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鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニア

投稿者 hagiwara | 外科, 治療例

症例・・・M・ダックスフンド メス 3歳齢 
主訴・・・2ヵ月前に発情出血があり、その頃から足の付け根が腫れている。
現症・・・左右共に鼠径部が腫大し、左は6.5cm大、右は2.5cm大。両側とも環納性。両側環納性鼠径ヘルニアと診断。

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飼い主さんと相談し、整復手術をすることにしました。
左右共に鼠径部の皮下には腹腔内の脂肪がでてきており、左鼠径部からは子宮もでていました。

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卵巣・子宮摘出術を行い、鼠径部にでている脂肪を腹腔内に戻し、ヘルニア孔を閉鎖しました。
2週間後、無事抜糸しました。

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【鼠径ヘルニアとは】 
鼠径ヘルニアとは鼠径管から腹腔内臓器(大網、脂肪、子宮、小腸、大腸、膀胱、脾臓など)が突出し、鼠径部に膨隆部を形成している状態です。両側性に発生することもあります。雄より雌での発生が多く、特に不妊手術をしていない中年の雌犬に多いといわれています。雌犬では妊娠中の腹圧上昇や発情中に突然発症することがあります。ダックスフンド、ゴールデン・レトリーバー、ペキニーズ、ウェスティー、コッカースパニエルなどに多いといわれています。
 鼠径ヘルニアは大きく分けて2種類にわけられます。外からヘルニア内容物をおすと腹腔内に戻すことができるヘルニアを環納性ヘルニア、戻すことができないヘルニアを非環納性ヘルニアと呼びます。環納性ヘルニアであれば緊急手術の即時適応ではありませんが、非環納性ヘルニアではヘルニア内容の循環障害によって嵌頓が生じる危険性があり、早急に手術を実施する必要があります。例えば、ヘルニア内容物が腸管で嵌頓している場合は腸閉塞になってしまうことがありますし、前立腺や膀胱であった場合には排尿困難を引き起こすことがあります。ヘルニアの内容の種類と嵌頓の有無が手術の緊急性や予後を左右する重要な要因となります。
 治療は手術によってヘルニア内容を腹腔内に戻し、再発しないように鼠径輪を閉鎖します。

お問い合わせ:TEL 042-531-3912

■東京都立川市のマミー動物病院/対応エリア

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