先日は日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの慢性下痢の治療についての講義に参加してまいりました。
今回は腸リンパ管拡張症についてについてお話し致します。
【腸リンパ管拡張症】
腸リンパ管拡張症は腸粘膜、粘膜下織、腸間膜のリンパ管の異常な拡張を呈した病態
犬の蛋白喪失性腸症の主な原疾患の1つ
<症状>
下痢・削痩・腹水貯留・低アルブミン血症など
消化器症状を全く認めない場合もある
<分類>
原発性:腸リンパ管の形成不全・リンパ管炎・粘膜の炎症など
ヨーキー・マルチーズなどに多い
二次性:リンパ流の障害・静脈圧上昇など
<診断>
他疾患の除外
確定診断は内視鏡検査における小腸粘膜の白色粟粒性病変と病理組織学的検査
<予後>
長期予後に関するデータは乏しいが、症例によって様々
初期治療に良好に反応する場合は予後がよいことが多い
長期的な治療が必要
この病気は消化器疾患の1つですが、消化器症状を一切認めず、血液検査でしか異常値を認めないことがありますので注意が必要です。
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