先日は日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの胃の疾患についての講義に参加してまいりました。今回は胆汁嘔吐症候群についてについてお話し致します。
【胆汁嘔吐症候群】
長時間の空腹によって腸液(胆汁)が十二指腸から胃へ逆流し嘔吐がみられることを胆汁嘔吐症候群と呼びます。腸液(胆汁)によって胃粘膜が障害を受けることがあります。
<症状>
典型的には朝1回の食事の犬で、夜間から朝に胆汁まじりの液体を嘔吐。嘔吐以外に症状なし。
<診断>
症状と他の疾患の除外。特に慢性胃炎や消化管外疾患。
<治療>
食事を2~3回に増やし、空腹時間を短縮。良化しなければ胃運動改善薬を投与。それでも改善しなければ基礎疾患を考慮。
よくわんちゃんの飼い主様から夜~朝方にかけて黄色の液体(胆汁)を吐くというご相談を受けることがあります。その場合は胆汁嘔吐症候群を疑い、夜寝る前にフードを与えて頂くことによって改善することがあります。
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