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血管シーリングシステム「TESS」を導入し、縫合糸をできるだけ使わない手術が可能になりました

機器紹介 記事一覧

  1. 血管シーリングシステム「TESS」を導入し、縫合糸をできるだけ使わない手術が可能になりました

    「血管シーリングシステム」とは、組織同士をくっつけることで縫合糸を使わずに安全に止血できる手術機器です。
    黒のみ TESS

    この機器には、下記のメリットがあります。
    ①体内に縫合糸をなるべく残さずに手術ができるため、「縫合糸反応性肉芽腫」という病気を予防できる
    ②安全に止血ができる
    ③手術時間の短縮ができ、麻酔リスクを減らすことができる

    【縫合糸反応性肉芽腫について】
    一般的な去勢・避妊手術・腫瘍摘出術などの手術では精巣・卵巣・子宮・腫瘍周囲の血管を縫合糸で結紮するため、縫合糸は体内に残ってしまいます。

    しかし、近年、体内に残った縫合糸が引き起こす「縫合糸反応性肉芽腫」という病気が多数報告されています。

    「縫合糸反応性肉芽腫」とは、手術時に使った縫合糸に対して体が過剰な異物反応を起こし、術後数ヶ月から数年後に手術部位やその他の部位で炎症をおこし、大きく腫れて穴があいたり、皮膚やお腹の中にしこり(肉芽腫)が生じる病気です。

    もしこのような病気になってしまった場合、再手術で縫合糸やしこり(肉芽腫)を摘出したり、ステロイドや免疫抑制剤による治療が必要となり、場合によっては生涯の投薬が必要になります。

    特にミニチュア・ダックスフントでの報告が多いですが、チワワ、トイ・プードル、マルチーズ、シーズー、ヨーキー、ゴールデン・レトリバーなどでも報告されており、どんな犬種にも起きる可能性があります。

    当院では血管シーリングシステム「TESS」にて去勢・避妊手術・腫瘍摘出術などの手術を行うため、縫合糸縫合糸肉芽腫をできる限り予防することができます。

    去勢・避妊手術・腫瘍摘出などの手術をご希望の方は、ぜひご相談頂ければと思います。

    2016年03月14日(月) 投稿者 hagiwara | 外科, 機器紹介, 立川市マミー動物病院・設備

  2. 眼が白くなる病気

    先週は眼科のセミナーに参加してまいりました。
    本日は眼が白くなる病気についてご説明いたします。

    眼が白い時は、まずはペンライトとスリットランプを用いて、どこが白いかを確認いたします。

    【スリットランプ】
    SL-14_web用_72dpi

    眼が白くみえる場所は、①角膜 ②前房 ③水晶体 ④硝子体 に分類されます。
    どこが白いかを確認したら、何の病気かを診断していきます。

    【眼が白くなる病気】
    ①角膜
    角膜結晶状混濁・角膜浮腫・角膜炎・角膜線維化・角膜瘢痕

    ②前房
    房水フレアー・脂質性房水

    ③水晶体
    白内障・核硬化症

    ④硝子体
    硝子体変性・星状硝子体

    当院にも「眼が白い。白内障ではないか?」と心配して来院される患者さんが多くいらっしゃいます。白内障は有名な病気のため、眼が白いとまずは疑いたくなりますが、白内障以外にも眼が白くなる病気はたくさんあります。まずは眼のどこが白いのかを確認することが大切になります。

    2016年02月02日(火) 投稿者 hagiwara | 勉強会, 機器紹介, 眼科

  3. クリヨペン(凍結療法)を導入しました

    クリヨペンとは手軽に凍結療法ができるよう開発された医療機器です。
    クリヨペン

    凍結療法とは患部組織を凍結し、細胞を破壊させ、しこりを自然脱落させる方法です。簡単にいうとイボ取りになります。主に良性腫瘍が適応になります。
    数十秒照射し、処置後1~2週間後に病変が残る場合には2回目、3回目の照射を行います。

    【クリヨペン(凍結療法)の特徴】
    ①全身麻酔が必要ないため、高齢動物や麻酔リスクが高い動物にも実施できる
    ②ピンポイント照射で正常組織への損傷が少なく安全性が高い
    ③手術とは違い、短時間で処置が終わり入院不要
    ④手術より安価

    治療サイクル

    【治療例】
    ①頭頂部皮膚腫瘤
    <処置前>
    処置前

    <処置後>
    処置後

     

    ②頭頂部皮膚腫瘤
    <処置前>
    のこ処置前

    <処置後>
    のこ処置後

    処置をご希望の場合はご相談頂ければと思います。

    2015年08月23日(日) 投稿者 hagiwara | 機器紹介, 治療例, 立川市マミー動物病院・設備, 腫瘍科

  4. カラードップラー超音波診断装置Xario100を導入しました

    このたび、新しい超音波診断装置Xario 100を導入いたしました。
    ★エコー

    今まで使っていた超音波診断装置は当院が開業した2009年に購入したもので、約6年間使用していました。
    臓器がきれいに描出されるため当初は感動していましたが、6年もたつとより診断精度の高い機械がでてきます。
    去年、院長と一緒に参加した腹部超音波実習でXario100を使用し、今まで以上にきれいな画像が描出され大変感動したため、購入することにしました。
    横向き

    超音波診断装置は体にあてるだけでリアルタイムに検査画像が得られます。
    また、痛みや副作用がなく腹部臓器や心臓などの病気を診断することができます。病気や健康診断の際にお勧めすることがあります。

    購入に伴い、4月から毎月腹部・心臓の超音波実習を院内で実施し、技術の習得に努めております。今までの超音波診断装置で診断できた病気は多数あり、6年間お世話になった機械だったのでお別れするのが少しさびしかったです。

    【今までの超音波診断装置】
    アロカ

    新しい装置でより正確な診断ができるよう、技術の習得に心がけていこうと思います。

    2015年05月29日(金) 投稿者 hagiwara | 機器紹介, 画像診断, 立川市マミー動物病院・設備

  5. 眼圧計を導入しました

    このたび、動物専用の眼圧計(TonoVet)を導入いたしました。
    P1150509

    点眼麻酔なしで痛みを与えずに、短時間(数秒)で測定できます。
    P1150505

    眼圧計は緑内障やブドウ膜炎などの診断時に使用します。緑内障は治療が遅れると失明することもあるため早期発見・治療が大切です。

    2014年03月02日(日) 投稿者 hagiwara | 機器紹介, 眼科, 立川市マミー動物病院・設備

  6. 麻酔モニター

    こんにちは。マミー動物病院の獣医師の萩原です。

    当院では手術は基本的に12時から4時までのお昼休みに行っております。
    現在、計画停電が実施されているため、お昼休みが停電になっている日には手術をお受けすることができません。その場合は別の日に手術をお受けしております。
    手術を行う際にも電気が必要になります。手術中は麻酔モニターでバイタル(心拍数・呼吸数など)を確認しながら行い、照明も必要になるからです。

    今回は麻酔についてご説明させて頂きます。

    【麻酔器】
    当院で使用している麻酔器になります。こちらでイソフルラン(ガス麻酔)と酸素を調整します。
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    【麻酔モニター】
    当院で使用している麻酔モニターになります。
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    心拍数、血圧(最高・最低・平均血圧)、SpO2(血中酸素飽和度)・体温・呼吸数・CO2(呼気中の二酸化炭素濃度)をモニターすることができます。

    【ドップラー血圧計】
    血圧は麻酔モニターで測定すると同時に、ドップラー法でも測定しております。
    こちらでは麻酔モニターより正確に血圧を測定することができるといわれています。
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    【各々のバイタルの正常値】
    <心拍数>
    犬:70140/分猫:100200/

    SpO2(血中酸素飽和度)>
    95100

    <安静時呼吸数>
    猫・子犬:2040/分  成犬:2030/

    ETCO2(呼気中二酸化炭素)>
    3545mmHg (PaCO2) (25以下・60以上は特に危険)

    <体温>
    3738

    <血圧>
    最高血圧(SYS) 100160100以上にする・80以下は特に危険)
    最低血圧(DIA) 60100
    平均血圧(MEAN) 8012080以上にする・60以下は特に危険)

    上記の値の範囲外になった時には異常値とみなし、原因を探り対処します。
    手術中は5分ごとに麻酔記録をとっており、万が一、異常値がでた場合にはアラームがなるようにもなっているため、異常がでた際には早期に発見することができます。

    このように万全な状態でモニターすることによって安心して麻酔を維持することができるのです。

    2011年03月20日(日) 投稿者 hagiwara | 機器紹介, 立川市マミー動物病院・設備, 立川市マミー動物病院ブログ, 麻酔科

  7. ネブライザー

    こんにちは。獣医師の萩原です。1117日(日)は診察終了後、院長と呼吸器病のセミナーに参加してまいりました。講師はイギリスの先生で、様々な呼吸器病の症例をみることができ非常に勉強になりました。

    今回は呼吸器病の治療に用いる「ネブライザー」という機械についてご説明させて頂きます。

    【ネブライザー】

    水や薬液を霧状に変え、気道内の加湿や薬液投与のために用いる吸入器具です。主に呼吸器病の治療時に用います。

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    今回の患者さんは、柴犬の小太郎ちゃんです。まだお家に来たばかりですが、だいぶ慣れてきてお家の猫ちゃんたちを追いかけ回しているそうです。咳が続くため、当院を受診されました。ケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)と診断し、治療を開始致しました。


    【小太郎ちゃん(柴犬・男の子・2ヵ月齢)】

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    座り方がかわいいです。大人しく座っていましたが、お家ではすごくやんちゃだそうです。

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    毛がふかふかです。

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    薬液(抗生剤・気管支拡張剤など)と生理食塩水を用意します。

    これらをネブライザーにいれて、セット完了です。

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    ホースの先から霧状の水分と薬液がでてきます。

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    くんくん

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    少し楽になったかな?

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    今ではだいぶ咳も落ち着いたようです。

    私も数日前からカゼをひいてしまいました。喉が痛くて咳がでて声もガラガラです。私も今日からネブライザーを開始しました。ネブライザーをした後は喉がすっきりして気持ちがよいです。

    咳などの呼吸器症状がみられた場合は、ネブライザー療法でだいぶ呼吸が楽になるかもしれないので、一度ご相談ください。

    2010年11月11日(木) 投稿者 hagiwara | 勉強会, 呼吸器疾患, 機器紹介, 治療例, 立川市マミー動物病院・設備