先日は日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの生検についての講義に参加してまいりました。
生検については以前こちらで簡単にお話ししたことがありますが、今日はさらに詳しくお話いたします。
【生検】
「生検」とは主にしこりの診断をつけるために行う検査のことで、針生検、tru-cut生検、パンチ生検、切開・切除生検などがあります。
①針生検(細胞診)
しこりに針をさし、針先にとれた細胞を顕微鏡で確認します。
<適応>
皮膚・皮下腫瘤・体腔内臓器の病変・貯留液
<長所>
迅速・簡易・安価・安全
<短所>
診断に限界がある
②tru-cut生検(病理組織検査)
マッチ棒大くらいの組織を採材することができます。
針生検とは違い病理組織検査に提出することができます。
<適応>
皮下腫瘤・深部腫瘤
<長所>
迅速・簡易・安全
<短所>
標本の大きさ・コスト
③パンチ生検(病理組織検査)
tru-cut生検よりさらに大きい組織を採材することができます。
先端にはこのようにするどい刃がついています。
採材する組織の量によってサイズを変更します。
<適応>
皮内や皮下腫瘤
<長所>
迅速・簡易・安価・安全 通常全身麻酔の必要なし
<短所>
標本の大きさと到達深度
④切開生検・切除生検(病理組織検査)
<適応>
皮内・皮下の腫瘤 潰瘍化したあるいは壊死性の腫瘤に最適な手法
<長所>
大きな標本が採材可能 正常組織と腫瘤の境界部位の採材が可能
<短所>
通常、鎮静あるいは全身麻酔が必要
①→②→③→④になるほど採材できる組織は大きく、確定診断がでる可能性は高くなりますが、侵襲度も高くなります。診察後どの生検法がよいか検討しますが、私はまず侵襲性の低い①針生検をお勧めすることが多いです。針生検の検査結果によって次にどの生検にすすめばよいか検討しています。
コメント:0