2011年11月の記事一覧
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ピモベンダン(僧帽弁閉鎖不全症)
先週も日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの心臓病の講義に参加してまいりました。今回も「僧帽弁閉鎖不全症の診断・治療」についての講義でした。
今回は主にわんちゃんの僧帽弁閉鎖不全症の時に使用するお薬の1つである「ピモベンダン」についてご説明致します。
【ピモベンダン(商品名:ベトメディン)】
ピモベンダンとは主に僧帽弁閉鎖不全症などの心臓病の症例に処方するお薬です。
投与によって血管拡張作用、強心作用、心拍数の適正化、抗不整脈作用などがみられます。
以前お話しした、ISACHC分類(心不全の機能分類)でクラスⅢa(重症心不全:安静時に咳)の症例において適応になります。
他の大体の心臓病薬との併用が可能で、副作用はほとんど認められません。私が獣医になったばかりの頃、ピモベンダンは人体薬で販売されていましたが高価で、動物用のものは販売されていませんでした。今は動物用のピモベンダンが販売されるようになり、気軽に処方できるようになりました。
今までは僧帽弁閉鎖不全症によって一度肺水腫(心不全により肺に水が貯まってしまう病態)になった症例は利尿剤を使い続けないと肺水腫をうまくコントロールできないことが多かったのですが、この薬が販売されるようになってからは多くの症例で利尿剤を休薬もしくは漸減できるようになりました。
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クリスマスリースをいただきました
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野菜をいただきました(小松菜+銀杏+みかん)
本日は飼い主様からたくさんの野菜をいただきました。
【小松菜】
この3倍くらいいただきましたので、スタッフみんなでわけました。
早速、その日の夜のおかずになりました。
豚肉をいためてお酒、砂糖、みりん、しょうゆで味付けした後、小松菜をいれて蒸し、最後に卵を2つ落としました。
私は青物が手に入ると簡単に作れるこの料理を作ることが多いです。
今回も大変おいしくいただきました。【銀杏】
紙袋にいれて電子レンジでチンすると殻が簡単にむけるそうです。
【みかん】
お庭にみかんの木がはえているそうで、羨ましいです。
すごく甘くておいしかったです。
寒くなってきたので、おこたつに入りながらのんびりみかんを食べようと思います。
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ハリーの近況☆
こんにちは、看護士の大澤です☆
少し久しぶりの更新になってしまいました;今日は最近のハリーくんです^^
前までハリーは診察中は犬舎に入り、それ以外では病院内を自由にウロウロする生活を送ってました。ですが診察中犬舎に入れておくとストレスからか無駄吠えや自分の犬舎内を荒らしてしまうことがありました。(大事なベッドを振り回す;)なので、お気に入りのベッドと毛布を置いて診察中も自由にウロウロさせてみることにしました☆彡
すると、無駄吠えもなくなりベッドでゴロゴロしてとっってもおりこうさん!
タレ目がますますタレ目になった気がします笑
元々人のそばにいるのが好きな子なので安心したみたいです^^
時々わんちゃん・ねこちゃんのいる診察室がのドアが開いてると入ってきてしまうこともあります笑今回も最後まで読んでいただきありがとうございました*_ _)”
zp8497586rq2011年11月22日(火) 投稿者 osawa | ハリー君日記, 立川市マミー動物病院ブログ
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2012年のカレンダーをお配りしております
2012年のカレンダーができました。
今年はわんちゃん、ねこちゃんの2種類を揃えました。
来院された方に配布しております。
数に限りがございますので、ご希望の方はお早めにご来院ください。2011年11月18日(金) 投稿者 hagiwara | お知らせ, 立川市マミー動物病院ブログ
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VHS(Vertebral Heart Size):胸骨心臓サイズ
先月末も院長と日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの心臓病の講義に参加してまいりました。今回は「僧帽弁閉鎖不全症の診断・治療」についての講義でした。
「僧帽弁閉鎖不全症」とは中高齢のわんちゃんに非常に多い心臓病の1つです。よって、至る所で頻繁に「僧帽弁閉鎖不全症」についてのセミナーが開催されています。知識をアップデートするためにできるだけ参加するよう心がけています。
この病気は進行するとX線検査や心臓エコー検査で心臓の拡大が認められます。今回はX線検査での心臓の拡大の評価方法の1つである「VHS」についてご説明致します。
【VHS(Vertebral Heart Size):胸骨心臓サイズ】
VHSとは胸部X線検査で心臓の拡大の程度を簡単に評価する方法です。
まず、心臓の長軸(赤線:L)を測定し、第4胸椎から椎骨何個分に相当するか測定します。次に心臓の短軸(青線:S)を測定し、第4胸椎から椎骨何個分に相当するか測定します。一般的にVHSが10.5以上であった場合は心臓の拡大が疑われ、さらに11.5以上であった場合は気道を圧迫している可能性が高いといわれています。
文章だけではわかりにくいですので、実際のX線をみながらご説明致します。
【症例1】
健康診断で来院したわんちゃんです。
この子は特に心雑音がなく、心臓病の症状は一切みられません。X線検査にて心臓の長軸を測定したところ椎骨6個分に相当し、短軸を測定したところ椎骨4個分に相当しました。よってVHSは6+4=10になります。
10.5以下であるため、X線検査では心臓の拡大は認められないということになります。念のため、心臓エコー検査をしたところ、やはり心臓の拡大は認められませんでした。【症例2】
心雑音があり、心臓病の症状(咳・呼吸速拍)がみられる症例のX線です。X線検査にて心臓の長軸を測定したところ椎骨6個分に相当し、短軸を測定したところ椎骨5.5個分に相当しました。よって、VHSは6+5.5=11.5になります。
10.5以上であるため、心臓の拡大が疑われます。また11.5以上であるため、気道を圧迫し咳がでている可能性が高いです。念のため、心臓エコー検査をしたところ、やはり心臓の拡大が認められました。VHSを測定することによって客観的に心臓の拡大の進行を判断することができるため、私は毎回測定するよう心がけております。さらにその後、心臓エコー検査にて心臓内腔の状態を観察することをお勧めしております。
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犬の甲状腺機能低下症
先日は院長と一緒に都内で開催された犬の甲状腺機能低下症の講習会に参加してまいりました。
【犬の甲状腺機能低下症】
甲状腺機能低下症は成犬において最も多い内分泌疾患です。犬の甲状腺機能低下症の多くは、絶対的な甲状腺ホルモンの不足または欠乏によりおこり、自己免疫性甲状腺炎および特発的(原因不明)な甲状腺機能低下症に分類されています。<発生率>
欧米における発生率は0.2~0.8%と報告されており、日本では0.1%前後と低値ではありますが、近年は増加傾向にあります。その理由として、犬の甲状腺機能低下症に対する認識が深まったこと、および甲状腺ホルモンを測定することが可能な検査機関が増加し、診断が比較的容易になったことがあります。また、犬の寿命が長くなってきていることも理由の1つであると考えられます。<症状>
下記のように、症状は多岐にわたります。
①代謝性(無気力・不活発・体重増加・肥満・寒さに弱いなど)
②皮膚被毛(内分泌性脱毛・被毛粗剛・色素沈着・落屑亢進・慢性再発性外耳道炎・皮膚易感染症・粘液水腫など)
③循環器系(徐脈など)
④生殖機能(不妊症・無発情など)
⑤その他(神経症状・粘液水腫性昏睡・巨大食道症・喉頭麻痺など)
「悲劇的顔貌」といって、悲しい顔をしているようにみえることがあります。<好発犬種>
ビーグル・ゴールデンレトリーバー・シェルティー・柴犬など<血液検査>
軽度の正球性正色素性貧血・高コレステロール血症などが認められることがある。<診断>
甲状腺ホルモンの測定<治療>
甲状腺製剤の投与ここ10年で犬の甲状腺機能低下症の発生率は5倍に増加しているそうです。確かに、現在、院長も私も各々甲状腺機能低下症の症例を治療しており、そんなに少ない病気ではないように思えます。
甲状腺機能低下症はシェルティーに多い病気であるといわれているので、今後ハリー君も気を付けなければならないなと思います。上記のような症状がありましたら、まずはご相談頂ければと思います。