画像診断 記事一覧
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猫の腹部超音波セミナー&実習に参加してまいりました
先日はアメリカの放射線専門医である宮林先生が開催された猫の腹部超音波セミナー&実習に参加してまいりました。
1日目は3時間半かけて猫の肝臓、腎臓、膀胱、胃腸、膵臓、副腎などの超音波診断についてセミナーを聴講しました。
2日目は実際にねこちゃんのお腹に超音波をあてました。
わんちゃんもねこちゃんも腹腔内には以下のように様々な臓器があります。私は病気や健康診断、中高齢の子の麻酔前検査の際には、上の写真のように肝臓から時計回りに一通り腹部臓器に超音波をあてることをお勧めしております。例えば吐いている時、腸だけに超音波をあてても吐く原因がみつからないことがありますが、腹部臓器を一通り検査すると腸以外の病気がみつかることがあり、一通りみてみないと病気を見逃すことがあるためです。
正確にできるだけ短時間で超音波診断ができるように今後も努力していきたいと思います。
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日本獣医画像診断学会に参加してまいりました
6月18日(土)は病院をお休みし、院長と大宮で開催された日本獣医画像診断学会に参加してまいりました。
この学会は画像診断学会以外に麻酔外科学会、循環器学会も同時開催する大規模な学会です。
今回は主に画像診断のセミナーに参加してまいりました。
画像診断とはレントゲン・超音波診断装置(エコー)・CT・MRIなどを総合的に用いて行う診断になります。私達の病院でもレントゲンと超音波診断装置を用いて診断することが多いですが、診断能力を得るためには経験と勉強が必要になります。
画像診断の結果によってその後の治療方針が決まるため、とても大切な分野だと思っています。
今後も定期的に画像診断の研修やセミナーに参加したいと思います。 -
画像診断(胸部腹部レントゲン)の勉強会に参加してまいりました
先週の休診日は院長と一緒に日本獣医生命科学大学で開催された日本獣医画像診断学会検定講習会に参加してまいりました。
今回は胸部腹部レントゲンに関する勉強会でした。朝から晩まで講義を受け大変勉強になりました。
画像診断とはレントゲンや超音波などを用いて行う診断になります。
一般病院にはレントゲンや超音波検査機器(エコー)がある病院が多いですが、診断能力を養うためにはトレーニングが必要になります。
画像診断は日々の診療に大変役立つため、今年から院長と一緒に毎週水曜日に専門医の施設に行ってトレーニングを受けており、今、自分たちが一番力をいれている分野の1つになります。1つ1つの科目を専門医などについて勉強し、得意分野を増やすことによって、より的確な診断・治療ができるようになると思っております。
穴のない診療ができるようにコツコツとがんばろうと思います。 -
血腹とドレナージの勉強会に参加してまいりました
血腹とは外傷や腹腔内腫瘍などの破裂などにより腹腔内に血液が貯留している状態です。
当院にもお腹や胸にお水がたまっている(これらを腹水・胸水と呼びます)子が来院されることがあります。腹水や胸水はエコーやレントゲン検査で発見しますが、それが血液なのか、感染によるものか、腫瘍の転移によるものか、心臓病によるものかなど、たまる原因はエコーやレントゲンではわかりません。よって、まずは腹水や胸水を少しでも採取して検査し、液体がたまる原因を調べなければなりません。腹水・胸水がたまる原因によって治療方法が異なるため、腹水・胸水の検査により病気を診断することが重要になります。
今回のセミナーでは様々な血腹の症例をみることができ、また胸腔・腹腔へのドレナージの方法を知ることができたため勉強になりました。
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心臓超音波実習に参加してまいりました
先日は心臓超音波実習に参加してまいりました。
現在、1ヵ月に1回、藤沢の日本大学動物病院で開催している心臓超音波実習に参加しています。この実習は3回コースなので、今回で最後になります。
今回はドプラで心臓内を流れる血液の流速を測定する実習でした。
当院は4月に新しい超音波診断装置にしたため、より正確に流速を測定できるようになりました。
心臓病を疑うわんちゃん・ねこちゃんでは、まずはX線(レントゲン)検査をお勧めしておりますが、心臓の超音波(エコー)検査も行うことにより、さらに正確な診断をくだすことができます。
今後もできるだけ正確に診断ができるように、知識・技術の習得ができるよう、積極的に実習や勉強会に参加していきたいと思います。
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心臓超音波実習に参加してまいりました
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心臓超音波実習に参加してまいりました
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カラードップラー超音波診断装置Xario100を導入しました
このたび、新しい超音波診断装置Xario 100を導入いたしました。
今まで使っていた超音波診断装置は当院が開業した2009年に購入したもので、約6年間使用していました。
臓器がきれいに描出されるため当初は感動していましたが、6年もたつとより診断精度の高い機械がでてきます。
去年、院長と一緒に参加した腹部超音波実習でXario100を使用し、今まで以上にきれいな画像が描出され大変感動したため、購入することにしました。
超音波診断装置は体にあてるだけでリアルタイムに検査画像が得られます。
また、痛みや副作用がなく腹部臓器や心臓などの病気を診断することができます。病気や健康診断の際にお勧めすることがあります。購入に伴い、4月から毎月腹部・心臓の超音波実習を院内で実施し、技術の習得に努めております。今までの超音波診断装置で診断できた病気は多数あり、6年間お世話になった機械だったのでお別れするのが少しさびしかったです。
新しい装置でより正確な診断ができるよう、技術の習得に心がけていこうと思います。
2015年05月29日(金) 投稿者 hagiwara | 機器紹介, 画像診断, 立川市マミー動物病院・設備
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腹部超音波実習(胆道系・膵臓)に参加してまいりました
2月1日(日)は獣医イメージングサポートが主催している腹部超音波実習に院長と一緒に参加してまいりました。
今回の内容は胆道系と膵臓でした。特に膵臓は描出が難しい臓器で、今までも他の先生に描出方法を習ったことがあるのですが、今回は違う描出方法を習うことができてよかったです。
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腹部超音波実習(消化管)に参加してまいりました
12月7日(日)は獣医イメージングサポートが主催している腹部超音波実習に院長と一緒に参加してまいりました。
こちらの実習は6回シリーズになっておりますが、以前他の腹部超音波実習に参加したことがあるため6回全ては参加せず、今後はより勉強したい臓器のみ参加する予定です。
今回の内容は消化管(胃・腸)でした。消化管は食べ物や便などによって超音波で確認しにくいこともありますが、レントゲンではわからない異常を発見できることがあります。特に消化器症状(嘔吐・下痢など)や食欲不振・削痩などの症状がみられる子には検査をお勧めしております。
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CT・MRI検査
先日は新宿で開催されたCT・MRI検査のセミナーに参加してまいりました。本日はCT・MRI検査の特徴についてご説明致します。
当院でできる画像検査(X線検査・エコー検査など)で病名・病変部を確定できない場合や詳しい術前検査が必要な場合にCT・MRI検査をお勧めすることがあります。
【CTの特徴】
胸部・腹部・骨・関節疾患の検出に優れております。<メリット>
撮影時間が早い。
骨や石灰化をきれいに描出できる。<デメリット>
骨のアーチファクトを容易に受ける。
放射線被爆がある。
MRIに比較して組織のコントラストが悪い。
【MRIの特徴】
椎間板ヘルニア・脳・脊髄腫瘍・水頭症・脊髄軟化症などの脳・脊髄疾患の検出に優れております。<メリット>
放射線被爆がない。
骨によるアーチファクトがない。
組織コントラストがよい。
病変の検出感度が高い。<デメリット>
撮影時間が長い。
騒音
骨や石灰化病変に関する情報に乏しい。
金属類を持ち込めない。
検査をご希望の際は動物健診センターキャミックまたは大学病院にご紹介しております。 -
内視鏡による胃内異物摘出術
5ヵ月齢のわんちゃんが肉団子を串ごと食べてしまったとの主訴で来院されました。
まずはX線造影検査を行ったところ、胃内に串が残存していることが疑われました。
X線検査にて異物はうつることもありますが、うつらないこともあります。
このまま胃内に竹串が残ったままだと胃潰瘍・胃穿孔をおこし命に関わることもあるため、飼い主様と相談した結果、まずは内視鏡による異物摘出を試みたところ、胃内に竹串がみられました。
胃粘膜には発赤・出血痕がみられ、竹串が胃粘膜を刺激してしまった可能性が考えられました。
内視鏡によって食道内・胃内異物を手術せずに摘出できることがあります。摘出できない場合は手術が必要になります。
当院では異物を食べてしまった子に対しては、吐かせることができる異物の場合、催吐処置をすることがありますが、尖がったものなど吐かせることができない異物の場合はまずは内視鏡にて摘出を試みて、摘出が難しいようでしたら飼い主様と手術を行うか相談しております。
今回のように尖がった物質は催吐させることによって食道を穿孔させてしまう可能性があるため催吐処置をすることはできません。内視鏡または外科手術が第一選択となります。
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デジタルレントゲンを導入しました
今までレントゲンフィルムを現像するのに10~20分ほどお時間を頂いておりましたが、今回、デジタルレントゲンの導入により撮影から1分程で画像を確認できるようになりました。
今後も少しずつ設備を充実していき、よりよい医療を皆様に提供していきたいと思っております。
2013年04月09日(火) 投稿者 teramoto | 画像診断, 立川市マミー動物病院・設備
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心臓エコー検査実習2回目~左室内径短縮率(FS)・壁厚~
11月25日(日)は午前診療が終わってから心臓エコー検査実習を受けるために大阪の関西動物ハートセンターという心臓病専門病院に行ってきました。翌日は臨時休診とさせて頂き、皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
本日は左室内径短縮率(FS)と壁厚についてご説明致します。
【左室内径短縮率(FS)】
左心室の収縮機能を評価する指標
左心室の収縮機能が亢進していれば高値を示し、収縮機能が低下していれば低値を示す【壁厚(心室中隔壁厚または後壁壁厚)】
特に猫の肥大型心筋症を診断する際に重要になります。
正常猫:4mm
肥大型心筋症:6mm以上
肥大型心筋症(血栓症のリスクが高い):8mm以上
これらの値はX線検査では測定することができず、心臓エコー検査で測定することができます。
明日の午後からも実習を受けに行くため17日(月)は臨時休診となります。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんがよろしくお願い致します。
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大阪の心臓エコー検査実習に行ってきました
10月28日(日)は午前診療が終わってから、心臓エコー検査実習を受けるために大阪の関西動物ハートセンターという心臓病専門病院に行ってきました。翌日は臨時休診とさせて頂き、皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
以前も東京で心臓エコー実習を受けたことがあるのですが、さらにわかりやすそうな実習内容であったため今回院長と2人で受講することにしました。3名1組で実際にわんちゃんに超音波診断装置(エコー)をあて、心臓の描出方法をマスターするのが目的です。
この実習は10月・11月・12月にかけて計3回行われます。そのため11月・12月の下旬にも臨時休診を頂くことになりますが、よろしくお願いいたします。
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肝臓腫瘤の画像診断
肝臓腫瘤に対する画像診断にはX線検査、超音波検査、CT検査、MRI検査があります。
<X線検査>
腫瘤の有無・局在、肺転移の有無などを診断します。病変が大きくならないとわからないことが多いです。
<超音波検査>
腫瘤の有無、局在、内部構造、単一か多発か、他の臓器の評価、血流の評価などを行います。腫瘤の検出に関してはX線検査より優れています。
<CT検査>
腫瘤の有無、局在、内部構造、単一か多発か、他の臓器の評価、大血管との関連性の評価、手術のプランニングを行います。
CT検査は手術適応かどうかの判断や、手術のプランニングをたてるために非常に有用な検査になります。超音波検査で診断がつかない場合や今後の治療方針がたてにくい場合はお勧めすることがあります。
当院にCTはございませんので、検査をご希望される際は大学病院や画像診断センターをご紹介しております。
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VHS(Vertebral Heart Size):胸骨心臓サイズ
先月末も院長と日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの心臓病の講義に参加してまいりました。今回は「僧帽弁閉鎖不全症の診断・治療」についての講義でした。
「僧帽弁閉鎖不全症」とは中高齢のわんちゃんに非常に多い心臓病の1つです。よって、至る所で頻繁に「僧帽弁閉鎖不全症」についてのセミナーが開催されています。知識をアップデートするためにできるだけ参加するよう心がけています。
この病気は進行するとX線検査や心臓エコー検査で心臓の拡大が認められます。今回はX線検査での心臓の拡大の評価方法の1つである「VHS」についてご説明致します。
【VHS(Vertebral Heart Size):胸骨心臓サイズ】
VHSとは胸部X線検査で心臓の拡大の程度を簡単に評価する方法です。
まず、心臓の長軸(赤線:L)を測定し、第4胸椎から椎骨何個分に相当するか測定します。次に心臓の短軸(青線:S)を測定し、第4胸椎から椎骨何個分に相当するか測定します。一般的にVHSが10.5以上であった場合は心臓の拡大が疑われ、さらに11.5以上であった場合は気道を圧迫している可能性が高いといわれています。
文章だけではわかりにくいですので、実際のX線をみながらご説明致します。
【症例1】
健康診断で来院したわんちゃんです。
この子は特に心雑音がなく、心臓病の症状は一切みられません。X線検査にて心臓の長軸を測定したところ椎骨6個分に相当し、短軸を測定したところ椎骨4個分に相当しました。よってVHSは6+4=10になります。
10.5以下であるため、X線検査では心臓の拡大は認められないということになります。念のため、心臓エコー検査をしたところ、やはり心臓の拡大は認められませんでした。【症例2】
心雑音があり、心臓病の症状(咳・呼吸速拍)がみられる症例のX線です。X線検査にて心臓の長軸を測定したところ椎骨6個分に相当し、短軸を測定したところ椎骨5.5個分に相当しました。よって、VHSは6+5.5=11.5になります。
10.5以上であるため、心臓の拡大が疑われます。また11.5以上であるため、気道を圧迫し咳がでている可能性が高いです。念のため、心臓エコー検査をしたところ、やはり心臓の拡大が認められました。VHSを測定することによって客観的に心臓の拡大の進行を判断することができるため、私は毎回測定するよう心がけております。さらにその後、心臓エコー検査にて心臓内腔の状態を観察することをお勧めしております。
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骨のX線検査
先日は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズ の「骨・関節のX線検査」についての講義に参加してまいりました。
X線写真は以下の5種類の物質の濃淡の差によって読影します。
①が一番白くみえ、⑤にいくにつれ黒くうつります。
①金属
②骨または鉱質
③液体
④脂肪
⑤ガス(空気)
【わんちゃんの胸部X線】
①金属(マイクロチップと首輪の金属)が一番白くうつっています。
②骨→③液体(心臓)→⑤空気(肺)の順に黒くうつります。
【太ったねこちゃんの腹部X線検査】
太ったねこちゃんでは肝臓の下に④脂肪がよくみえます。
今回の講義でも知らないことが多々あり、とても勉強になりました。
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胸部レントゲン検査
5月11日(水)は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「胸部レントゲン検査」についての講義に参加してまいりました。
【胸部レントゲン検査】
以前にもお話ししましたが、
★レントゲン検査では、液体・骨は白く、空気は黒くうつります
よって心臓は血液が溜まっているため白くうつります。
肺は空気が入っているため黒くうつります。
【正常猫のレントゲン】
肺はわんちゃん・ねこちゃんともに下図のように
①左前葉前部
②左前葉後部
③左後葉
④右前葉
⑤右中葉
⑥右後葉
⑦副葉
の合計7葉にわかれています。
(ちなみに牛は8葉、豚は7葉、馬は5葉になります)
レントゲンでみると、このようになります。
*ラテラル像(横向き)
*VD像(仰向け)
このように、各肺葉の位置を考えながらレントゲンを読影します。
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心臓超音波研修6回目~先天性心疾患~
3月6日(日)は診察を10時までにさせて頂いて、院長と心臓の超音波研修に行ってまいりました。この研修は10月~3月にかけ毎月1回、合計6回開催され、今回は6回目つまり最後の研修でした。今回は先天性心疾患についての研修でした。
若いわんちゃん・ねこちゃんで特に強い心雑音を聴取した時には先天性心疾患を疑います。(弱い心雑音は正常なわんちゃん・ねこちゃんにもみられることもあります)
<犬でみられる先天性心疾患>
①動脈管開存症
②心室中隔欠損症
③肺動脈狭窄症
④大動脈狭窄症
⑤心房中隔欠損症
⑥ファロー四徴症
<猫でみられる先天性心疾患>
①左室形成異常
②大動脈狭窄症
③心室中隔欠損症
④心房中隔欠損症
⑤ファロー四徴症
上記の先天性心疾患における超音波検査(エコー)での診断方法を勉強してきました。
先天性心疾患はわんちゃん・ねこちゃんともにそんなに多い病気ではないですが、もし来院された時には診断できなければいけないなと思いました。
10月~3月にかけ、毎月1回、日曜日に診察時間を短縮させて頂き、皆様には大変ご迷惑をおかけいたしました。今回の研修は実際にわんちゃん・ねこちゃんに自分でエコーをあてて行う実習形式だったので、より実践的で勉強になりました。
今回の実習で得た知識を生かして、これからも心エコー検査をより積極的に行っていこうと思っております。
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心臓超音波研修5回目~猫の心筋症~
2月27日(日)は診察を10時までにさせて頂いて、院長と心臓の超音波研修を受講してきました。(研修日の診察時間の変更はこちらになります。)
今回は、猫の心筋症についての研修をうけてまいりました。
心筋症は心臓の筋肉の厚さや働きの状態によって以下の5つに分類されます
①肥大型心筋症 (HCM)
②拘束型心筋症 (RCM)
③拡張型心筋症 (DCM)
④不整脈源性右室心筋症 (ARVC)
⑤分類不能型心筋症 (UCM)
猫では①肥大型心筋症が最も多く発生するといわれています。
【肥大型心筋症について】
左心室が狭くなることによってその上にある左心房に血液がたまって大きくなり、レントゲンでは「バレンタインハート」とよばれる特徴的な心臓の形をみることができます。このような状態では心臓の働きは急激に低下し、同時に肺水腫を起こしていることが多いです。
超音波検査では左室壁の求心性肥大(6mm以上)、左室内腔の狭小化などが認められます。
さらに突然の痛みと同時におこる後肢の麻痺もこの病気の1つの特徴とされています。(大動脈血栓塞栓症)
これらの症状は進行が早く、ある日突然おこり1~3日以内に急激に悪化することがあります。
このような症状がでてから治療を開始しても、死亡率が高いといわれています。
よって、健康な時から健康診断によって定期的に超音波検査を行い、早期に心筋症を発見することが大切です。
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胸水・胸腔内腫瘍の画像診断(レントゲン・超音波診断)
2月16日は東京都内で開催されている日本臨床獣医学フォーラム・東京レクチャーシリーズの「リンパ節、胸腔、腹腔の超音波診断、超音波ガイド下生検」についての講義に院長と参加してまいりました。今回は胸水・胸腔内腫瘍の画像診断(レントゲン・超音波診断)についてお話させて頂きます。
【胸水・胸腔内腫瘍の画像診断(レントゲン・超音波診断)】
★レントゲン検査→液体は白く空気は黒くうつります。
★超音波検査(エコー検査)→液体は黒くうつりますが、空気はよくうつりません。肺は酸素を交換するところで空気がたくさんある臓器なので、基本的にはよくうつらない臓器になります。しかし、胸腔内に液体が溜まっていると液体が黒くうつるため、肺や胸腔内の腫瘍などがよくみえるようになります。
【実際の症例】
★正常猫★
<胸部レントゲン検査>
心臓は血液が溜まっているため白くうつります。肺は空気が入っているため黒くうつります。
★胸水が貯留している猫★
<胸部レントゲン検査>
レントゲンで黒いはずの肺が白くうつっています。このような時は胸腔内に水が溜まっている(胸水)か、腫瘍の存在を疑います。
<超音波(エコー)検査>
胸水が貯留している時は、より詳しい精査のために胸腔の超音波検査を行います。エコーでは液体は黒くうつるので胸水は黒くうつります。超音波検査では、胸水貯留の程度や場所、腫瘍の有無などを確認します。
腫瘍がみつかりました。
超音波下で針生検したところ、「縦隔型リンパ腫」という悪性腫瘍でした。
★胸腔内に腫瘍がある猫★
<胸部レントゲン検査>
心臓の頭側に腫瘍が存在しています。
<超音波(エコー)検査>
超音波検査では内部に嚢胞を含んでいることがわかります。
超音波下で針生検したところ、胸腺腫疑いでした。
胸腔内のしこりや胸水の生検は超音波下で行うとより安全に行うことができます。画像診断(レントゲン・エコー)のみではしこりの診断名はつかないため、まずは針生検をお勧めしています。
ここ1年、胸水が貯留していたり、胸腔内に腫瘍がある子が立て続けに来院なさいました。呼吸困難に陥っている子が多いため、興奮させないように慎重に検査を行わなければなりません。
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1月23日(日) 診察時間は9時から10時までとなります
2011年01月22日(土) 投稿者 hagiwara | お知らせ, 勉強会, 画像診断, 立川市マミー動物病院ブログ