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褥創(床ずれ)

褥創(床ずれ)

投稿者 hagiwara | 勉強会, 形成外科

本日は夜から東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの褥創についての講義に参加してまいりました。
褥創(床ずれ)は体の一部に「持続的な圧迫」が加わることで、その部分の皮膚や深部の組織の血行が阻害され、虚血性の壊死が生じることで引き起こされます。

【褥創のできやすい部位】
横向きに寝たきりの場合には、肩関節、大腿骨の大転子、頬部(ピンクで塗った場所)に深い褥創が出来ます。また肘や膝、手首足首などの可動性のある関節突出部(緑で塗った場所)には摩擦により浅い褥創が出来ます。

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【褥創の管理方法】
褥創は「持続的な圧迫」が原因で生じるので、圧迫を解除することが重要です。

*除圧について
低反発マットを使って圧迫を解除(除圧)します。昔はドーナツ型の褥創パッドを使用していましたが、今では褥創パッドの圧迫により褥創周囲の血行を悪化させ、より深い壊死や新たな褥創を作り出す危険性があるため、褥創に対して使うべきではないといわれています。

*体位変換について
人の褥創対策では以前は2時間毎の体位変換が推奨されていましたが、最近では高機能マットなどによる除圧法の改善により、頻繁な体位変換は必要ないといわれています。体位変換により新たな褥創を作り出す危険性も指摘されています。動物の場合もマットによる除圧が適切にできている場合には体位変換は最小限で良いだろうといわれています。

*創傷管理
消毒はせず、乾燥させず、創面とその周囲を清潔に保つ(褥創周囲の毛を刈り、生理食塩水または水で洗う)ことが重要です。

昔は褥創の治療は、体位変換を頻繁に行い、褥創パッドを用い、消毒をして、ガーゼをあてて乾燥させるのが基本であり、今と真逆のことが行われてきました。医学も獣医学も昔は当然と思われていた治療法が、今になって否定されることがよくあります。日々進歩する獣医学を学び続けなければと思いました。

寝たきりで動けないことにより褥創が発生するので、再発を防ぐための一番の方法は寝たきりの状態を改善することです。しかし、寝たきりの子を活発に動かす事は困難であるため、褥創を根治させることは非常に難しいと言われていますが、なかには飼い主さんの努力によって治った子もいます。褥創でお困りの方はお気軽にご相談下さいね。

お問い合わせ:TEL 042-531-3912

■東京都立川市のマミー動物病院/対応エリア

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