先週は大宮で開催された胸水・腹水のセミナーに行ってきました。
本日は胸水と腹水の検査についてご説明致します。
【胸水・腹水の検査】
X線検査や超音波検査で胸水や腹水を確認した場合、抜去して各種検査を行い何が原因で貯留しているのかを探ります。
①性状検査
まずは胸水・腹水の色調・粘稠性・混濁・臭いなどを確認し、必要であれば生化学検査を行います。
その後、屈折計を用い、比重、TPを、また血球計算機を用いて細胞数を計測し、漏出液・変性性漏出液・浸出液に分類いたします。分類することによって何が原因で胸水・腹水が貯留しているのかを予測します。
TP(蛋白) | 細胞数 | |
漏出液 | 2.5未満 | 1000未満 |
変性性漏出液 | 2.5~5.0 | 1000~5000 |
浸出液 | 3.0以上 | 5000以上 |
<漏出液の原因>
低アルブミン血症・心疾患・腫瘤形成などによる循環障害
<変性性漏出液の原因>
心疾患・腫瘤形成などによる循環障害
<浸出液の原因>
炎症(膿胸・無菌性化膿性炎症(腫瘍(癌性胸膜炎・腹膜炎など)・慢性化した乳び胸・異物混入・膵炎(腹水)・胆汁性腹膜炎(腹水))など
②細胞学的検査
胸水・腹水中に出現している細胞を鑑別する検査。
直接塗抹と沈渣塗抹を作成し、顕微鏡でどのような細胞がでてきているか確認いたします。
胸水・腹水が貯留している原因が検査でわかったら、それに対する治療を行います。
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