上であれば正常、11~14mmであれば潜在的なドライアイの疑い、6~10mmであれば軽度なドライアイ、5mm以下であれば重度なドライアイと診断します。
このわんちゃんは27mmまで染色されており、15mm以上あるので、正常と診断しました。
治療は主に免疫抑制剤・抗生剤・人工涙液などの点眼をし、一生涯の治療が必要となります。
最近、目やにが多くなった、眼をしょぼしょぼしている、眼が赤くなったなどの症状がみられましたら、潜在的にドライアイをもっている可能性も考えられますので、お気軽にご相談ください。
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