「血管シーリングシステム」とは、組織同士をくっつけることで縫合糸を使わずに安全に止血できる手術機器です。
この機器には、下記のメリットがあります。
①体内に縫合糸をなるべく残さずに手術ができるため、「縫合糸反応性肉芽腫」という病気を予防できる
②安全に止血ができる
③手術時間の短縮ができ、麻酔リスクを減らすことができる
【縫合糸反応性肉芽腫について】
一般的な去勢・避妊手術・腫瘍摘出術などの手術では精巣・卵巣・子宮・腫瘍周囲の血管を縫合糸で結紮するため、縫合糸は体内に残ってしまいます。
しかし、近年、体内に残った縫合糸が引き起こす「縫合糸反応性肉芽腫」という病気が多数報告されています。
「縫合糸反応性肉芽腫」とは、手術時に使った縫合糸に対して体が過剰な異物反応を起こし、術後数ヶ月から数年後に手術部位やその他の部位で炎症をおこし、大きく腫れて穴があいたり、皮膚やお腹の中にしこり(肉芽腫)が生じる病気です。
もしこのような病気になってしまった場合、再手術で縫合糸やしこり(肉芽腫)を摘出したり、ステロイドや免疫抑制剤による治療が必要となり、場合によっては生涯の投薬が必要になります。
特にミニチュア・ダックスフントでの報告が多いですが、チワワ、トイ・プードル、マルチーズ、シーズー、ヨーキー、ゴールデン・レトリバーなどでも報告されており、どんな犬種にも起きる可能性があります。
当院では血管シーリングシステム「TESS」にて去勢・避妊手術・腫瘍摘出術などの手術を行うため、縫合糸縫合糸肉芽腫をできる限り予防することができます。
去勢・避妊手術・腫瘍摘出などの手術をご希望の方は、ぜひご相談頂ければと思います。
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