1月13日(日)はお休みを頂いて、東京大学で開催された消化器疾患のセミナーに参加してまいりました。本日は炎症性腸疾患(IBD)についてご説明致します。
【炎症性腸疾患(IBD)】
慢性再発性の嘔吐や下痢がみられる場合の多くは炎症性腸疾患(IBD)と呼ばれる疾患によります。最近ではこれを慢性腸症と呼ぶようになり、食事療法で反応するものを食事反応性疾患(FRD)、抗生剤療法で反応するものを抗生剤反応性下痢症(ARD)に細分類し、これらに反応せず免疫抑制剤などの投与が必要なものをIBDと分類するようになりました。
<IBDを疑う場合>
①3週間を超えて持続する嘔吐・下痢をはじめとする胃腸症状がある
②駆虫剤や抗生剤、粘膜保護剤などの対症療法では改善しない
③他に胃・小腸・結腸の炎症の原因が確認できない
④組織学的には炎症細胞の浸潤を特徴とする。
<診断>
小腸のIBD→食欲不振・嘔吐・体重減少・黒色便(メレナ)など
大腸のIBD→大腸性の下痢(排便回数の増加・鮮血便や粘液便の排泄・しぶりなど)
糞便検査で寄生虫卵や原虫などが検出できない
内視鏡検査・生検にて炎症細胞浸潤を確認し、食事や寄生虫感染に対する除外診断を行う
今回のセミナーでは新しい食事療法に関する知見があり勉強になりました。
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