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免疫介在性溶血性貧血 (IHA)

免疫介在性溶血性貧血 (IHA)

投稿者 hagiwara | 勉強会, 血液・骨髄疾患

本日は夜から東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの免疫疾患についての講義に参加してまいりました。今回は免疫疾患の1つである免疫介在性溶血性貧血 (IHA)についてご説明させて頂こうと思います。
免疫介在性溶血性貧血 (IHA)はなんらかの原因により自己赤血球膜上の抗原に対する抗体が産生され、抗原抗体反応のために赤血球が障害を受け、血管内又は血管外溶血がおこり貧血をきたす病態です。自己免疫性溶血性貧血(AIHA)(薬物・感染・腫瘍などの原因がない場合)と続発性免疫介在性溶血性貧血(薬物性・感染性・腫瘍性などによっておこる)に分類されます。
自己免疫性溶血性貧血(AIHA)は中年のメスに多く、コッカースパニエル、プードル、オールドイングリッシュシープドック、シーズーなどに多いといわれています。猫では白血病ウィルスやエイズウィルスに関連しておこるものが多いといわれています。
 溶血が急性で激しい場合には発熱、ヘモグロビン血症、ヘモグロビン尿、黄疸、嘔吐、脾腫、リンパ節の腫脹などがみられます。
 血液検査では大球性低色素性貧血、赤血球大小不同、多染性赤血球増加などがみられ、球状赤血球、好中球増加がみられることもあります。 
劇症例の致死率は80~90%ともいわれ、全般の致死率は38%といわれています。
治療は免疫抑制療法や輸血などになります。
貧血を主訴に来院される方は少なく、元気・食欲低下・嘔吐・血尿などを主訴に来院される事が多いです。人間では貧血になると顔がまっ白になってくることが多いですが、わんちゃんやねこちゃんには毛が生えていますので、貧血になっても外からではわかりにくいです。貧血の有無は可視粘膜の色でわかることが多いです。例えば、くちびるをめくって歯肉の色をみたり、結膜が白くないかを観察します。歯肉や結膜の正常な色がわかっていないと、正常より白いかどうかわかりにくいので、健康な時からよく観察してあげることが大切だと思います。

【ハリー君の歯肉】
くちびるをめくって歯肉をみます。健康なピンク色です。

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【ハリー君の結膜】
あっかんべぇをして結膜をみます。健康なピンク色です。

20100113-2

ハリー君の粘膜は健康なピンク色で、貧血はありません。

お問い合わせ:TEL 042-531-3912

■東京都立川市のマミー動物病院/対応エリア

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