歯科 記事一覧
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歯の本数
こんにちは、看護師の石黒です。
今回はわんちゃん・ねこちゃんの歯の本数に
ついてお伝えしたいと思います。
仔犬さん・仔猫さんの子育てをしたことがある方は
ご存知かと思いますが、人間と同じく乳歯と永久歯があります。
【犬の歯の本数】
乳歯・・・28本
永久歯・・・42本【猫の歯の本数】
乳歯・・・26本
永久歯・・・30本あの小さい口の中にそんなに歯があるとは驚きです!
人間はというと永久歯の場合、親知らずを含めて
32本あるそうです。わんちゃんのほうが多いんですね。
これだけの歯があるのですから
なかなか歯磨きは難しいものですね。
動物用のおいしい歯磨き粉もありますので
毎日コツコツ慣らしていきましょう♪2016年06月25日(土) 投稿者 ishiguro | 日常のケア, 歯科, 立川市マミー動物病院ブログ
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歯科の講習会に参加してまいりました
4月27日(日)は診察を10時半までとし日本小動物歯科研究会が主催している講習会に院長と一緒に参加してまいりました。
日本小動物歯科研究会は獣医の中で唯一歯科を専門にしている研究会で、毎年レベル1から4までの講義と実習を開催しています。今回はレベル2の講義に参加してまいりました。当院でもより専門的な歯科の治療を提供することができればと思い、今年はレベル1と2の講義と実習に参加する予定です。
この実習は毎年大人気でなかなか受講することができませんが、今年はなんとか予約をいれることができました。6月・8月の日曜日にもお休みを1日ずつとって参加する予定です。皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。
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犬のキシリトール中毒
昨日は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズ の「肝疾患の治療とモニター」についての講義に参加してまいりました。
今回は肝不全の原因となるキシリトールについてお話させて頂きます。
【犬のキシリトール中毒】
キシリトールは砂糖不使用のガムや歯磨きなどに含有されている甘味料です。ヒトはキシリトールを摂取しても無害ですが、犬では命にかかわるような中毒をひき起こすことがあるといわれています。
体重10kgのワンちゃんが、1g摂取すると低血糖になり、5g摂取すると急性肝不全になるリスクがあるため、1~5g摂取した場合には入院下でモニタリングが必要になり、5g以上摂取した場合には入院治療が必要になるといわれています。
大きいボトルに入ったガムが販売されるようになってから、ワンちゃんのキシリトール中毒が増えたそうです。150g入りの大きいボトルに入ったガムの中には64.3gのキシリトールが含まれているといわれています。よって、ワンちゃんがいたずらしてボトル1本分のガムを食べてしまった場合かなり危険です。万が一、摂取してしまった場合は、どのくらい摂取したかを確認してから病院にご来院ください。
だいぶ減ってはきましたが、今でもキシリトール入りのガムがワンちゃん用に販売されています。ヒトではキシリトールの摂取によって虫歯ができにくくなるといわれておりますが、犬はヒトとは違い虫歯は極めて少なく、キシリトールを積極的に摂取した方がよいとは思えません。
ワンちゃんはヒトとは違い虫歯は極めてまれですが、歯周病は多いので歯磨きを心がけましょう。
歯磨きの方法はビルバック社のホームページ・大澤さんが書いたブログをご覧下さい。
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乳歯遺残
10月20日(水)は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの歯科セミナーに参加してまいりました。今回は「乳歯遺残」についてお話させて頂きます。
まず、乳歯と永久歯が生えてくる時期は以下の表のようになります。
乳歯
永久歯
子犬
子猫
犬
猫
切歯
3~4週
2~3週
3~4ヵ月
3~4ヵ月
犬歯
3週
3~4週
4~6ヵ月
4~5ヵ月
前臼歯
4~12週
3~6週
4~6ヵ月
4~6ヵ月
後臼歯
5~7ヵ月
4~5ヵ月
「乳歯遺残」とは永久歯との交代の時期を過ぎても、乳歯が歯列内に残留することです。乳歯が残存すると永久歯の萌出が遅れたり、不整咬合の原因となります。また歯垢や歯石が付着しやすくなり歯周病の原因にもなります。
よって、自然に抜ける様子がなければ抜歯を行う必要があります。すべての永久歯は6~7ヵ月齢までには萌出が完了し、この時点で乳歯があれば自然に抜ける可能性は少ないです。また、7ヵ月齢に満たない場合でも、永久歯の萌出が始まったにも関わらず乳歯が動揺しなければ抜歯を行った方がよいといわれています。
ゴンちゃんも若い頃、乳歯(犬歯)が抜けなかったため抜歯しました。
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抜歯
昨夜は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「抜歯」についての講義に参加してまいりました。今回は抜歯についてお話させて頂きます。
<抜歯>
遺残乳歯,進行した歯周病罹患歯,修復が不可能な歯,猫の口内炎などは抜歯の適応になります。
エレベーターで脱臼させ,鉗子で抜きます。
【エレベーター】大・中・小と3本揃えてあります。
【残根鉗子】
場所によっては歯肉を切除したり,歯を分割してから抜歯します。
歯周病ですでにぐらついている歯を抜く時はさほど苦労せずに抜けますが,ぐらついていない永久歯を抜く時はかなり大変な処置になることがあります。今回は抜歯のコツを教えて頂き勉強になりました。
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スケーリング(歯石除去)
昨夜は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「予防歯科」についての講義に参加してまいりました。
前回の歯周病の講義の続きでした。今回は予防歯科の1つである「スケーリング(歯石除去)」についてお話させて頂きます。【スケーリング(歯石除去)】
超音波スケーラーを用い、歯肉縁上・歯肉縁下の歯面からプラークと歯石を除去することです。スイッチをおすとチップの先端が震動し歯石を除去します。また先端からは水が霧のようにでて汚れを洗浄し、歯とチップの冷却を行っています。
【ポリッシング】
スケーリングを行った後の歯面は細かく不正な凹凸があるので、研磨剤をつけて歯の表面をツルツルに磨かなければなりません。これをポリッシングといいます。当院ではスケーリングの後には必ず行っております。行わないと歯面が粗いままになってしまいプラークや歯石が再付着しやすくなります。無麻酔下で鉗子などで歯石をバキッと取るだけではその歯の表面にはまだプラークと歯石が粗く残って、歯石が再付着しやすく、歯周ポケット内の歯石までは完全に除去することはできません。歯周ポケット内の歯石をそのままにすると歯周病が悪化します。よって、全身麻酔下にて丁寧にスケーリングする必要があります。
全身麻酔を心配される方が多いですが、術前に各種検査を行い、基礎疾患がないか確認し、安全性が高い麻酔を用い、麻酔中は麻酔モニターで心拍数・呼吸数・血圧・酸素飽和度(spO2)・CO2・体温などを各種モニターしながら行っておりますので、昔に比べたら安全性は高くなってきています。
「最近口臭がする」「歯石がついてきた」「歯肉が赤い」「食べる時痛そう」などの症状がみられた場合はすでに歯周病かもしれませんので、一度ご相談ください。(歯周病についての詳しい説明はこちらになります)
スケーリング(歯石除去)や抜歯などの歯科処置をした方がよいかこちらで判断させて頂ければと思います。
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歯周病
6月23日は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「歯周病」についての講義に参加してまいりました。
今回はわんちゃん・ねこちゃんに非常に多い病気の1つである「歯周病」についてお話させて頂きます。
まず、歯周病の原因であるプラーク(歯垢)や歯石がどのようにしてできるかをご説明させて頂きます。
【プラーク・歯石の形成】
①ペリクル(薄い被膜)
はじめに唾液中の粘りの成分である糖と蛋白が歯の表面にペリクルをつくります。ペリクルはブラッシング後、約20分ですでに形成されています。
②プラーク(歯垢)
ペリクルに口腔内細菌が付着・繁殖して6~24時間でプラーク(歯垢)を形成します。プラークは細菌と細菌副産物からなり、これらが主に歯周病の原因物質といえます。プラークは軟らかく、ブラッシング等で簡単に除去できます。
③歯石
唾液中のカルシウム・リンなどのミネラルがプラーク内に沈着し、石灰化し歯石を形成します。犬ではヒトより5倍早く、約3~5日で歯石は形成されます。
【歯周病について】
主にプラーク中の嫌気性菌が炎症性物質や破壊酵素を放出し、歯根膜や歯槽骨を破壊することによって歯周病がおこります。
歯周病による歯周組織の破壊や歯の動揺に伴い、歯肉や歯槽骨の疼痛がみられ、採食時、痛そうにしたり、口を気にしたりします。歯槽骨の吸収が進めば、顔面の変形・歯根膿瘍・顎の病的骨折を起こしやすくなります。また隣接する鼻腔や眼窩へ影響が及び、口鼻ろう孔(口と鼻の穴がつながってしまう)などがみられるようになります。
また、局所の問題だけではなく、歯周病菌が骨髄炎を起こし、さらには全身に敗血症をもたらす可能性もあります。
【予防】
歯周疾患の予防にはブラッシングが基本です。ブラッシング以外(デンタルジェル・おもちゃなど)は補助的なものになります。ブラッシングをする時には歯の表面を集中的に磨くのではなく、歯と歯肉の間(歯肉溝)のプラークを除去するようにして下さい。歯ブラシは柔らかくヘッドの小さいものがよいです。わんちゃんやねこちゃん専用のものも市販されています。歯石が形成されるまでは約3日かかりますので、実際には3日に一度でも維持可能ですが、毎食後ブラッシングするのがよいといわれています。
【わんちゃん専用の歯ブラシ】
歯磨きの仕方:こちら(ビルバック社のホームページ)やこちら(以前、大澤さんが書いたブログ)をご覧下さい。
「最近口臭がする」「歯石がついてきた」「歯肉が赤い」「食べる時痛そう」などの症状がみられた場合はすでに歯周病かもしれませんので、一度ご相談ください。
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ケアシリーズ4 歯みがき編
こんにちは。看護師の大澤です。
今回は回数を分けて、おうちで出来るわんちゃん・ねこちゃんに必要なケアについてご紹介させていただきたいと思います。
1・ブラッシング
2・爪きり
3・耳掃除
4・歯みがき【4.歯みがき】
わんちゃんは自分で歯みがきをすることが出来ません。本来はわんちゃんねこちゃんの歯は真っ白ですが歯みがきをしないでいると歯に歯石に付き黄色くなり、歯茎も赤く腫れてしまいます。歯の病気にかかると、おいしいものが目の前にあっても口が痛くて食べられないという状態になってしまいます。
そうすると、体もやせていき体力もなくなり様々な病気(内臓疾患・妊娠中の母犬は流産の原因)になる危険性があります。
ガムなどを食べさせて予防するという方法もありますが、ガムだけでは汚れや歯石は完全には取れません。逆に与えすぎて太ってしまうというデメリットがあります。
歯みがきはヒトと同様わんちゃん・ねこちゃんにとっても大切なことなので、そうならないように、
わんちゃんねこちゃんの歯の健康も飼い主様がしっかりとケアをしてあげましょう!口腔内疾患は肥満の次に多いといわれています。代表的な病気は「歯周病」です。
主な症状として
・口臭がする
・口の中が出血している
・柔らかいものを好み硬い食べ物を食べなくなる
・アゴや頬が腫れていたり穴があいている
などです。《歯磨きのやり方》
1.口の中を触らせてくれない子は、まず口の周りから触っていきます。
2.次に口をめくって歯茎が見えるようにします
3.指に湿らせたコットンや布を巻き、もう片方の手に少量のごほうびを持ちます(いつも食べているフード1粒で十分です)
4.その布を歯に1本だけ当てます
5.ごほうび(声・フードなど)をあげます
6.次にその歯を軽く一定の方向に磨きます(ゴシゴシこすると歯を傷つけてしまいます)
7.出来た時はその都度ごほうびや声で誉めてあげます歯は触れるけど歯磨きを噛んで遊んでしまう子は3番の方法で歯に物が当たることに慣れさせます。
これを長い時間かけて繰り返していき最終的には、ごほうびがなくても磨かせてくれるようにします。
以上が歯みがきの方法になります。【歯磨きの商品】
歯磨き粉です。これを指につけて磨いていただいても大丈夫です。
【協力犬:今日も可愛いハリーくん】