Skip to content


しつけ2 食糞について

2009年11月の記事一覧

  1. しつけ2 食糞について

    こんにちは。看護師の大澤です。
    第2回目は仔犬の時に多く見られる【食糞】についてのしつけをご紹介させていただきたいと思います。

    まず【食糞とは何か?】
    これは文字通り自分の排泄物を食べてしまうことを言います。この行動を異常なのではないかと心配される飼い主さまが多くいらっしゃいますが、わんちゃんにとっては正常な行動です。
    この食糞はわんちゃんにとっては栄養補助食品的なもので仔犬や若犬に多く見られます。
    その他にも食べる理由として退屈だというサインともいわれています。だいたいのわんちゃんは、成犬になるにつれて食べることをしなくなりますが稀に大きくなっても食べ続ける子もいます。

    しかし、いくら正常な行動と言われても見てる方は嫌悪感を感じてしまいますし、この食糞を許してしまうと自分のだけではなく外でお散歩している時などに他の子の排泄物まで食べてしまう可能性があります。
    もし他のわんちゃんの排泄物を食べてしまって1番恐いのは【寄生虫に感染してしまうこと】です。
    そういったことを予防するためにも食糞行動が見られたときにきちんとしつけておくことが大切です。なので食糞行動を止めるようにしつけていきたいと思うのですが、この行動を止めさせるのは他のしつけより少し難しいと言われていますので根気よく続けていただきたいと思います。

    《対処法》
    1.排便したらわんちゃんの見ていない間に片付ける→見ている前で片付けてしまうと、取られたと思い込み次から隠したりひどい時は排便を我慢してしまう子もいるのでフードなどで気をそらせておいてその間に片付けてしまいましょう。

    2.刺激物・苦味成分の商品を使用→排泄物が食べたフードの味がするから食べるということもいわれています。なのでわさび・七味・水で薄めたお酢などの刺激物(少量)を排泄物につけて学習させます。
    ※刺激物は長く使いたくはありませんので数回試していただいて効果が見られなければ別の方法を試してみてください。
                             
    3.遊んであげる→わんちゃんが食糞行動をする理由として上記でもあげましたが【退屈】していておもちゃ感覚で食べる子もいます。なので退屈することがないよう・ストレスが溜まらない為にもたくさん遊んであげることも対処法の1つです。

    以上が食糞についてのしつけ方になります。

    20091128

    2009年11月28日(土) 投稿者 osawa | しつけ

  2. 寄生虫

    こんにちは。獣医師の萩原です。本日は製薬会社の方に寄生虫の院内セミナーをしていただきました。

    20091127-01

    寄生虫は大きく分けて、内部寄生虫(犬糸状虫症・消化管内寄生虫(回虫・鉤虫・鞭虫など))と外部寄生虫(ノミ・マダニなど)があります。今回はこれら寄生虫についてご説明させて頂きます。

    2009年11月27日(金) 投稿者 hagiwara | 予防, 勉強会

  3. 犬糸状虫症(フィラリア症)

    犬糸状虫症による感染症で、成虫は長さ15~30cmまで達する線虫です。成虫は右心室・肺動脈に寄生し、新鮮な赤血球を食べます。
    症状は寄生数やわんちゃんによって異なり、無症状から重症例まで様々です。重症になると体重減少、運動不耐性(運動をしたがらない)、咳、うっ血性心不全、腹水の貯留がおこり、最終的には死亡してしまいます。
    とても恐ろしい病気ですが、お薬をのませることによってほぼ100%予防することができます。まず、フィラリアのライフサイクルについてご説明させて頂きます。

    *フィラリアのライフサイクル*
    1.フィラリアに感染しているわんちゃんを蚊が吸血することで、ミクロフィラリア(フィラリアの子虫)が蚊の体内に入ります
    2.子虫は蚊の体内で感染幼虫に発育します
    3.感染幼虫をもった蚊が他のわんちゃんを吸血する時、幼虫が皮膚に侵入し感染します
    4.わんちゃんの体内で発育を続けます(感染幼虫→第3期子虫→第4期子虫→第5期子虫→成熟成虫(これがミクロフィラリアを産みます))。
    現在、一般的にフィラリアの予防薬といわれているお薬は、感染幼虫→第3期子虫→第4期子虫を駆虫(特に第4期子虫はほぼ100%駆虫できるといわれています)します。ここで投薬を空けてしまうと、第4期子虫が第5期子虫→成熟成虫になってしまいます。そうなると予防薬では駆虫できなくなってしまいます。よって、1ヵ月に1回の予防薬の投与が必要になります。一般的に予防薬と言われていますが、実は駆虫薬なのです。よって蚊が出始めてから1ヵ月後~蚊がいなくなってから1ヵ月後まで投与しなければいけません。

    20091127-02

    20091127-03

    万が一、フィラリア症に感染しているにも関わらず、予防薬を投与してしまうと、血液中のミクロフィラリアが一気に死滅してしまい、死滅したミクロフィラリアが血管に詰まったり、アナフィラキシーショックを起こす危険性があります。よってフィラリアの予防薬を投与する前にはフィラリアに感染していないか調べるために、毎年検査する必要があります。「前の年に早めに投薬時期を切り上げてしまった」「薬を与えるのを忘れた月がある」「わんちゃんが薬を吐き出していたのに気づいていない」などの理由から、予防薬をあげているからといって絶対に感染していないといいきることはできません。診断はミクロフィラリア検査(犬の血液を採って顕微鏡でのぞく方法)と抗原検査(フィラリア成虫から排泄される微量な物質を抗原抗体反応でみる方法)があります。検出感度はミクロフィラリア検査で50%以下ですが、抗原検査は約90%以上と大変検出感度に優れているため、当院では抗原検査をお勧めしています。

    *当院で使用している犬糸状虫成虫抗原検査キット「ソロステップ」*

    20091127-04

    2009年11月27日(金) 投稿者 hagiwara | 予防, 勉強会

  4. 犬回虫

    母犬からの経胎盤、経乳感染によって仔犬が感染することが多いといわれています。他、感染幼虫の直接摂取による直接感染、幼虫を保有する待機宿主の摂食による間接感染があるといわれています。成虫は小腸に寄生します。感染すると、仔犬では重症になることもあります。(発育不良、腹部膨満・間欠性下痢・貧血など)成犬では感染した幼虫が全身の組織内で被嚢して発育を休止します。

    症状は食欲不振・嘔吐・下痢・発育不良などがあり、仔犬での多数寄生では腹囲膨満、神経症状、腸重責がみられることがあります。
    診断は糞便検査による虫卵検出になります。
    治療は消化管内成虫の駆除になり、多くの駆虫薬は体内移行中の幼虫には効果がありません。2週間隔で虫卵が陰性になるまで駆虫薬を投与します。
    予防は仔犬では定期駆虫を行い、環境中への虫卵の排泄を防ぎ、糞便の適切な処理を行うことです。

    *犬回虫のライフサイクル*

    20091127-05

    生後間もない子犬は気管型移行することが多く、半年以上のわんちゃんでは全身型移行することが多いといわれています。
    気管型移行は、成熟卵→小腸粘膜へ侵入→肝臓→心臓→肺→細気管支→気管→食道→胃→小腸→産卵という経緯をたどります。
    全身型移行は、成熟卵→小腸粘膜へ侵入→肝臓→心臓(ココまでは気管型移行と同じです)→全身の諸臓器(第2期子虫のままとどまり6ヵ月以上生存します)→妊娠・出産時に経胎盤・経乳感染し、仔犬に感染します。
    この寄生虫は人獣共通感染症で、まれに人へも感染するといわれています。回虫の成熟卵を経口摂取することにより感染します。回虫卵に汚染された砂場などが感染源になります。わんちゃんとの過度な接触により感染することもあります。

    20091127-06

    2009年11月27日(金) 投稿者 hagiwara | 予防, 勉強会

  5. 犬鉤虫

    経口感染、経皮感染、経胎盤、経乳感染によって感染します。

    小腸(特に空腸)に寄生して吸血します。

    症状は仔犬に感染した時は重症になることがあります。(腹痛、食欲不振、出血性下痢、貧血、衰弱、削痩など)成犬に感染した時は未成熟虫が体内移行して筋肉組織内で休眠し、無症状であることが多いとされています。

    診断は糞便検査になります。

    治療は駆虫薬を投与し、2週間後に再投与が必要になります。

    *犬鉤虫のライフサイクル*

    e291a6e989a4e899ab

    犬鉤虫も人獣共通感染症であり、感染幼虫が皮膚へ侵入し激しい掻痒を伴う皮膚炎を伴うことがあります。

    2009年11月27日(金) 投稿者 hagiwara | 予防, 勉強会

  6. 犬鞭虫

    成熟卵を経口摂取することによって感染します。犬の盲腸粘膜に寄生し、吸血します。この虫卵は強く、環境中で数年間生存します。

    軽度感染では間欠性下痢、少量の粘液血便がでます。重度感染では慢性下痢、血便、栄養低下、被毛粗剛、貧血、脱水などの症状がでます。

    診断は糞便検査になります。

    治療は駆虫薬の投与になりますが、この虫卵は強く、環境中で数年間生存するため、土壌汚染によって集団感染がみられることもあります。

    *犬鞭虫のライフサイクル*

    e291a7e99eade899abefbc91

    犬鞭虫も人獣共通感染症で、成熟卵を誤って経口投与すると感染し、腸管で成虫になります。

    e291a8e99eade899abefbc92

    2009年11月27日(金) 投稿者 hagiwara | 予防, 勉強会

  7. ノミ

    ノミ成虫は生涯にわたり宿主に寄生し、雌雄ともに15分に1回吸血するといわれています。寄生から48時間以内に交尾をして、1匹の雌で200個産卵するといわれています。卵→幼虫→さなぎ→成虫へと発育していきます。

    ノミにさされると、貧血、掻痒、ノミアレルギー性皮膚炎などの症状がでることがあり、瓜実条虫に感染したノミを食べることによって瓜実条虫に感染することもあります。

    *ノミのライフサイクル

    20091127-10

    ヒトもノミにさされると激しいかゆみがおこり、ひどい場合はアレルギーになって水ぶくれのような状態になってしまいます。気温が13℃以上あるとノミは繁殖を繰り返します。

    20091127-11

    2009年11月27日(金) 投稿者 hagiwara | 予防, 勉強会

  8. マダニ

    口の部分を宿主の体に差し込んで固定し、吸血します。 吸血前はわずか数mmのマダニの成虫ですが、飽血すると体重は約10倍にもなります。 メスの成虫は2,000~3,000個の卵を産みます。マダニは草むらなどに生息し、温度や二酸化炭素を感知して犬に寄生します。マダニは草むらや山林などに生息するため、散歩中についてしまうことがあります。

    マダニの被害は、貧血、アレルギー性皮膚炎、バベシア症の媒介、ライム病(人間にも感染することがあります)などの病気の媒介などです。

    *マダニのライフサイクル*

    20091127-12

    *ノミ・マダニ共に駆虫薬の投与によって駆虫することができます。

    2009年11月27日(金) 投稿者 hagiwara | 予防, 勉強会

  9. 脳腫瘍

    本日は夜から東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズに参加してまいりました。10月28日に受講した「脳疾患」の続きでした。

    前回もブログに書かせて頂きましたが、脳疾患は原因により大まかに7つに分類されます。その頭文字をとって、「DAMNIT-V」と呼ばれています。
    D (degenerative) 変性性:蓄積病・てんかんなど
    A (anomaious) 先天奇形:水頭症・小脳形成不全・キアリ奇形・脊髄空洞症など
    M (metabolic) 代謝性:肝性脳症・低酸素脳症・尿毒症・低血糖脳症など
    N (neoplastic) 腫瘍性:脳腫瘍・脊髄腫瘍・転移性腫瘍・末梢神経腫瘍など
    I (inflammatory) 炎症性:肉芽腫性髄膜脳脊髄炎など
    (infectious) 感染性:ジステンパーウィルス脳炎・細菌性髄膜炎など
    (idiopathic) 特発性:てんかん・特発性三叉神経炎など
    (iatrogenic) 医原性:医原性クッシング症候群など
    T (traumatic) 外傷性:頭部外傷・脊髄損傷など
    (toxic) 中毒性:殺虫剤など
    V (vascular) 血管性:脳梗塞・脳出血・脊髄梗塞など
    に分類されます。一口に脳疾患といっても様々な原因があるのです。

    わんちゃん・ねこちゃんでは、昔はこれらのうち、感染性(ジステンパーウィルス脳炎など)・外傷性(交通事故などで頭を打ってしまう)が多かったのですが、現在は高齢化や飼育環境の改善に伴い、脳腫瘍や脳梗塞なども増えていると言われています。今回は脳腫瘍についてお話させて頂きます。
    脳腫瘍は7歳以上のボクサー、ボストンテリア、ゴールデン・レトリーバー、ヨーキー、フレンチブルドック、W.コーギーなどに好発するといわれています。特に、ボクサーには脳腫瘍が多いといわれています。症状は徐々に進行しますが、時に急性に進行することがあります。症状は比較的、片側性に神経学的異常がみられますが、病変の部位により様々で、まれにてんかん発作のみのこともあります。診断は主にMRIになり、治療は大きく分けて外科手術、放射線治療、化学療法、内科療法になります。
    脳腫瘍は原発性脳腫瘍(原発腫瘍が脳:髄膜種・星状膠腫・希突起膠腫・上衣腫・下垂体腫瘍・リンパ腫など)と転移性腫瘍(原発腫瘍が脳以外にあって、それが脳に転移をおこすもの:血管肉腫転移・乳腺癌転移など)に大まかにわけられます。種類がたくさんあって、診断するのは難しそうですが、MRI画像の特徴によっておおよそ診断できる腫瘍もあるそうです。今回は多くのMRI画像をみることができて、すごく勉強になりました。

    2009年11月25日(水) 投稿者 hagiwara | 勉強会, 脳・神経科

  10. 看板の文字を濃くしました

    こんにちは。獣医師の萩原です。この前シャッターに文字を貼ってくれた私の先輩が本日は看板の文字を濃くしてくれました。

    【1.脚立にのる先輩】
    家から大きな脚立を持ってきてくれました。
    091125-1

    【2.カッティングシートを貼る先輩】
    文字の大きさもピッタリです。すごいです。
    091125-2

    【3.「マミー動物病院」の色が濃いピンクになりました】
    091125-3

    これで、今までより文字が見えやすくなりました!

    2009年11月25日(水) 投稿者 hagiwara | できごと, 友人・知人, 立川市マミー動物病院・設備

  11. シャッターに病院情報を書きました

    こんにちは。獣医師の萩原です。本日昼休み、私の大学時代の先輩が病院情報(病院名・診察時間・休診日・電話番号)を表示するカッティングシートをシャッターに貼りに来てくれました。開業当初から、業者さんに頼まなければと思っていたのですが、ついつい後回しになっていました。どうしようかなと考えていたところ、私の先輩が貼ってくださることになりました。先輩は日曜大工が趣味でいろいろな物を作ることができて、いつも驚かされています。

    【1.貼る前】
    091121-1

    【2.まずカッティングシートを仮止めします】
    先輩が家でカッティングシートを作ってきてくれました。
    カッターで切ったそうです。本当に器用ですよね!
    091121-2

    【3.裏の紙をはがします】
    091121-3

    【4.カッティングシートをシャッターに貼っていきます】
    091121-4

    【5.完成】
    091121-5

    本当に素敵なシャッターになりました。
    これで病院が閉まっている時も、電話番号、休診日、診療時間がわかるようになりました。

    2009年11月21日(土) 投稿者 hagiwara | できごと, 友人・知人, 立川市マミー動物病院・設備

  12. アニマルスタッフ・ハリー君

    こんにちは。看護士の大澤です。
    今日はマミー動物病院のアニマルスタッフをご紹介させていただきます。

    名前:ハリー
    犬種:シェットランド・シープドッグ(シェルティー)
    性別:男の子(去勢済み)
    誕生日:2007年2月10日生まれ
    好きなこと:遊ぶこと・ひざに乗ること・わんちゃん・ねこちゃん
    出来ること:おすわり・待て・ふせ・お手・おかわり・あご・ハイタッチ・くるっとおまわり♪・
    名前呼ぶと戻ってきます。

    091121

    ハリーは生後2~3ヵ月の時に来て今年の8月までペットショップにいました。
    もともとお店で売られる子だったのですが【家族性皮膚筋炎】という皮膚の病気であることが判明しました。
    鼻の頭・耳の先・手足の毛がはげてしまいしっぽの先は壊死して取れてしまってます。
    それからはペットショップ・病院スタッフにたくさん可愛がられて育ちました。
    性格は温厚で小心者で落ち着きがなく、遊びが大好きでネコのような動きをして遊んでいます。
    ペットショップにいたためかわんちゃん・ねこちゃんが大好きです。
    しかし今までペットショップ内で人の目に触れることなく生活してきたのでスタッフ以外の人を知りません。
    なのでユニフォームや白衣を着ていない私服の人にはものすごく吠えてしまいます。(未だに病院でも私服に着替えると吠えます;)
    小さい頃は皮膚のこともあり外にすらでたことがないので今ヒト・乗り物・音に慣れさせるための訓練中です。
    外を散歩しているのですが見るもの全てにビックリしながら歩いています。
    わんちゃんには【社会化期】というものがあります。
    生後3~8週齢の間にヒト・生き物・乗り物・音などに慣れさせる時期があり少なくとも1才くらいまでにその経験がないとなかなか慣れるものではありません。ハリーはその社会化期を経験してこなかったので今頑張って訓練しています。。
    今自分たち以外のヒトに慣れさせる訓練を兼ねて病院内をうろうろしていることがあります。
    病院に入ってきた方に対して吠えたりうなったりすることがありますがでも決して噛みついたり
    襲ったりすることはありませんのでおうちのわんちゃん・ねこちゃんとお友達になっていただけたらいいなと思います。
    6時くらいには外をお散歩していますので挙動不審なシェルティを見かけたらその際もぜひ声をかけてあげてください。
    皮膚も見た目は他のシェルティとは少し違いますがヒトや動物にうつることはなく、今現在は皮膚の状態も落ち着いていて普通の子たちと変わらない生活を送っています。
    病院にご来院いただいた際にはぜひハリーもよろしくお願い致します。

    【家族性皮膚筋炎とはこんな病気です】
    病因不明の遺伝的な皮膚と筋の炎症性の病気です。
    主な犬種としてシェルティ、ウェルッシュ・コーギー、ジャーマン・シェパードなどがあげられているそうです。
    この病気は通常6ヵ月までに発症し、症状として顔・手足・しっぽの先の毛がなくなります。
    急性期はフケを伴う淡い紅斑ができ、慢性期では脱毛を伴う萎縮性の黒褐色色素斑が特徴です。
    家族性皮膚筋炎の診断は臨床像や外部の検査センターに送って診断され、治療方法は確立されていません。
    予後は比較的良いと考えられていますが重症の筋症状で死亡例や突然死の可能性もあります。
    また成犬になってから再び再発することもあるそうです。

    2009年11月21日(土) 投稿者 osawa | ハリー君日記

  13. しつけについて 1

    こんにちは。動物看護師の大澤です。
    今週から躾(しつけ)について書かせていただくことになりました。
    わんちゃんにとっては正常な行動でもおうちの方にとっては困る行動が問題行動になります。
    ここではいろいろな問題行動(噛みつき・ムダ吠え・食糞・マウンティングなど)の対処方法や
    おうちで出来るケア(歯みがき・爪きり・耳掃除など)の方法をご紹介させていただきたいと思います。

    始めに《なぜ、しつけが必要なのか》
    わんちゃんの祖先は狼です。狼は群れをつくって行動し、その群れには必ずリーダーがいます。
    家庭で飼われているわんちゃんも家族を群れとして見ていますのでしつけをしていないと、自分がリーダーと思い込んで問題行動を起こして飼い主さんを困らせる結果になってしまいます。これを権勢症候群(アルファーシンドローム)と言います。
    リーダーは自分より下と見た仲間を守るために常に周りを警戒しているのでとても疲れてしまう役割です。
    家庭のわんちゃんも同じです。なので飼い主さまがリーダーとなりその必要がないことを教えてあげているとわんちゃんは安心して生活することができます。
    わんちゃんのしつけは楽しく時間をかけてのんびり教えていくこと・普段の生活でわんちゃんに飼い主さまが上であると教えていっていただくこと・お散歩や遊び(有酸素運動)を十分に行うことで
    しつけはずっと楽なものになります。

    《誉め方と叱り方》
    割合→誉め9:叱り1と考えてしつけをしていきます。
    わんちゃんを誉める時と叱るとき注意していただきたいのがタイミングです。
    ・2~3秒以内→理解することができる
    ・10秒以上→何を叱られているのか分からない

    いろいろな方法がありますのでその中で一番効果があるものを見つけて固定してください。
    誉) 声 ・・・ 明るく高い声+楽しそうな表情
       なでる ・・・胸の辺りをなでる
              (※注意※興奮しやすいわんちゃんを撫ですぎると逆効果になるので、その場は声のみでほめてあげてください。)
       食べ物・・・指示に従ったらごほうびとして。普段食べているフード・おやつ(与えすぎなように注意が必要です)
    最終的には食べ物がなくてもできるようにしていきたいので、徐々に与える回数を減らしてください。

    叱) 声  ・・・低い声(あ゛・NO・いけない)+険しい表情 ※「あ゛」は母犬が子犬を怒るときに出す声です。
       天罰 ・・・①わんちゃんの見えないところで大きな音を立てる
              空き缶に砂利を入れる→金属音が嫌い・スローチェーン(床に滑らせて壁に当てて音を出す商品)
             ②いたずら中に、水鉄砲で後ろから水をかける
             ③お酢と水を5:5の割合で混ぜて霧吹きに入れて空中にまく
       無視 ・・・悪いことをしたら、何も言わずにゲージに戻して一切無視をする→1番効果があると思います。
             無視することでわんちゃんは自分のしたことは悪い=これをすると楽しくないと覚えていきます。
       リードショック・・・主に外で使う方法で、リードを自分のほうに一瞬だけ引いて戻すことで
    わんちゃんの首が一瞬絞まり飼い主さんに気を向かせることができます。この方法はお散歩中の引っ張り行動にも使います。

    第1回目は、【ムダ吠え】の対処方法についてご説明させていただきます。
    まず、なぜ吠えるのか原因を考えてみます→その原因によって対処法は変わってきます。

    原因①ヒト・生き物(他のわんちゃん・ねこちゃんなど)・乗り物に対して吠える
    対処法:見せたり触ってもらうことで吠えるものに対しての慣れる訓練をします。
          どうしても吠えてしまう場合:リードショック+声での制止。
         
    原因②ヒトに対しての要求
    対処法:徹底的に無視をする(触らない・目線をあわせない)→言うことを聞いてしまうとわんちゃんは吠えればいいと学習します。
          声での制止
          天罰・・・大きな音を出すとびっくりするので吠えるのを止めたら誉めてあげます。

    原因③チャイムなどの音に吠える
    対処法:音に慣れさせる
          チャイムがなって吠えたらゲージに入れておとなしくなった時に出して誉めてあげます。
          →それでも変わらなければゲージにタオルをかけて大きな音を出す方法もあります。
          天罰・・・玄関マットを引いて驚かせる

    以上がムダ吠えのしつけ方になります。

    2009年11月21日(土) 投稿者 osawa | しつけ

  14. 肝臓切除

    本日は夜から東京都内で開催されているハイパージョイントセミナーに参加してまいりました。今回は「肝臓切除」についての講義でした。
    肝臓切除は、肝臓腫瘍、肝臓の生検(組織検査)などの時に実施します。肝臓腫瘍の50%以上は肝細胞癌で、そのほとんどが単発性で孤立性(病変が1箇所)といわれており、治療は主に外科手術になります。手術は腫瘍が単発・塊状で、肝内・腹腔内・遠隔転移がなく、大血管との癒着などがみられず、十分な肝予備能があり、麻酔に耐えられる体力があれば適応であるとされています。今回は主に術式についての講義でした。今まで教わってきた術式とは違い、こういった方法もあるのだな、と勉強になりました。肝臓腫瘍の症状は元気・食欲低下などの非特異的症状(肝臓腫瘍以外の病気でもみられる症状)、腹部膨満、腹水、貧血などです。腫瘍が相当大きくなってからでないと症状がでてこない事もあります。健康診断で偶然みつかることもありますので、特に中・高齢になりましたら定期的に健康診断されることをお勧めします。

    2009年11月16日(月) 投稿者 hagiwara | 勉強会, 消化器疾患, 肝疾患

  15. 2010年のカレンダーをお配りしております

    2010年のカレンダーができました。

    20091114-1

    わんちゃんのページ

    20091114-2

    ねこちゃんのページ

    20091114-3

    数に限りがございますので、ご希望の方はお早めにいらしてくださいね。

    2009年11月14日(土) 投稿者 hagiwara | お知らせ

  16. iVEAT 腹部超音波研修6回シリーズに参加しています

    11月11日(水)休診日、午後から院長と二人で、横浜で開催されているiVEAT 超音波研修に参加してまいりました。
    この研修は10月から3月にかけ、月に1回、計6回行われます。3名1組で、実際にわんちゃん・ねこちゃんに超音波診断装置(エコー)をあて、腹腔内臓器の描出方法をマスターするのが目的です。超音波診断装置は痛みや副作用がなく体にあてるだけで安全に腹部臓器などの様子を診断できる装置です。当院でもカラードップラー超音波診断装置を導入しており、より的確な画像診断を行えればと思い参加しました。
    【当院の超音波診断装置】

    20091111-2

    6回の研修で、初回は全臓器、2回目は肝臓と脾臓、3回目は腎臓と副腎、4回目は膀胱と腰下リンパ節、5回目は胃腸器と膵臓、6回目は眼、甲状腺、腱と筆記試験、実技試験があります。今回は2回目で、肝臓と脾臓についての研修でした。今回の研修では新たな発見がいくつもあり、超音波診断の奥の深さを再確認致しました。1回の研修は4時間で、終わった後はヘトヘトになってしまいましたが、とても勉強になりました。

    2009年11月11日(水) 投稿者 hagiwara | 勉強会, 実習, 画像診断

  17. 悪性腫瘍について

    本日は夜から東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズに参加してまいりました。今回は「腫瘍学」についての講義でした。
    わんちゃん・ねこちゃん共に昔は感染症などで死亡することが多かったのですが、現在では予防医学の発達により人間と同様に高齢化が進み、腫瘍疾患が非常に増えています。1998年のデータではわんちゃんの死因の半分は悪性腫瘍で、ねこちゃんの死因のトップは悪性腫瘍といわれています。
    悪性腫瘍を疑う症状として、腫瘤(おでき)の急速な腫大、再発性・難治性の膀胱炎・血尿(膀胱腫瘍の可能性)、鼻出血(鼻腫瘍の可能性)、治療への反応が悪い跛行(びっこ)(骨・関節の腫瘍の可能性)、口の潰瘍性病変(口腔腫瘍の可能性)などがありますが、その他、慢性的な体重減少、消化器症状、多飲多尿、慢性の嘔吐・下痢など非特異的な症状(どんな病気でもおこるような症状)がみられることもあります。このような症状がみられた場合にはお気軽にご相談ください。
    当院も開業して7ヵ月たちましたが、皮膚腫瘍、乳腺腫瘍、口腔腫瘍、リンパ腫などになってしまい、治療をしているわんちゃん・ねこちゃんがおります。
    人間と同様、わんちゃん・ねこちゃんも早期診断・治療することによって、根治する腫瘍もありますので、定期的に健康診断されることをお勧めします。

    2009年11月11日(水) 投稿者 hagiwara | 勉強会, 腫瘍科

  18. 乾性角結膜炎(KCS・ドライアイ)

    11月1日(日)、午前診療終了後、東京都内で開催された眼科の勉強会に行ってまいりました。講義内容は炎症を伴う眼科疾患の診断と治療についてでした。
    今回は乾性角結膜炎(別名:KCS・ドライアイ)についてご説明させていただこうと思います。
    乾性角結膜炎は涙液(なみだ)の減少によって引き起こされる眼表面の炎症性疾患です。
    原因は免疫介在性・先天性(パグ・ヨークシャーテリア・チャウチャウに多いと言われています)・神経原性・外傷・感染症などがあげられますが、最も一般的な原因は免疫介在性であるといわれています。
    臨床症状として、眼への粘液・膿性分泌物の付着・眼瞼への乾燥した分泌物の付着・角膜潰瘍・角膜血管侵入・色素沈着・角膜光沢の低下・乾燥などがあげられます。
    診断は主にシルマーティア試験を行い涙の量を調べます。
    こちらがシルマーティア試験紙です。

    20091101_1

    下眼瞼(下まぶた)に試験紙を挿入し、1分間で濡れた長さを測定します。濡れた場所は青く染色されます。

    20091101_2

    15mm以上であれば正常、11~14mmであれば潜在的なドライアイの疑い、6~10mmであれば軽度なドライアイ、5mm以下であれば重度なドライアイと診断します。

    20091101_3

    このわんちゃんは27mmまで染色されており、15mm以上あるので、正常と診断しました。
    治療は主に免疫抑制剤・抗生剤・人工涙液などの点眼をし、一生涯の治療が必要となります。
    最近、目やにが多くなった、眼をしょぼしょぼしている、眼が赤くなったなどの症状がみられましたら、潜在的にドライアイをもっている可能性も考えられますので、お気軽にご相談ください。

    2009年11月07日(土) 投稿者 hagiwara | 勉強会, 眼科