先週も日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの心臓病の講義に参加してまいりました。今回も「僧帽弁閉鎖不全症の診断・治療」についての講義でした。
今回は主にわんちゃんの僧帽弁閉鎖不全症の時に使用するお薬の1つである「ピモベンダン」についてご説明致します。
【ピモベンダン(商品名:ベトメディン)】
ピモベンダンとは主に僧帽弁閉鎖不全症などの心臓病の症例に処方するお薬です。
投与によって血管拡張作用、強心作用、心拍数の適正化、抗不整脈作用などがみられます。
以前お話しした、ISACHC分類(心不全の機能分類)でクラスⅢa(重症心不全:安静時に咳)の症例において適応になります。
他の大体の心臓病薬との併用が可能で、副作用はほとんど認められません。
私が獣医になったばかりの頃、ピモベンダンは人体薬で販売されていましたが高価で、動物用のものは販売されていませんでした。今は動物用のピモベンダンが販売されるようになり、気軽に処方できるようになりました。
今までは僧帽弁閉鎖不全症によって一度肺水腫(心不全により肺に水が貯まってしまう病態)になった症例は利尿剤を使い続けないと肺水腫をうまくコントロールできないことが多かったのですが、この薬が販売されるようになってからは多くの症例で利尿剤を休薬もしくは漸減できるようになりました。
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