1月13日(水)、院長と二人で、横浜で開催されているiVEAT 超音波研修に参加してまいりました。本日は膀胱・前立腺・腰下リンパ節についての研修でした。
【膀胱】
膀胱は後腹部に存在する尿をためる臓器で、尿が貯留している時に検査するとわかりやすいです。レントゲン検査では膀胱の大きさ・形・位置・膀胱結石の有無(*レントゲン検査で診断できない膀胱結石もあります)などはわかりますが内部構造はわかりません。しかし超音波検査では膀胱粘膜の評価(厚み(←膀胱炎があると厚くなることが多いです)・内容物・腫瘍の有無など)やレントゲン検査で診断できない膀胱結石の有無を評価することができ、超音波検査に非常に適した臓器になります。エコーでは液体は黒くうつるので、膀胱内部は貯留している尿により黒くうつります。
【正常な膀胱の超音波検査画像】
膀胱粘膜の厚さは1.9mmで(3mm以下なら正常です)、膀胱内には結石や腫瘍はなく正常です。
【前立腺について】
オスの膀胱の尾側から骨盤付近までの尿道を取り囲むように存在する臓器です。レントゲン検査では前立腺の大きさ・位置などはわかりますが内部構造はわかりません。しかし、超音波検査では嚢胞・膿瘍・腫瘍の有無など内部構造を評価することができます。
【正常な前立腺の超音波検査画像】
【異常な前立腺の超音波検査画像】
前立腺内に嚢胞(黒いので中が液体です)がみられます。
【腰下リンパ節】
腰下リンパ節は膀胱背側の腹部大動脈や後大静脈の分岐部分に存在します。正常な腰下リンパ節はわかりにくいですが、腫瘍が腰下リンパ節に転移し大きくなってくるとわかりやすくなります。(腰下リンパ節に転移しやすい腫瘍には乳腺癌・リンパ腫・前立腺癌・肛門嚢アポクリン腺癌などがあります。)
【正常な腰下リンパ節の超音波検査画像】
後大静脈の分岐部分には腫大した腰下リンパ節が存在しておらず、正常所見です。
超音波検査は体に負担がなく、安全に腹部臓器(肝臓・脾臓・腎臓・膀胱・腸など)や心臓の様子を診断できますので、病気の時はもちろん、健康診断にも優れている検査です。わんにゃんドック(健康診断)では超音波検査で一通り臓器をみて異常がないかを確認します。もし興味がございましたら、一度ご相談ください。
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