Skip to content


キアリ様奇形

2009年10月の記事一覧

  1. キアリ様奇形

    本日は夜から東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズに参加してまいりました。本日は「脳疾患」についての講義でした。
    脳疾患は原因により大まかに7つに分類されます。その頭文字をとって、「DAMNIT-V」と呼ばれています。
    D (degenerative) 変性性:蓄積病・てんかんなど
    A (anomaious) 先天奇形:水頭症・小脳形成不全・キアリ奇形・脊髄空洞症など
    M (metabolic) 代謝性:肝性脳症・低酸素脳症・尿毒症・低血糖脳症など
    N (neoplastic) 腫瘍性:脳腫瘍・脊髄腫瘍・転移性腫瘍・末梢神経腫瘍など
    I (inflammatory) 炎症性:肉芽腫性髄膜脳脊髄炎など
    (infectious) 感染性:ジステンパーウィルス脳炎・細菌性髄膜炎など
    (idiopathic) 特発性:てんかん・特発性三叉神経炎など
    (iatrogenic) 医原性:医原性クッシング症候群など
    T (traumatic) 外傷性:頭部外傷・脊髄損傷など
    (toxic) 中毒性:殺虫剤など
    V (vascular) 血管性:脳梗塞・脳出血・脊髄梗塞など

    本日は、この中で主にD (degenerative) 変性性疾患とA (anomaious)
    先天奇形についてのお話でした。今回はこの中のA (anomaious)
    先天奇形に分類される「キアリ様奇形」についてご説明させていただきたいと思います。
    「キアリ様奇形」とは小脳扁桃が脊柱管内に陥入してしまう奇形で、「偽小脳ヘルニア」とも呼ばれています。水頭症や脊髄空洞症といった脳疾患を併発することもあります。犬種はキャバリア・キングチャールズスパニエルに圧倒的に多いといわれており、キャバリア・キングチャールズスパニエルの7~8割は、臨床症状はないのですが、キアリ奇形をもっていると言われています。奇形疾患は比較的若齢時での発症・診断が多いと言われておりますが、この病気は比較的中齢(5~6歳)に診断されることが多いそうです。臨床症状として、発作・斜頚・前肢の軽度不全麻痺~四肢不全麻痺・知覚過敏・側湾症(背骨を曲げる)などの一般的な神経症状がみられることもありますが、特徴的な症状として皮膚病変がないにも関わらず頚部を異常にひっかく行動がみられ、ひどくなると頚部痛をおこすとも言われています。診断は主にMRI検査になり、治療は内科的にお薬で付き合っていく方法と外科的治療があります。
    頚部をひっかく症状が、まさか頭の疾患だとは思いにくいですよね。皮膚病や外耳炎がないにも関わらず、しきりに首をひっかいている症状がみられましたら、お気軽にご相談ください。

    2009年10月28日(水) 投稿者 hagiwara | 勉強会, 脳・神経科

  2. 病院前の花を植え替えました

    本日10月28日水曜日は休診日で、午前中私の実家がある武蔵村山市から母が遊びにきてくれました。武蔵村山市から立川市にくるとなるとすごく時間がかかりそうですが、当院は武蔵村山市と立川市とのちょうど境界にあるため、車を使えば10分くらいで実家と行き来が出来ます。そのためいざという時は母が来てくれてとても助かっています。
    当院の入り口には開業時から先輩や同僚にいただいたサフィニアなどを飾っていました。私は今まで花を育てたことがほとんどなかったのですが、だんだんと花をいじるのが楽しくなってきて、あっという間に病院の前は花だらけになりました。しかし秋になってそれらが徐々に枯れてしまったため、花に詳しい母に手伝ってもらって冬から春にかけて咲く花に植え替える事にしました。
    お昼を昭島市のレストランで食べた後、同じく昭島市のカインズホームに行って花と土を買ってまいりました。たくさんの花があり、どれにしようか母と二人で悩みましたが、かわいらしいパンジーとガーデンシクラメンを購入し、植え替えました。

    091028

    きれいに咲いてくれるのが今から待ち遠しいです。

    2009年10月28日(水) 投稿者 hagiwara | できごと

  3. 僧帽弁閉鎖不全症(ISACHC分類(心不全の機能分類))

    10月4日(日)、午前診療終了後、新宿で開催された日本獣医生命科学大学の竹村先生の心臓病の勉強会に行ってまいりました。

    僧帽弁閉鎖不全症の病態・診断・管理についての講義です。この心臓病は主に中・高齢の小型犬に多いといわれています。当院においても開業してからの半年間に、僧帽弁閉鎖不全症と診断し、治療をしているわんちゃんが数頭おり、新しい知識を得てよりよい診断・治療が行えればと思い、参加しました。

    まず、心不全症例は重症度に応じ以下のように分類されます。
    【ISACHC:心不全の機能分類】
    Ⅰ. 無症状
    Ⅰa:心疾患の所見あり。心拡大なし。
    Ⅰb:心疾患の所見あり。心拡大あり。
    Ⅱ. 軽度~中程度の心不全
    安静時・軽い運動で心不全症状が出現。QOLを障害。
    Ⅲ. 進行した心不全(重症心不全)
    Ⅲa:自宅療法が可能
    Ⅲb:入院が推奨(心源性ショック・生命を脅かす浮腫・大量の胸水、難治性腹水)

    これらの病期に応じ、薬を処方します。この日の講義にでてきたお薬はなんと12種類!病期が進むにつれ、2種類、3種類・・・というようにお薬を併用していくわけです。
    最近、咳をするようになった、呼吸が速くなった、疲れやすくなった、突然倒れるようになった・・・などの症状がみられましたら、心臓病かもしれませんので、お早めに御来院下さい。

    2009年10月15日(木) 投稿者 hagiwara | 勉強会, 循環器疾患

  4. 慢性腎臓病

    獣医師の萩原です。私は9月26日(金)の午後から28日(日)までお休みを頂き、第11回日本臨床獣医学フォーラム年次大会という学会に参加してまいりました。

    セミナーは朝から晩までに及び、内科学、外科学、腫瘍学、循環器病学、泌尿器病学など各分野の有名な講師の先生方が講演をしてくださいました。

    特に慢性腎臓病の講義は勉強になりました。高齢になると、わんちゃんもねこちゃんも腎臓病になる確率が高くなってきます。腎臓病の早期発見には尿検査、血液検査が重要になります。腎臓病の症状として、多飲多尿(おしっこをたくさんして、お水をたくさんのむ)、食欲不振、嘔吐、下痢、便秘などがありますが、症状がでて来院する頃にはすでに手遅れになっていることも少なくはありません。ですから、早期発見・早期治療のためには、特に中高齢になったら定期的に診察させて頂き、身体検査・尿検査・血液検査などさせて頂くことが重要になってきます。治療法にはACE阻害薬といわれる血管拡張薬の内服、腎臓用療法食、点滴などがあるのですが、今回の講義ではACE阻害薬による内科治療の重要性について再認識いたしました。

    獣医学は日進月歩で、常に勉強し続け、新しい知識をいれていかなければいけないと再認識しました。

    2009年10月09日(金) 投稿者 hagiwara | 勉強会, 泌尿器疾患

  5. 新しい超音波診断装置を導入致しました

    10MHzに対応できるプローブを使用したカラードップラー超音波診断装置アロカSSD3500を導入致しました。
    超音波診断の精度がこれまでの物より大幅にあがり、より的確な画像診断を行えるようになりました。
    マミー動物病院はこれからも病院内設備、医療機器の充実に努めます。

    2009年10月07日(水) 投稿者 teramoto | お知らせ

  6. スタッフが増えました

    9月から動物看護士の大澤希美さんが加わりました。
    今日は、大澤さんから皆様にご挨拶させていただきます。

    「初めまして。9月から動物看護士として働かせていただくことになりました、大澤と申します。神奈川県相模原市から車で八王子市→日野市→昭島市→立川市を通って、通勤しております。まだ慣れないこともありますが飼い主様やわんちゃん・ねこちゃんに信頼していただけるよう一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします。」
     動物看護師  大澤

    2009年10月05日(月) 投稿者 teramoto | できごと