2010年2月の記事一覧
-
ステロイド
本日は診察終了後、「ステロイド」についてのセミナーに参加してまいりました。
医療現場で使用する「ステロイド」とは一般的に「副腎皮質ホルモン(グルココルチコイド)」を指します。抗炎症作用や免疫抑制作用などを期待して使用します。
ステロイドは皮膚疾患をはじめ、眼疾患、血液・骨髄疾患、消化器疾患、循環器疾患、呼吸器疾患、泌尿器疾患、整形疾患、神経疾患、歯科疾患、腫瘍などあらゆる分野で使用されています。
副作用は短期に使用した場合は多飲多尿、多食など、長期に使用した場合は医原性クッシング症候群、糖尿病、膵炎、消化管潰瘍、感染症にかかりやすくなるなどの副作用がみられることがあります。当院で使用しているステロイドが入ったお薬を集めてみました。探せばもっとあるかもしれません。注射液、錠剤、点眼剤、軟膏、クリーム、噴霧剤など様々な種類があります。
また、効果の持続時間や強さによって、お薬を使い分けています。「ステロイド」というと、皆さん、怖いイメージを抱かれる方が多いと思いますが、量を守って短期間の使用であればそこまで強い副作用はなく、効果が期待できるお薬になります。
2010年02月28日(日) 投稿者 hagiwara | 勉強会, 立川市マミー動物病院ブログ
-
わんちゃんの痴呆
こんにちは。獣医師の萩原です。本日は「子犬と老犬の問題行動」についてのセミナーに参加してまいりました。
わんちゃんの高齢化現象が進むとともに、高齢に伴う疾患が重要になりつつあります。その中でも飼い主さんの日常生活に多大な影響を与える疾患の1つが痴呆です。
今回は老犬の問題行動の1つである「痴呆」についてご説明させて頂こうと思います。【わんちゃんの痴呆について】
症状は大きな抑揚のない一本調子な鳴き声が続く、昼はほとんど寝ているのに夜起きだす(昼夜逆転)、夜中に放浪を始める、狭い所に入っては鳴く、トイレの失敗、といったものがあります。*下記のうち2項目以上当てはまる13歳以上のわんちゃんは痴呆の疑いがあります*
①夜中に意味もなく、単調な大きな声で鳴きだし制止できない。
②歩行は前にのみトボトボ歩き、円を描くように歩く。
③狭い所に入りたがり、自分で後退できないで鳴く。
④飼い主、自分の名前、習慣行動がわからなくなり、何事にも無反応。
⑤よく寝て、よく食べて、下痢もせず、痩せてくる。日本では痴呆犬の7割以上が柴犬および日本犬系雑種で占められているともいわれています。原因ははっきりわかっていません。
現在、痴呆自体を根治できる治療法はなく、治療は主に対症療法になります。例えば夜鳴いて眠らない時には、睡眠導入剤などを使用して睡眠を助けてあげます。また、痴呆のわんちゃん用のサプリメントや療法食もでています。
【実家の愛犬ゴンちゃん(12歳・柴犬)】
私が大学1年生の時に飼い始めました。
もうすぐ13歳になります。
13歳以上の柴犬といえば他の犬種に比べたら痴呆になる確率が高いですが、いつまでも元気でいてほしいです。ソファーがお気に入りです。
気持ち良さそうにねています。
-
白内障
こんにちは。獣医師の萩原です。本日は夜から東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「視覚消失性疾患(失明)」についての講義に参加してまいりました。今回は「視覚消失性疾患(失明)」の1つである「白内障」についてご説明させて頂こうと思います。
【白内障について】
まず、正常な眼の模式図を下に示します。白内障とは「水晶体」の病気になります。
白内障は、蛋白の変性、線維の膨化等により水晶体が混濁(白濁)した状態で、進行すると視力に影響を与え、失明の原因にもなります。わんちゃんにも比較的高頻度にみられる疾患です。
これには先天性と後天性のものがあり、後天性の白内障として、発症した年齢により4歳以下で発症する若年性白内障、5~6歳になると発症する老年性白内障に分類されます。
また、白内障の進行の順に①初発白内障 ②未熟白内障 ③成熟白内障 ④過熟白内障に分けられます。
①初発白内障:水晶体の一部にわずかな混濁がみられるもの。ほとんど視覚には影響しない。(10~15%以下の混濁)
②未熟白内障:水晶体は膨張し、混濁はあるがまだ視覚があるもの。(10~99%の混濁)
③成熟白内障:水晶体が完全に白濁して視覚を失ったもの。(100%の混濁)
④過熟白内障:水晶体の硬度が増し、水分が減少して小さくなったものなど。【治療】
①内科療法
点眼などによって白内障の進行を阻止、遅延させるもので、治癒させるものではありません。【当院で使用しているライトクリーン(ピレノキシン)(犬老年性初発白内障進行防止剤)】
1日4~5回点眼します。
②外科療法
治癒させ、視力を回復させることが目的です。
超音波により水晶体を乳化・吸引し、眼内レンズを移植します。白内障の手術には特殊な機械・技術が必要になるため、ご希望があれば大学病院もしくは眼科専門の病院をご紹介させて頂きます。
今回は白内障の機械や手術の方法についての講義もありました。今は機械の性能が向上していて、成功率も高くなっているようです。高齢のわんちゃんで、「最近、眼が白く濁ってきた」ことを主訴に来院なさる方が増えてきています。実際診察してみると、白内障と見え方が似ている「核硬化症」という加齢に伴う生理的変化であることもあります。「核硬化症」によって生活に支障をきたすほどの視力障害をおこすことはないため、治療の対象にはなりません。
このような症状がみられましたら、お早めにご相談くださいね。
2010年02月24日(水) 投稿者 hagiwara | 勉強会, 眼科, 立川市マミー動物病院診療日記
-
いろいろなハリーくん
こんにちは。看護士の大澤です。
今日はいろんな角度のハリーを撮ってみました。
まず①真上からのハリーです↓次に②あまり撮ったことのない真横
なかなかかっこいいです^^♪
これが本来のハリーです笑また口が・・・
③逆の真下から↓
3パターン撮ってみましたがやっぱり全部口、開いています(笑)
④待つハリー☆
とってもおりこうさんです☆
⑤いつもの可愛いハリー*^^*
こないだシャンプーしたばかりなのにもう毛がクルクルでボサボサしてます・・・;
⑥ひょっこり♪
これでハリー写真集を終わります。
【近況】
最近ハリーが『ねんね』が出来るようになりました^^(ねんねっていうと横に寝ます笑)
本当は『バーン』で教えようと思ったのですが なかなか難しくてなんとなく言った言葉でそのまま毎日繰り返したら出来るようになりました!2010年02月23日(火) 投稿者 osawa | ハリー君日記, 立川市マミー動物病院ブログ
-
ダイエット中です。
こんにちは。看護士の大澤です。
今日は、ハリーの体重と体脂肪を計ってみました^^♪
以前もお話しましたように、少し横に太くなってしまったハリー・・・
前々回1月26日の体重が13.1kgで前回2月6日の体重が12.9kgでした☆
さて今回の体重は・・・減っていてほしかったのですが見た目また横に増えたような気がしなくもなくでしたがでも実際は12.9kgで前回と全く変わらず^^;
増えていなかったのはよかったと思います☆
次に、体脂肪も計りました。
2回計って1回目は40%で2回目が41%でした☆どのような結果かと言いますと・・・
見た目でもそうなんですがやっぱり太り気味枠でした;
最近天気が悪かったり忙しかったりでハリーの散歩に行ってあげれてないので少しフードの量を減らしてダイエット頑張ります☆【フラッシュが眩しかった顔のハリー^^】
-
腹部超音波研修5回目~胃・腸・膵臓の超音波検査~
こんにちは。獣医師の萩原です。2月10日(水)は院長と横浜で開催されているiVEAT 超音波研修に参加してまいりました。本日は胃・腸・膵臓についての研修でした。
【胃・腸】
食べ物は口から入った後、食道→胃(噴門→胃底部→胃体部→幽門)→小腸(十二指腸→空腸→回腸)→大腸(盲腸→結腸→直腸)へと流れていきます。
胃・腸の超音波検査では壁の肥厚の有無、構造の異常、異物・腫瘤・重責の有無、蠕動運動などに注目して観察します。
【胃・腸の壁の厚さ】
消化管
犬
猫
胃
6mm
4mm
十二指腸
5mm
4mm
空腸・回腸
4mm
3mm
結腸
2mm
1.5mm
上記の数値より壁が厚い場合、壁の肥厚とみなします。
【正常な十二指腸の超音波検査画像(犬)】
十二指腸の厚さは3.7mmです。正常は5mm以下なので正常になります。
【異常な回腸の超音波検査画像(猫)】
回腸の厚さは8.2mmです。正常は3mm以下なので、壁が厚いことがわかります。
手術で摘出したところ回腸腺癌でした。
【膵臓】
膵臓は異常がないと超音波検査では描出できないことが多いです。膵炎に罹患すると周囲の脂肪が高エコー(白くなる)になるため、観察しやすくなります。
消化管はガスを多量に含んでいる臓器であるため、超音波検査の前には絶食が必須になります。
-
ドッグラン☆デビュー
こんにちは。看護士の大澤です。
2月10日(水)は、マミー動物病院のアニマルスタッフ・ハリーの3才の誕生日でした☆
その記念に病院もちょうど休診日だったので、昭和記念公園で『ドッグランデビュー』しました♪
昼間外に出ること・車に乗って出かけること・外で遊ぶこと全てが初めての体験で
まず車に乗せてみたら緊張してました笑)後ろの窓を開けたら外を不思議そうに見てました。
幸い心配していた車酔いすることもなく到着。
この日は天気も悪く平日だったからかほとんど人がいませんでした。(ドッグランは貸切状態)ドッグランでハリーは小型サイズみたいで【一般エリア】【小型犬専用エリア】どちらにも入れるそうでハリーは今回【一般エリア】でデビューすることにしました。
地面は土と草でいくつかアジリティーもあり、さっそくハリーのリードを外してみましたが緊張したのか、どうしたらいいのか分からず
横にピッタリくっついてました笑試しにアジリティーで遊んでみようと思い誘導したのですがうまくいかず唯一出来たのがハードルでした☆
【アジリティーの上で動かなくなるハリー】
元々”ジャンプ”が出来る子なのですぐに覚えてくれました。最初は1番低い高さから始めて4個目くらいまでなら飛べるようになりました♪
【奇跡の1枚・・・かっこよく見えます^^】
しかしそれ以上高くなると下をくぐってしまいます;
しばらく遊んでいたら小型犬のわんちゃんが2匹来て1匹のわんちゃんが1歳3ヵ月ですごく社交的な子でハリーのことも
誘ってくれたのですがなかなかうまく遊べず人の横にくっついたまま・・・。でも少しずつ近づいて行って後半には一緒に走り回ってました^^
人が苦手なのはすぐには変わらずそのわんちゃんが飼い主さんの近くに行くと戻ってきてしまいます。
これもこれから少しずつ克服できたらいいなと思いました☆そしてドッグランを後にして公園内をお散歩することに。
花壇の前や噴水の前で写真を撮ってみたり【噴水の音がすごく気になってました☆】
のんびり歩いたり他のわんちゃんにあいさつしたりしていたら広い原っぱとアスレチックがある公園に着きました☆
ここはわんちゃん連れてても外でご飯が食べられるので遅めのお昼休憩。ずっと天気も悪くハリーも寒そうだったのでマフラーして帰ることにしました。
そして出口近くで遠くにハリーと同じシェルティーを見つけて相手の方も気にしてくださったのであいさつに行きました。
その子は11才の女の子で落ち着いててすごく可愛かったです^^♪
ここで1つ小さな珍光景!極度の人見知りハリーがその飼い主さんに、吠えも唸りもしなかったことと鼻先だけですが触らせたこと。
人の後ろに隠れてしまうのは相変わらずなのですがこれは本当に珍しいと思いました^^病院に帰って来てからも特に体調崩すこともなく無事ドッグランデビューを果たしました♪
これから暖かくなるので、いろいろな所に連れて行っていろいろな物を見せて行動の幅を広げたいと思いました^^♪ -
2月14日(日)院長の診察は休診にさせて頂きます
2月14日(日)は院長が学会に参加するため、診察は副院長のみが行います。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。 -
褥創(床ずれ)
本日は夜から東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの褥創についての講義に参加してまいりました。
褥創(床ずれ)は体の一部に「持続的な圧迫」が加わることで、その部分の皮膚や深部の組織の血行が阻害され、虚血性の壊死が生じることで引き起こされます。【褥創のできやすい部位】
横向きに寝たきりの場合には、肩関節、大腿骨の大転子、頬部(ピンクで塗った場所)に深い褥創が出来ます。また肘や膝、手首足首などの可動性のある関節突出部(緑で塗った場所)には摩擦により浅い褥創が出来ます。【褥創の管理方法】
褥創は「持続的な圧迫」が原因で生じるので、圧迫を解除することが重要です。*除圧について
低反発マットを使って圧迫を解除(除圧)します。昔はドーナツ型の褥創パッドを使用していましたが、今では褥創パッドの圧迫により褥創周囲の血行を悪化させ、より深い壊死や新たな褥創を作り出す危険性があるため、褥創に対して使うべきではないといわれています。*体位変換について
人の褥創対策では以前は2時間毎の体位変換が推奨されていましたが、最近では高機能マットなどによる除圧法の改善により、頻繁な体位変換は必要ないといわれています。体位変換により新たな褥創を作り出す危険性も指摘されています。動物の場合もマットによる除圧が適切にできている場合には体位変換は最小限で良いだろうといわれています。*創傷管理
消毒はせず、乾燥させず、創面とその周囲を清潔に保つ(褥創周囲の毛を刈り、生理食塩水または水で洗う)ことが重要です。昔は褥創の治療は、体位変換を頻繁に行い、褥創パッドを用い、消毒をして、ガーゼをあてて乾燥させるのが基本であり、今と真逆のことが行われてきました。医学も獣医学も昔は当然と思われていた治療法が、今になって否定されることがよくあります。日々進歩する獣医学を学び続けなければと思いました。
寝たきりで動けないことにより褥創が発生するので、再発を防ぐための一番の方法は寝たきりの状態を改善することです。しかし、寝たきりの子を活発に動かす事は困難であるため、褥創を根治させることは非常に難しいと言われていますが、なかには飼い主さんの努力によって治った子もいます。褥創でお困りの方はお気軽にご相談下さいね。
-
シャンプーしました
こんにちは。看護士の大澤です。
6日の土曜日にブラッシング・足裏と肛門周りにバリカン入れて足周りカット・爪きりをしておきました。
シャンプーの後にやると時間がかかってしまうのでいつもシャンプーの前日などにやっています。
看護士として働き始めてからハサミを持っていなかったので、かかと部分のカットと足周りのカットがすごいことになってしまいました;
専門学校に行ってたときは週に何回かトリミングの実習があったのでまだよかったのですが今は全然出来ません。。。
ハリーがおとなしくしててくれるのでとても助かります。今日はお昼休みにハリーのシャンプーをしました♪
犬舎から出したときはとても嬉しそうでシンクに入れたら一気にテンションが下がり・・・首がうなだれます笑)
耳や前の毛を乾かすのが嫌いで1番時間かかっちゃいました。
終わって写真を撮った時すごく疲れちゃったみたいで目を開けてはいるのですが見た目からして眠いのが分かりました;(時々半目に・・・)この後すぐ犬舎にもどっておやすみ~
ハリーくん本当にお疲れ様でした☆
明日はハリーの3才のお誕生日です^^♪
誕生日前にシャンプーで綺麗になってよかった! -
腫瘍診断・治療について
当院では昨今わんちゃん、ねこちゃんで増えつつある腫瘍疾患に力をいれております。今回は腫瘍疾患の診断・治療についてご説明させて頂きます。
がん(悪性腫瘍)といっても進行度に応じて根治可能で治せるがんもあれば、治せないがんもあります。また根治不可能ながんでも、治療することにより症状が緩和されることがあります。【がんの臨床的病期】
<1期>
がんが限局し、完全な外科的切除や補助的化学療法などにより根治可能と思われる段階。
治療目的:がんを治すこと→積極的な外科治療や抗癌剤療法を勧めます。
<2期>
がんの完全な外科切除など根治的治療は不可能だが、全身状態が比較的良好で抗癌剤の投与や対症的手術により良好なQOL(生命・生活の質)が期待できる段階。
治療目的:がんの増大や転移などを抑制し、がんと共存して良好なQOLを維持すること。
<3期>
遠隔転移等による症状が出現した末期がんの段階。
治療目的:一般的な対症療法により、苦痛を軽減すること。【腫瘍診断の進め方】
1. 問診:年齢・病歴・腫瘤(しこり・マス)の発現時期・増大傾向・過去の治療歴の有無と反応。
2. 視診・触診:腫瘤の大きさ・色調・周囲への浸潤性・所属リンパ節の大きさ・硬さ・固着の有無。
3. 細胞診:細い針で腫瘤を刺し、採取された細胞を顕微鏡で観察します。良性悪性の判定、腫瘍の種類がわかることがあります。
4. レントゲン・超音波検査:腫瘤の構造や周囲組織への影響・肺や肝臓などへの遠隔転移の有無。他、心臓、肺、肝臓、腎臓、骨などの併発疾患の読影。
5. 血液検査:重要諸臓器機能や全身状態を評価。腫瘍随伴症候群の有無。
*腫瘍診断はがんの進行度と部位・症例の全身状態を十分に把握することが重要であるため、レントゲン・超音波検査・血液検査など、一通りの検査が必要になります。【腫瘍治療】
それぞれの治療法にも利点・欠点があります。また、腫瘍の種類によって効果のある治療法が異なってきます。腫瘍の種類や進行度によって様々な治療法をご提案させて頂きます。1. 外科療法
*利点:腫瘍減容積効果は最大。麻酔は1回。
*欠点:解剖学的・器質的欠損。強い侵襲。2. 放射線療法
*利点:解剖学的・器質的温存。外科困難な部位(脳・心臓など)でも可能。化学療法より細胞致死効果大。
*欠点:頻回の全身麻酔が必要。装置・人員が必要。3. 化学療法(抗癌剤):腫瘍の種類によって使用する抗癌剤を選びます。
*利点:装置・人員が不必要。散布された腫瘍細胞に有効。
*欠点:減容積効果低い。頻回の治療が必要。この3つの治療法が腫瘍治療の3本柱になります。
-
寒がりのハリー君
こんにちは。看護士の大澤です。
最近一気に寒くなりハリーはお散歩中、横断歩道で待っている間震えています。。。
(服着てマフラーしてあたしよりあったかそうなのですが笑)
犬舎の中はタオルとベッドを置いているのですが最近先生たちからあったかい毛布をもらいました☆
今はその上で気持ちよさそうに寝ています。昨日ハリーのお散歩用の服を見に行ったのですがハリーが着れるサイズがなく諦めて帰ってきました;;
可愛いのはたくさんあったんですけどみんな小さいわんちゃん用でした☆
カッパならハリーサイズもいっぱいあったんですけどね笑)
早くあったかくなってくれるといいですね。 -
回盲結腸部に発生した猫の小腸腺癌
猫 メス 11歳齢
主訴:半年前から2日に1回~1日2回位吐いている。体重減少。腹部触診にて右上腹部にマス(しこり)を触知しました。精査のため一通りの検査を行ったところ、超音波検査にて右上腹部の腸壁が8.2mmと肥厚していることがわかりました。(正常な回腸の壁は3mm以下です)
その後、マス(しこり)の場所をより詳細に調べるために、バリウム造影検査を行いました。食べ物は口→食道→胃→小腸(十二指腸→空腸→回腸)→大腸(盲腸→結腸→直腸)→肛門を通過し、便になります。この子の場合は小腸(回腸)末端までバリウムはスムーズに通過していくのですが、小腸(回腸)末端~大腸にかけての通過性が悪いため、マス(しこり)はその近辺にある可能性が示唆されました。
飼い主さんと相談し、後日試験開腹を行うことになりました。マス(しこり)は回腸末端に存在しました。回盲結腸部を切除し、腸を縫い合わせ、閉腹しました。
摘出した腸(回腸末端~盲腸~結腸)です
腸をあけると、回腸末端にはビニル袋などの異物がたくさん詰まっていました。
それらを取り除くと回腸粘膜にマス(しこり)があるのがわかりました。病理組織検査で「小腸腺癌」と診断されました。
回腸末端に癌ができたことによって通過しにくくなり、癌ができた前方の回腸に異物が詰まりやすくなり、不完全閉塞をおこし、連日のように吐いていたのだろうと思われます。
術後2週間経過し全抜糸しました。術後嘔吐は一度もみられず、体重も増えてきています。非常に順調です。
わんちゃん・ねこちゃん共に「高齢になってからよく吐くようになった」と相談をうけることがあります。そのような場合、まずは腎不全・肝不全・甲状腺機能亢進症など血液検査でわかる病気を除外して、レントゲン検査・超音波検査などによって腹腔内を精査します。「毛玉を吐いているのだから大丈夫だろう」と思い、来院が遅れて気づいた時には手遅れになってしまうケースがあります。お腹の中のしこりは外からみえないため発見が遅れがちです。吐いたり体重が減るには何か原因があるはずです。このような症状がみられましたらお早めにご相談ください。【小腸腺癌とは】
小腸にできた悪性腫瘍です。シャム猫に多く、ほとんどは回腸に発生するといわれています。食欲不振・嘔吐・体重減少・下痢・メレナ・しぶりなどの症状がみられます。転移(腸間膜リンパ節・肝臓・肺転移など)が高率にみられますが、手術で通過障害がある部分を切除することによって長期生存が得られることがあるといわれています。