先日は日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの消化器型リンパ腫についての講義に参加してまいりました。
【猫の消化器型リンパ腫】
猫で一般的な消化管腫瘍
猫の消化管腫瘍の55%がリンパ腫
猫のリンパ腫の34%が消化器型リンパ腫
<臨床徴候>
下痢・嘔吐・体重減少・活動性低下・食欲低下・腹水・黄疸など
臨床徴候は非特異的です。
<病理組織学的検査・細胞診による分類>
リンパ腫と診断した場合、下記の3つに分類します。
型により治療方法・治療反応・予後が異なります。
①大細胞性(=High/Intermediate-Grade・高悪性度・低分化型)
②小細胞性(=Low-Grade・低悪性度・高分化型)
③大顆粒型(=Large granular lymphocyte)
<化学療法と反応性>
①大細胞性 | ②小細胞性 | ③大顆粒型 | |
化学療法プロトコル | 多剤併用
CHOP-based |
プレドニゾロン
+クロラムブシル |
多剤併用
CHOP-based |
完全寛解(CR)率 | 38~87% | 56~96% | 5% |
CRの症例の生存期間中央値 | 7~10ヵ月 | 19~29ヵ月 | 17日 |
消化器型リンパ腫はお腹の中の腫瘍のため外からはわかりにくく、診断は超音波検査や内視鏡検査で行います。特に高齢の猫ちゃんで上記症状がみられた場合には消化器型リンパ腫も疑い各種検査をされることをお勧めしております。
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