2011年2月の記事一覧
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今日のハリー☆
こんにちは、看護士の大澤です。
最近暖かい日があったり寒い日があったりしますが、ついに花粉が飛び始めましたね!
極度の花粉症な私にとってこれからの季節今回も読んでいただきありがとうございました_ _)〃♪
2011年02月27日(日) 投稿者 osawa | ハリー君日記, 立川市マミー動物病院ブログ
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西武立川駅(南口)
東京都立川市のマミー動物病院は西武立川駅から徒歩5分の場所にあります。アクセス方法はこちらになります。改札をでて左にすすんで線路をわたってすぐのところにあります。(ちなみに現在改札は1つしかありませんが、今後反対口にもできるそうです。)
よくJR立川駅と間違えられますが、西武立川駅は立川駅から車で約20分くらいの場所にあります。
立川駅とは違い駅の周りには何もなく、自然がいっぱいです。駅前に車は入ることができませんので、ハリー君のお散歩コースにもなっています。駅の南にはゴルフ場があります。
天気の良い日は、なんと駅前から富士山がみえます!
西武立川駅のホームから外をみるとこんな感じです。草原の中にキジもすんでいるそうです。
夕方は夕焼けがきれいです。意外と都内にでやすく、運が良いと新宿まで乗り換えなしに40分くらいで到着します。私も毎週のように使っています。
今、駅の改装中です。コンビニができるそうで楽しみです。
私の実家の最寄り駅はお隣の武蔵砂川駅で、大学生の時は毎日電車で西武立川駅を通過していました。辺り一面に東京とは思えない風景が広がり、のんびりとしていて良い場所だなと思っていました。10年たった今でもほとんど景色は変わっていません。
最初から私の実家の近くで開業しようと決めていたわけではなく、たまたま良いテナントが空いていたのでここで開業することになりました。まさかここで開業するとは思ってもいませんでした。
都心から帰ってくると本当に心が落ち着きます。自然がたくさんある閑静な場所で開業できて本当によかったです。
2011年02月26日(土) 投稿者 hagiwara | 立川市マミー動物病院・設備, 立川市マミー動物病院ブログ
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胸水・胸腔内腫瘍の画像診断(レントゲン・超音波診断)
2月16日は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「リンパ節、胸腔、腹腔の超音波診断、超音波ガイド下生検」についての講義に院長と参加してまいりました。今回は胸水・胸腔内腫瘍の画像診断(レントゲン・超音波診断)についてお話させて頂きます。
【胸水・胸腔内腫瘍の画像診断(レントゲン・超音波診断)】
★レントゲン検査→液体は白く空気は黒くうつります。
★超音波検査(エコー検査)→液体は黒くうつりますが、空気はよくうつりません。肺は酸素を交換するところで空気がたくさんある臓器なので、基本的にはよくうつらない臓器になります。しかし、胸腔内に液体が溜まっていると液体が黒くうつるため、肺や胸腔内の腫瘍などがよくみえるようになります。
【実際の症例】
★正常猫★
<胸部レントゲン検査>
心臓は血液が溜まっているため白くうつります。肺は空気が入っているため黒くうつります。
★胸水が貯留している猫★
<胸部レントゲン検査>
レントゲンで黒いはずの肺が白くうつっています。このような時は胸腔内に水が溜まっている(胸水)か、腫瘍の存在を疑います。
<超音波(エコー)検査>
胸水が貯留している時は、より詳しい精査のために胸腔の超音波検査を行います。エコーでは液体は黒くうつるので胸水は黒くうつります。超音波検査では、胸水貯留の程度や場所、腫瘍の有無などを確認します。
腫瘍がみつかりました。
超音波下で針生検したところ、「縦隔型リンパ腫」という悪性腫瘍でした。
★胸腔内に腫瘍がある猫★
<胸部レントゲン検査>
心臓の頭側に腫瘍が存在しています。
<超音波(エコー)検査>
超音波検査では内部に嚢胞を含んでいることがわかります。
超音波下で針生検したところ、胸腺腫疑いでした。
胸腔内のしこりや胸水の生検は超音波下で行うとより安全に行うことができます。画像診断(レントゲン・エコー)のみではしこりの診断名はつかないため、まずは針生検をお勧めしています。
ここ1年、胸水が貯留していたり、胸腔内に腫瘍がある子が立て続けに来院なさいました。呼吸困難に陥っている子が多いため、興奮させないように慎重に検査を行わなければなりません。
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猫の痒い皮膚病・皮膚スクリーニング検査
2月17日は東京農工大学のセミナーに参加してまいりました。勉強会は都内で行われることが多いため、いつもは電車で1~2時間くらいかけていくことが多いのですが、農工大学へは車で40分くらいで行くことができるので行き帰りの運転が楽でした。
今回は「猫の掻痒(=痒い)性皮膚疾患」についての講義に参加してまいりました。【猫の痒い皮膚病に対するアプローチ】
まずは、
①感染症(外部寄生虫(猫疥癬・耳疥癬・ツメダニ・ノミ)・皮膚糸状菌、マラセチアなど)を除外します。その次に、
②アレルギー性皮膚炎(食物アレルギー・アトピー性皮膚炎)または
③その他の皮膚疾患(自己免疫性皮膚疾患、ウィルス性皮膚疾患、深在性真菌症など)を除外します。わんちゃんも、猫ちゃんも「痒い=アレルギー」だと思われがちですが、実はアレルギーではなくて感染症であるケースが非常に多いです。よって、感染症はまず最初に除外しなければなりません。
感染症を除外するには以下の検査が必要になります。【皮膚スクリーニング検査】
①皮膚掻爬検査(スクレーピング検査)
皮膚をけずりとって顕微鏡でみる検査になります。
②スタンプ検査
セロハンテープなどで皮膚の表面の細胞をペタペタとって、染色して顕微鏡で観察します。
③真菌培養
毛を抜いて培地に置きます。糸状菌に感染していた場合、黄色い培地が赤色に変わります。
④細菌培養・同定・抗生物質感受性試験
中に入っている滅菌綿棒で患部をぬぐい、どんな菌が増えているか、菌が増えていた場合どんな抗生物質に対して反応があるかどうかを調べる検査です。
これらの検査は時間がかからず、動物にも負担もかからず簡単に行うことができるので、皮膚が痒いときにはまずこれらの検査をして感染症を除外することをお勧めします。
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友人の結婚式
本日は臨時休診にさせて頂き、院長と友人の結婚式に行ってまいりました。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
結婚式は代官山で開催されました。私は代官山に行ったのは生まれて初めてだったのですが、おしゃれなお店ばかりが並んでいて都会的でした。
結婚したのは大学時代の同級生で、同級生の中で一番早くに千葉で開業してがんばっています。彼は他の大学に行ってから獣医を目指し、麻布大学獣医学部に入り直したため私より5歳上になります。みんなのお兄さん的存在で、私は大学に入ってからすぐに友人になり、研究室も同じで、結局卒業した後もいろいろとお世話になっています。今でも2か月に1回、同級生で勉強会を開いて一緒に勉強しています。
【私の大好きないちごがのったケーキたち】
私は全ての食べ物の中でいちごが一番大好きです。甘くて食べやすくてかわいいからです。おいしそうなのでついついたくさんとってしまいました・・・
彼の幸せそうな姿がすごく印象的で、こちらまで幸せな気持ちになりました。
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犬の乳腺腫瘍
10歳のヨーキーの女の子が、乳腺のしこりを主訴に来院されました。今までの経過はこちらになります。
あまりにもしこりが大きくなってしまったので、歩くのも大変になってしまったそうです。
大きいしこりは2か所ですが、よく触診するとしこりは合計6個存在しました。
飼い主様とご相談した結果、状態が安定してから手術をすることにしました。
<摘出した乳腺>
摘出したしこりは、病理検査会社に提出します。
病理検査をする目的は、
①腫瘍の診断名
②悪性腫瘍だった場合、悪性度はどのくらいか
③腫瘍が完全に切除できているか
→悪性腫瘍はカニの足のように根をはりますので、表面だけ摘出しても摘出しきれていないことがあります。
④脈管内に腫瘍細胞の浸潤がないか→脈管内浸潤があると今後全身転移しやすいです。
⑤リンパ節転移がないかどうか→転移していると今後全身転移しやすいです。
などを調べるためです。
病理検査結果では2つは悪性腫瘍、4つは良性腫瘍と診断され、腫瘍は完全切除できていました。
ばんざいすると乳腺をよく観察できます。
すっかりきれいになって、よく歩けるようになりました。
わんちゃんの乳腺腫瘍は女の子の腫瘍としては最も多く(52%)、良性が50%、悪性が50%であり、約50%は多発性であるといわれています。
よって乳腺にしこりができた時は、早めに切除生検することをお勧めしています。
特に悪性腫瘍だった場合、下記の表のように腫瘍が大きくなればなるほど予後が悪くなるからです。
<腫瘍のサイズと再発率・転移率>
12ヵ月
24ヵ月
3cm未満
30%
40%
3cm以上
70%
80%
特に女の子のわんちゃんは定期的に乳腺を触診し、しこりがないかどうか確認することが大切です。基本的にわんちゃんの乳頭は左右に5個ずつで合計10個ついています。しこりができた場合は早期発見・早期治療が大切ですので、お早めにご来院ください。
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糖尿病(Ⅲ型糖尿病・二次性糖尿病)
10歳齢のヨーキーの女の子が、乳腺のしこりを主訴に来院されました。食欲が落ち、多飲多尿(お水をたくさんのみ、おしっこをたくさんすること)もあるようです。
各種検査を行い、「糖尿病性ケトーシスまたはケトアシドーシス」・「乳腺腫瘍」と診断しました。
ここで糖尿病について、簡単にお話しいたします。
<わんちゃんの糖尿病について>———————————————————————-
膵臓から分泌されるインスリンの作用不足に基づく代謝性疾患です。インスリンは生体で血糖値を下げる唯一のホルモンで、膵臓のランゲルハンス島B細胞で産生・分泌されます。インスリンの作用が不足すると糖・蛋白質・脂質代謝が障害され、筋肉や脂肪組織の糖利用率が低下し、血液中の糖が増え(高血糖)、尿中に糖が検出されます。
糖尿病はⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型糖尿病に分類されます。
*Ⅰ型糖尿病(インスリン依存性(IDDM))
β細胞からインスリンがでない。インスリン治療を生涯必要とする。
*Ⅱ型糖尿病(インスリン非依存性(NIDDM)):肥満猫に多い。
β細胞からインスリンがでているが、インスリンが効きにくくなっている。
*Ⅲ型糖尿病(ホルモン性・二次性糖尿病)
他の病気(副腎皮質機能亢進症・発情後(血中プロゲステロン濃度が上昇するため)など)が引き金になっておこる糖尿病。早期に糖尿病の原因になる病気を治療すれば根治することがあるが、進行するとⅠ型糖尿病になってしまうことがある。インスリンを投与しても血糖値が下がりにくい。
<発生>
わんちゃんの糖尿病は中高齢の女の子に多いです。(男の子より約2倍多いといわれています)なんとなく太っていると糖尿病になりやすそうですが、わんちゃんの場合、必ずしも肥満によって糖尿病になるわけではなく(猫ちゃんは肥満だと糖尿病になりやすいです)、免疫介在性疾患や膵炎が原因になっていることが多いです。
<症状>
肥満、削痩、多食、多飲、多尿→進行すると尿中にケトン(脂肪の分解産物)がでて(糖尿病性ケトーシスまたはケトアシドーシス)、昏睡状態になり死亡するケースもあります。
合併症には白内障、腎臓病などがあります。
<診断>
血液検査・尿検査など。
同時に全身精査を行い、糖尿病の原因になる病気や糖尿病を悪化させている病気がないか探します。
<治療>
①インスリン療法
②食事療法
③体重コントロール(特に肥満猫で)
④併発疾患(発情・炎症性疾患(慢性膵炎など)・内分泌疾患(甲状腺機能低下症・亢進症・副腎皮質機能亢進症)・感染症(口腔内・尿路系など)・腫瘍など)の治療
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このわんちゃんは、高血糖、尿糖を呈する以外に、尿中にケトン(脂肪の代謝産物)がでていました。(尿中のケトンの有無は尿試験紙で簡単にわかります。)
<尿試験紙>
ケトンがでていると尿スティック検査で「ケトン体」というところが紫色になります。
尿中にケトンがでている場合、緊急事態(糖尿病性ケトアシドーシス)もしくは緊急事態の一歩手前(糖尿病性ケトーシス)になります。
他に何か病気がないか精査したところ、現在ちょうど発情後で血中のプロゲステロン(黄体ホルモン)濃度が高いことが判明しました。
発情後には黄体から分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)によって、インスリンが効きにくくなり、「Ⅲ型糖尿病」に陥るケースがあります。血中プロゲステロン濃度が下がれば、自然と糖尿病が治るケースもありますが、このまま1型糖尿病に移行し、生涯インスリン治療が必要になるケースもあります。また今後糖尿病の治療中に発情すると、血糖コントロールが著しく困難になるため、可能な限り避妊手術(卵巣子宮摘出術)をした方がよいといわれています。また避妊手術によって糖尿病が根治する可能性もあります。
今回はもともと乳腺のしこりを主訴に来院されたのですが、腫瘍患者は中高齢の子が多いので、術前検査によって他の病気がみつかることがよくあります。今回も術前検査により糖尿病がみつかり、乳腺腫瘍より糖尿病の方が先に命に関わってくる可能性が高いため、糖尿病を第一優先に治療しました。
本来ならすぐに手術をした方がよいですが、状態が悪く麻酔リスクが高かったため、インスリンの投与によってある程度血糖値を下げ、尿中のケトンが消失してから避妊手術を行うことにしました。
インスリン治療を行う際、数時間毎に簡易血糖測定器を用い、血糖値を測定します。
<インスリン>
私は状態によって2種類のインスリンを使い分けています。
<簡易血糖測定器>
耳の辺縁を針で一瞬さし、血液を1滴だして血糖値を測定します。数秒で結果がでます。採血量が少ないため簡単に血糖値が測定できます。ある程度状態が落ち着いたら、飼い主様にこちらをお渡しして、自宅で血糖値を測定してもらっています。
次に、インスリンをうった時間と血糖値を表にします。(血糖曲線)
プロゲステロン(黄体ホルモン)濃度が高いため、インスリンの量を多くしてもなかなか血糖値がさがりませんでした。避妊手術をしたところ、術後1週にはインスリンの投与は必要なくなり、糖尿病は根治しました。
インスリンを投与してもなかなか血糖値がコントロールできない場合、大きく分けて3つの原因があります。下記の原因を1つ1つつぶしていくことが大切です。
<インスリンを投与しても血糖値をコントロールできない原因>
①注射技術の問題
②インスリンの問題(タイプ・投薬量・動物種・投与間隔)
③併発疾患(発情・炎症性疾患(慢性膵炎など)・内分泌疾患(甲状腺機能低下症・亢進症・副腎皮質機能亢進症)・感染症(口腔内・尿路系など)・腫瘍など)によるインスリン抵抗性
今回のように複数の病気がみつかった場合は、どの病気が一番先に命にかかわってくるか、生活の質を落としているかをよく考え治療をすることが重要です。
今年のお正月はこの子と過ごすことになりましたが、元気になって退院してくれてよかったです。糖尿病が落ち着いてから乳腺腫瘍の治療をすることになりました。糖尿病は病態が複雑なので、今回はつい文章が長くなってしまいました。乳腺腫瘍の治療については別の機会に記載しようと思っています。
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ハリーと雪☆
こんにちは、看護士の大澤です。
こないだは、ものすごい雪が降りましたね×д×;
次の日雪が積もっていたので雪を知らないハリーに【雪だるま】を見せてあげました☆
初めて見る雪だるまにちょっと怖がってましたがなんとか2ショット成功゜□゜v
(あっ倒れちゃった笑)
雪だるまが倒れてハリーのしっぽに当たってビックリしてました笑!
これからもいろんなものを見せてあげていきたいですねˆˆ
春になったら桜かな♪??
あったかくなったらドッグランにも連れて行こう!今回も最後まで読んでいただきありがとうございました_ _)〃
2011年02月17日(木) 投稿者 osawa | ハリー君日記, 立川市マミー動物病院ブログ
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ハリーが生まれた日☆
こんにちは。看護士の大澤です。
今日2月10日は、ハリーの誕生日です!!!
Happy Birthday to ハリー(*´∀`*)ノ+゜{おめでとう!!!
早いものでハリーももう4才になりましたˆˆ♪
人間でいうと・・・34才!!!驚)
小さい頃から見てきましたが、4才になっても性格なんかはな~んにも変わりません。(幼少期のハリー※この頃はまだペットショップに来ていません)
(今日4才になったハリー)
(なんか誇らしげですねー☆+゜ボッサボサですけど笑)
ずっと無邪気で、甘えん坊で、人見知り激しいままです笑
何度注意しても知らない人を見ると吠えちゃうし(自分が犬舎内にいるとき限定)、
トイレ覚えないし(これは諦めつつあります笑)、時々困ったちゃんですがやっぱり癒されることの方が多いんです♪
毎日楽しそうで、基本ニコニコしてます☆(時々ふてくされてますが笑;)
いつも癒してくれるハリーに感謝しております`・v・
今日まで大きな病気もなく健康にきてくれて本当によかったなと思います☆
これからも病気しないで元気に過ごしていってほしいですねˆˆ
2011年02月10日(木) 投稿者 osawa | ハリー君日記, 立川市マミー動物病院ブログ
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吐出と嘔吐
2月6日(日)は診察終了後、院長と横浜の勉強会に行ってまいりました。横浜までは片道2時間もかかり、移動ですっかり疲れてしまいました。
講義は内科と外科が1時間半ずつで、内科は消化器疾患についてのお話でした。今回は吐出と嘔吐についてご説明させて頂きます。
【吐出と嘔吐について】
*吐出
胃に到達する以前の食物が逆流して吐き出されること。
→食道に異常がみられることが多いです。(ただし胃腸の異常による嘔吐の後、二次的に食道炎になり、吐出がおこることもあります。)
*嘔吐
胃・十二指腸の内容物が口から吐き出されること。
→胃・十二指腸以降に異常がみられることが多いです。
吐出
嘔吐
吐物の内容
食べたもの
食物および胃液(±胆汁)
消化の程度
未消化物
一部消化~消化
吐物のpH
>4
<3
食後の経過時間
食後まもなく
様々
異常部位
咽喉頭・食道に多い
胃・十二指腸以降
上の表をみれば吐出か嘔吐か簡単に区別がつきそうですが、実際なかなか区別しにくいことも多く、同時におこっていることもあります。
吐いてしまった時は、食後すぐなのか、食べたものなのか、胃液は混ざっていないか、胆汁(黄色です)は混ざっていないかなどを確認して頂くことが大切です。万が一、吐いてしまった時は、吐物をお持ち頂ければ何かわかるかもしれません。
【下からみたハリー君】
いつも口があいてます。
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慢性腎臓病と食事療法
2月2日は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「慢性腎臓病」についての講義に院長と参加してまいりました。今回は慢性腎臓病についてお話させて頂きます。
慢性腎臓病の治療は多岐にわたりますが、今回は主に食事療法についてご説明させて頂きます。腎臓病の療法食の有効性についての論文を以下の表に記載いたします。
【慢性腎臓病の犬における食事療法】(Jacob 2002)
生存日数中央値
腎不全による死亡
食事変更なし
188日
65%
腎臓病療法食
594日
33%
*療法食を食べたわんちゃんの方が、余命が約3倍に延長しました。
*わんちゃんは1~2週間かけてフードを変更していくと、ほぼ100%成功するといわれています。
【慢性腎臓病の猫における食事療法】(Elliot 2000)
生存日数中央値
腎不全による死亡
食事変更なし
264日
69%
腎臓病療法食
633日
48%
*ねこちゃんも、療法食を食べた方が余命が延長します。
*ねこちゃんは数週間から1~2ヵ月間でフードを変更すると、90~95%程度で成功するといわれています。わんちゃんに比べ、ねこちゃんの方が食事を変更するのは大変です。ねこちゃんはわんちゃんに比べ、ごはんを少し変えただけで食べなくなってしまうことが多いからです。よって時間をかけて少しずつ変更していくことが大切です。
★まとめ★
慢性腎臓病のわんちゃん・ねこちゃんは、腎臓病用療法食をできるだけ早期から開始した方が長生きできます。
【慢性腎臓病と飲水について】
慢性腎臓病の子は脱水しやすいため、十分に飲水してもらうことが大切です。ねこちゃんは水に対する嗜好がはっきりしており、好みの水や好みの飲み方にこだわりがある場合が多いので、自宅で十分な量の水を常に飲めるように配慮することが重要です
慢性腎臓病の症状は多飲多尿、食欲不振、体重減少、嘔吐など多岐にわたります。高齢の猫ちゃんに多くみられる病気で、血液検査・尿検査などによって比較的診断しやすい病気になりますので、中高齢の猫ちゃんは定期的に血液検査・尿検査をすると早期発見ができるかもしれません。
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甲状腺機能亢進症
こんにちは。獣医師の萩原です。ご報告が遅れましたが、先月中旬に今年初めての勉強会に参加してまいりました。様々な「猫の疾患」についての講義だったのですが、その中でも比較的中高齢の猫ちゃんに多くみられる「甲状腺機能亢進症」という病気について講義を受けてきたのでご説明させて頂きます。
【甲状腺機能亢進症】
<臨床症状>
体重減少・多食・食欲不振・脱毛・多飲多尿・下痢・嘔吐・活動亢進・元気消失・呼吸速迫・落ち着きがない・攻撃的・疲労など
*以上のように様々な症状がみられることがあります。「体重減少・多食」が比較的多くみられますが、実際、「多食」を主訴で来院される飼い主様はほとんどいらっしゃいません。高齢になってから食欲が増した猫ちゃんは、まずこの病気を除外しておいた方がよろしいかと思います。逆に「食欲不振」という症状もみられるため注意が必要です。
<身体検査>
削痩、脱毛、皮膚脱水、頻脈、心雑音、パンティング
*この中で飼い主様が一番気づきやすいのは「削痩」だと思います。ハーハーしてしている(=パンティング)場合すでに循環器・呼吸器にも異常が出始めている可能性があるため要注意です。
<血液検査>
肝酵素の上昇が認められることがある。
*血液検査では何も異常がみられないこともあります。
<画像診断>
心肥大が認められることがある。
*心肥大の症状がなくても、画像診断上(胸部レントゲン・心エコー検査)ではすでに異常がみられることがありますので、検査をお勧めしております。
<診断>
甲状腺ホルモンの測定
*外注検査になります。検査結果は2~3日ででます。
<治療>
内科治療:抗甲状腺薬の投与
外科的手術:甲状腺の摘出
*各々、メリット・デメリットがありますので、ご相談の上決定させて頂きます。
<予後>
併発疾患によって大きく左右されます。慢性腎不全(これも中高齢の猫ちゃんに多い病気です)が併発している場合、甲状腺機能亢進症を治療することで慢性腎不全が悪化することがあります。このような場合には慢性腎不全に対する維持治療をしっかりと行います。
*この病気になった猫ちゃんは痩せていて目がぎらついていることが多いといわれています。下の猫ちゃんは甲状腺機能亢進症の猫ちゃんです。
【メイちゃん・19歳・女の子】
この子は治療を開始してから1年半になります。頑張ってお薬を飲んでいるため、甲状腺ホルモンはある程度落ち着いてくれています。
ちなみにこの病気は1979年に初めて報告されました。今では猫ちゃんの内分泌疾患の中で発生頻度の高い疾患になっています。現在のように一般的な病気になった原因は、診断技術の進歩、猫ちゃんの高齢化など様々な要因が関与しているといわれています。獣医学の進歩によって、昔は診断されなかった病気が診断できるようになってきているのです。獣医学は日進月歩なので、いつまでも勉強し続けないと知識が遅れてしまうのだろうなと思う今日この頃です。
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2月・3月の臨時休診日&診察時間変更のおしらせ
2月20日(日)
友人の結婚式のため休診
2月27日(日)・3月6日(日)
心臓疾患の超音波研修のため診察時間短縮→9時から10時までの診察になります。
3月12日(土)
学会参加のため休診
ご迷惑おかけいたしますがよろしくお願いいたします。
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ハリーと本
こんにちは、看護士の大澤です。
/病気と食事』という本が届きました^^
内容はフードのこと、
病気のこと、
役に立つ情報など
いろいろなことが書いてある本です。
全ページがカラーでマンガやイラストを使って書いてありますので、飼い主様にもとても読みやすいものとなっています。
こちらは当院の待合室に置いてありますので、ご自由にご覧下さい。
今日のハリーです♪
相変わらずとても元気でこの時も犬舎から出したら飛んで喜んでました笑
カメラにもすっかり慣れたようで目線もバッチリ頂きました^^♪
こちら『バーン』の格好です笑
最近『バーン』って言ってないのにひっくり返るようになりました!
手を出して『タッチ』することもできます!
今日はカメラ目線のサービスまで笑!!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました_ _)〃
2011年02月03日(木) 投稿者 osawa | できごと, ハリー君日記, 立川市マミー動物病院ブログ